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Trademark Appeal Case

結合商標の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−9401(T2002−9401/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「インナーシート」の文字を標準文字で表してなり、第5類「失禁用おしめ,生理用ナプキン」を指定商品として、平成13年1月23日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、『インナーシート』と片仮名文字で普通に用いられる方法で書してなるところ、構成中の『インナー』の文字は、下着などの意味合いで一般的に知られており(『現代用語の基礎知識2001』自由国民社発行)、『シート』の文字は指定商品を取り扱う業界で、シート状の商品を表す意味合いで、『ボディフィットコットンふわふわシート』(ユニ・チャーム株式会社)等のように使用されていることよりすれば、本願商標をその指定商品に使用しても『下着用のシート状の商品』であることを理解させるにとどまり、単に商品の品質・用途を表したに過ぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品について使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における職権証拠調べ結果の通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かに関し、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の証拠物件を発見したとして、請求人に通知したものである。

1.本願商標を構成する「インナー」ないしは「シート」の文字に関して広辞苑等辞書によれば、以下の事実が認められる。

(1)本願商標の構成中の「インナー」の文字は「内部。下着、肌着。(内部の)の意味で複合語をつくる。」(広辞苑第5版、コンサイスカタカナ語辞典)等の意味を有するものである。

(2)同じく、「シート」の文字は、「薄板や紙など一枚。雨よけなどに使う布やビニール」(広辞苑第5版、コンサイスカタカナ語辞典)等の意味を有するものである。

2.本願商標を構成する「インナーシート」の文字に関してインターネット情報によれば、以下の事実が認められる。

(1)本願商標の構成中の「インナー」の文字について

(a)ユニチャームの在宅介護のための排泄ケアナビのホームページにおける、紙おむつ基礎知識の欄において「失禁用の下着やおむつ・パッドには以下のようなものがあります。アウターとインナーを症状や必要に応じて・・・使い分けることが原則です。インナー(下着やおむつの内側に入れるパッドなど)。」(http://www.carenavi.jp/index.html)。

(b)オンライン介護ショップ「あるぷす」のホームページのなるほど介護グッズ選びにおける、紙おむつの選び方の欄において「紙おむつの分類・[アウター]経済性を考慮し、尿とりパッドだけを取り替えるという使い方が主流となり、それ以前からあったタイプの紙おむつは尿とりパッド(インナー)の外側との考えから、アウターと呼ばれるようになりました。[インナー]テープ止めパンツタイプや、はくパンツタイプの内側に入れて使用する尿とりパッドなどを指します」(http://www.toyo2.jp/alps/alps/selection)。

(c)介護用品と健康用品のお店元気一番堂のホームページにおける、商品の紹介の欄において「外側のテープ型タイプやはくパンツタイプだけでなく内側の尿とりパッドも全面通気性です。外側が通気でも内側が非通気のポリエチレン素材では陰部は蒸れてしまいます。その点を考慮致しますと、アウターとインナーを併用して使って頂いてもエアリーシリーズなら蒸れの心配はありません。」(http://seitengai.com/okamura)。

(2)同じく、「シート」の文字について

(a)ケンコーコムのホームページにおける、尿もれ用シートの商品紹介の欄において「フリーデイデオドラントライナー(発売元花王)活性炭シートの採用により、瞬間消臭でニオイも気になりません。ムレを防ぐ全面通気シート。ショーツにしっかり止まる全面ぴったりテープ付き。」(http://www.kenko.com/product/seibun/sei_782088.html)。

(b)快適屋のホームページにおける、商品の紹介の欄において「大人用紙おむつ テープタイプ・パンツタイプ、シートタイプ」(http://www.kaitekiya.jp/omutu/flat.htm)。

(c)NET−WAY健康市場のホームページにおける、商品紹介の欄において「メディパアクティL30 [大人用紙おむつ フラットタイプ]・さらさら肌ざわりのトップシート。尿をすばやく透過させ、逆流を防ぐ肌ざわりのよい不織布です。しなやか防水バックシート・しなやかな梨地加工の防水シートですから、歩行時や運動時にガサガサしません。

(http://www.net-way.co.jp/sani_omutsu/acty.html)

(d)日本衛生材料工業連合会のホームページにおける、製品について・紙おむつのQ&Aの欄において「透湿性(通気性)シートとはどのようなしくみですか。透湿性(通気性)シートとは、尿などの水分は漏れないように紙おむつの外に出さず、紙おむつの中の湿気だけを外に逃がして、通気性を良くする工夫をした素材です。シート全面に肉眼では見えないミクロの穴が開いていて、湿気などの気体は通しますが、尿のような液体は通さない大きさになっています。」(http://www.jhpia.or.jp/diaperqa/index.html)

3.指定商品との関係において、例えば、以下の(a)ないし(c)の登録実用新案公報及び特許出願の公開特許公報の内容が掲載されている特許庁のホームページにおけるIPDL(特許電子図書館)情報において、「インナーシート」の文字が特定物を表す一つのまとまった語として使用されている事実がある。

(a)登録実用新案公報 第3023547号 考案の名称「吸収体製品」において、【解決手段】 液体不透過性のアウターシートおよび身体に対面する側のインナーシートと、この両者間に配置された吸収体とを備えた吸収体製品において、インナーシートは、外面側に位置する易熱溶融性かつ非親水性の多孔質なA成分層と、内面側に位置する親水性の多孔質なB成分層とからなり、かつ幅方向の中央部において前記A成分層および前記B成分層を相互に溶結化させて形成した液体透過性領域を有している。」の記載。

(b)登録実用新案公報 第3060973号 考案の名称「吸収パッド」において、【解決手段】2枚のパルプシート3,3の間に水分吸収ポリマー1を分散配置し、それらを紙シート4,5で包み込んだ後、不織布よりなるインナーシート6と、不透水性のバックシート7とで覆っている。そのような吸収パッドにおいて、消臭液を含浸させた紙製の消臭シート2を、水分吸収ポリマー1とインナーシート6側のパルプシート3との間に配置する。前記消臭液としては、松,檜,杉の根や幹から乾留抽出した水酸基を含む有機化合物」の記載。

(c)特許出願公開公報 特許公開2001−262402 発明の名称「使い捨てのトランクス型パンツおよびその製造方法」において、【請求の範囲】「該アウターシート各々の間に介在する一枚のインナーシートから構成され、該アウターシート各々が、前記インナーシートの横中心線と平行する横方向へ延びる上下端縁と・・・」の記載。

4 請求人(出願人)は、前記3「証拠調べ通知書」に対して、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

本願商標は、上記のとおり「インナーシート」の文字よりなるところ、「内部。(インナーウェア略)下着、肌着。」等の意味(広辞苑第5版)を有する「インナー」の文字と、「薄板や紙など一枚。雨よけなどに使う布やビニール」等の意味(広辞苑第5版)を有する「シート」の文字とを連結したものと容易に看取させるものである。

ところで、「生理用ナプキン、失禁用おしめ」等を取り扱う業界においては、「インナーシート」の文字を、商品の品質、機能、構造を表すものとして普通に使用している実情が見受けられるところである。具体的には、平成17年3月25日付け証拠調べ通知書により通知したとおりである。

そうすると、本願商標をその指定商品について使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、前記実情から、単にその商品が「内側に入れるシート状の商品」であることを容易に認識し、理解するにとどまり、結局、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、上記以外の商品に使用するときは、それが恰も「内側に入れるシート状の商品」であるかのように、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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