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Trademark Appeal Case

容器形状の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−2956(T2003−2956/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品」を指定商品として、2001年9月5日付けでフランス国においてした商標登録出願を基にパリ条約による優先権を主張して平成14年1月23日立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係よりすれば、その商品の収納容器(包装)の形状の一形態を表したものと容易に認識させる立体的形状よりなるものであるから、これをその指定商品について使用しても、単に商品の収納容器(包装)の形状を普通に用いられる方法をもって表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1) 立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。

そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まるというのが相当である。

また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。

そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。

(2) そこで、本願商標を以上のことに照らし検討するに、本願商標は、別掲のとおり、両端部分が円盤状でその円盤にはさまれた中央部分が横長の円筒状の形をした立体的形状よりなるところ、該立体的形状が、カプセル型の立体的形状をしているのは、内側に液体等の収納に必要な空間を効率よく確保するためであって、かつ、外側の丸みを帯びた形状は、使用時の持ちやすさ、取扱いやすさなどの機能面から採用されたものであるとともに、すっきりとした美しい印象を与えるための美感を追求して採用された形状と理解できるものであるから、全体として、本願指定商品との関係においては、液体等を収納する容器そのものを表したと理解できる形状からなるものとみるのが自然である。

そして、本願指定商品であるせっけん類、化粧品、香水の需要者の多くを占める女性は、商品の購入に際して、単に、その商品自体の品質の良さばかりでなく、その商品の容器の形状にも注目し、より美しく魅力的な形状の容器の商品を好んで購入する傾向があり、このような需要者の要望に応えるために、それら商品の容器の形状は、機能性とともに美感をより追求した形状を採用しているのがこの種の商品分野における商品の取引の実情である。

そうすると、本願商標は、その指定商品との関係においては、それら商品の容器として予測し難いような特異な形状や特別な印象を与える装飾的形状であるということはできず、むしろ、それら商品の容器としての機能をより効果的に発揮させたり、美感をより優れたものにするなどの目的で同種商品が一般的に採用し得る範囲内のものすぎないとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、これを、その指定商品に使用しても、単に商品の容器の形状を表したにすぎないものであり、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものと認められるものである。

なお、請求人は、「商品等の形状に特徴を持たせる場合には、美感とともに他社の商品との識別力を十分に考慮した形状を選択するのが当然であるとし、本願商標の立体的形状は、本願の指定商品の容器として新しく、かつ、めずらしい形状であるから、需要者取引者が、本願商標に係る立体的形状をみた時に、その形状が普通に用いられている形状であると認識する可能性は全くなく、十分に自他商品識別力を有する。」旨主張するが、本願商標の立体的形状は、指定商品との関係においては、商品の機能又は美感とは全く関係のない特異な形状とは言い難く、本願商標については、前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することはできない。

(3)むすび

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとし本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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