結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−30006(T2004−30006/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2411265号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成1年8月3日に登録出願、第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品として、同4年5月29日に設定登録、その後、指定商品については、同14年7月10日にその書換登録がされ、第30類「茶」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」となったものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、日本国内において継続して3年以上、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用されていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁の理由
被請求人が使用証拠として提出した書証のいずれもが、本件商標が適法に使用に供された事実を証明するものではない。
(ア)乙第1号証の1及び2について
(a)本件商標「C−H−A」は、欧文字「C」、「H」、「A」及び二つのハイフン「−」から構成されるものであり、二つのハイフンがそれぞれ、「C」、「H」、「A」の文字の間に配置された態様で、文字と記号とがバランスよく結合した商標である。
したがって、本件商標から生ずる称呼は、その構成態様に照らして「シーエッチエー」のみと認めるのが自然であり、また、何ら特定の観念を生ずるものではない。もし、本件商標から「チャ」の称呼をも生ずるとするならば、「チャ」は「茶」を認識させる言葉であり、本件商標の設定登録当時の指定商品との関係を考えれば、到底妥当とは思えない。
(b)一方、被請求人が、本件商標を使用していると主張するお茶缶は、真中表面部分に、大書した「お茶」の字が見え、そして、左側部分には、下から上にかけて、「煎茶」「Cha」「Tea」「nese」と書され、また裏側部分には、「企画 福寿園CHA研究センター」の文字が見受けられる。「Cha」「CHA」は、その構成態様に照らして、「チャ」の称呼が生ずるのは明白であり、また、「茶」の観念を生ずる商標である。
なお、被請求人自身、これらの商標を「お茶」「煎茶」「Tea」の言葉と併記して使用していることからも、「チャ」の称呼が出ることを充分に意識して使用していると思われる。
さらに、このお茶缶に接した需要者・取引者にしても、漢字「茶/煎茶」、英語「Tea」とともに併記された「Cha」「CHA」を見れば、これらの文字が、本件商品「茶」をローマ字で書いた「チャ」であると容易に認識されるものである。
また、お茶缶の裏側部分に書かれた「企画 福寿園CHA研究センター」にいたっては、「フクジュエン・チャ・ケンキュウセンター」と称呼されるのを反対する人はいないであろう。
(c)被請求人が使用している商標と「Cha」「CHA」は、本件商標「C−H−A」と社会通念上同一と認められる商標であるか否かについては、上記に述べたとおり、本件商標は、文字とハイフンの記号から成り立つ結合商標であり、この記号は、本件商標にあっては重要な構成要素であり、付記的要素ではない。また、「シーエッチエー」の称呼のみを生じ、何ら特定の観念を生ずるものではない。
一方、被請求人が使用している商標「Cha」「CHA」は、文字商標のみからなる商標であり、「茶」の観念を生ずる商標である。
これらの事情を勘案するに、両者は、社会通念上同一と認められる商標ではない。
(d)以上のような次第で、本件商標「C−H−A」は、被請求人が使用している商標「Cha」「CHA」とは、外観、称呼、観念の点において全く相容れない別異の商標というべきである。
(イ)乙第2号証について
本件証拠は、平成11年6月25日に発行されたものであり、請求人自身が認めているとおり、審判請求の登録日前3年以内に発行されたものではないので、証拠としての能力に欠けるものである。
したがって、請求人は、当該証拠の適否について論ずる必要なしと考える。
(ウ)乙第3号証、同第4号証及び同第5号証について
請求人は、宇治の露製茶株式会社(京都府相楽郡山城町所在。以下「宇治の露製茶」という。)が、商標権者である被請求人会社の100%子会社であることは認める。また、当該会社が、被請求人の企画、指示に基づいて「Cha」が付された缶入りの「茶」を製造販売し、伝票処理上「CHA」を使用していたことも認める。
しかし、前記(ア)で述べたごとく、本件商品「茶」に使用された商標は、「Cha」「CHA」であり、あくまで本件商標「C−H−A」とは異なる別異の商標であると強く主張するものである。
(エ)このように、被請求人の答弁の内容からは、「Cha」「CHA」が、請求登録前3年以内に「茶」に使用されたことは認められるが、本件商標「C−H−A」が本件商品について審判請求の登録日前3年以内に使用されたとはいい難い。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証(枝番号を含む)を提出した。
(1)本件商標は、以下に述べるように、商標権者である被請求人が指定商品に属する「茶」について使用していたものであり、したがって、本件商標の登録は、商標法第50条により取り消されるべきものではない。
(ア)被請求人会社は、本件商標を写真及び広告(乙第1号証の1及び2並びに同第2号証)に示すような商品缶入りの「茶」(以下「本件商品」という。)について使用してきたものである。
(イ)本件商品は、被請求人会社の子会社である宇治の露製茶が直接製造販売に関わり、広告宣伝等も行っているものである。
宇治の露製茶は、被請求人会社の100%子会社である(乙第3号証)。
(ウ)乙第2号証に示す新聞は、宇治の露製茶による本件商標の宣伝広告を掲載したものである。
乙第2号証に示す新聞広告は、発行が本件審判請求前3年以内のものではないが、少なくとも、広告に現れている商品を広告当時から、継続して販売しているものである。
現実の取引にあっては、前記3種類の商品をそれぞれ「CHA缶ドリンク煎茶缶」「CHA缶ドリンク缶ほうじ茶」「CHA缶ドリンク缶ウーロン」の名で伝票処理上の名称として、その品名によって取引している。
乙第1号証の1及び2の現物写真に示す商品は、その中の一種である。
(エ)本件商品の現実の流れは、被請求人会社の企画、指示により、宇治の露製茶が武田食品工業株式会社などに加工委託して納品を受け(乙第4号証)、取引先に販売していく(乙第5号証)というかたちとなっている。
ここでは、乙第4号証及び同第5号証により、平成15年(2003年)7月頃までの実績を示すものである。
(オ)前記乙第1号証の1及び2並びに同第2号証に見られるように、本件商品の容器には、それぞれ「CHA」の文字を顕著に印刷表示しており、また、これらの商品は、前記のように「CHA缶ドリンク煎茶缶」「CHA缶ドリンク缶ほうじ茶」「CHA缶ドリンク缶ウーロン」の名で取引しているのであるから、取引にあって「CHA」の文字が商標として認識されているものであることはいうまでもない。
そして、本件商標と前記使用商標とは、構成中の「−」の記号が省略されているという違いはあるが、社会通念上別異のものを認識させるほどのものではなく、同一の称呼、観念を生じさせるものであるから、使用商標は、本件商標の使用に当たるものというべきである。
(カ)本件商標を使用している前記「煎茶」「ほうじ茶」及び「ウーロン」が本件審判請求において取消しを求められている本件商標の指定商品に含まれるものであることは明白である。
(2)以上のとおり、本件商標は、商標権者によって、本件商標を取消請求に係る指定商品について、本件審判請求前3年以内に国内において使用されていたものであることを証明するものである。
本件商標は、別掲のとおり「C」、「H」及び「A」の各文字間にハイフン「−」を有する構成よりなるものであって、2個のハイフンが配されている点に外観上の特徴を有するものであり、これより「シーエイチエイ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものと認められる。
被請求人は、本件商標を指定商品に属する「茶」について使用していたものであると主張して、乙第1号証ないし同第5号証(枝番号を含む。)を提出するので、上述した本件商標の外観、称呼及び観念を踏まえて、以下、検討する。
被請求人の提出に係る乙第1号証及び乙第2号証は、缶入り茶飲料の写真であるが、乙第1号証の缶には「Cha」、「福寿園CHA研究センター」及び淡い着色文字で背景のごとく表した「CHA」の文字の表示が認められ、乙第2号証の缶には「Cha」及び淡い着色文字で背景のごとく表した「CHA」の文字の表示が認められる。しかしながら、これら使用商標と本件商標とは、ハイフン「−」の有無においてその構成が異なるものであり、他に本件商標と社会通念上同一と認め得る商標は見いだせない。
また、乙第2号証は、1999(平成11)年6月25日付け「日本茶業新聞」であり、その発行は、本件審判請求の登録日「平成16年2月3日」前3年以内の発行のものではない。
乙第4号証は、仕入れ日記帳、乙第5号証は売上日記帳であり、これらには「CHA缶ドリンク煎茶」、「CHA缶ドリンク缶ほうじ茶」等「CHA缶ドリンク」を含む文字が表示されている。しかしながら、これらの文字の「CHA」の文字に着目しても、上記と同様に本件商標とは構成が異なるものであり、他に本件商標と社会通念上同一と認め得る商標は見いだせない。
その他全証拠を検討しても、本件商標が「茶」に使用されている事実を示すものはない。
被請求人は、本件商標と乙号証に使用されている商標とは、構成中の「−」の記号が省略されているという違いはあるが、社会通念上別異のものを認識させるほどのものではなく、同一の称呼、観念を生じさせるものであるから、使用商標は、本件商標の使用にあたる旨主張する。
しかしながら、本件商標は、上記のとおり「C−H−A」の文字よりなるものであって、乙号証において使用されている「Cha」(CHA)の文字とは、外観において異なるものである。
また、乙号証において使用されている「Cha」(CHA)の文字は、ローマ字読みで「チャ」と称呼され、「茶」の観念をもって認識されるものであることは、上記摘示した証拠に「お茶」、「煎茶」の文字などが併せて表示されていることからも明らかといわざるを得ない。
そうとすれば、本件商標は、「シーエイチエイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語よりなること上記のとおりであるから、乙号証において使用されている「Cha」(CHA)の文字とは、外観においてのみならず、称呼及び観念のいずれの点からみても異なるものであって、社会通念上同一のものということはできない。
したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商標を請求に係る指定商品について使用した事実を証明していないし、使用していないことについて正当な理由があるとの主張・立証もないから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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