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Trademark Appeal Case

銀婚旅行の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−16300(T2004−16300/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「銀婚旅行」の文字(標準文字による商標)を書してなり、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,自動車の運転の代行,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越しの代行,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,ガスの供給,電気の供給,水の供給,熱の供給,倉庫の提供,駐車場の提供,有料道路の提供,係留施設の提供,飛行場の提供,駐車場の管理,荷役機械器具の貸与,自転車の貸与,船舶の貸与,車いすの貸与,自動車の貸与,航空機の貸与,機械式駐車装置の貸与,包装用機械器具の貸与,金庫の貸与,家庭用冷凍冷蔵庫の貸与,家庭用冷凍庫の貸与,冷凍機械器具の貸与,ガソリンステーション用装置(自動車の修理又は整備用のものを除く。)の貸与」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」を指定役務として、平成15年10月14日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『結婚25周年を記念した旅行』の意味合いを容易に認識させる『銀婚旅行』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであるから、これをその指定役務中、上記意味合いに照応する役務、例えば『銀婚旅行のための航空機による輸送』『銀婚旅行の実施』『銀婚旅行のための宿泊施設の提供』等に使用するときは、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記のとおり「銀婚旅行」の文字よりなるところ、その構成中の「銀婚」の文字部分は、「夫婦の結婚後25年目」を意味し、該文字を有する「銀婚式」の語が「夫婦が結婚後、25年目に行う記念祝賀の式」を表すものとして一般に親しまれていることから、本願商標に接する需要者・取引者は、全体として「結婚後25年目を迎えた夫婦の記念旅行」のような意味合いを容易に理解、認識するものというのが相当である。

そして、以上のことは、原審説示の証拠に加えて、例えば、以下の新聞記事情報からも十分に裏付けられるところである。

(1)1987年11月4日付 朝日新聞 5頁(社説・声)

「がんに勝とう 妻との2人旅(声)」の見出しの下、「川口市 小山 功(無職58歳) 今日(10月22日)は銀婚記念日。いまその日を家内と、ここウィーンのシェーンブルン宮殿に隣接した豪華なホテルの一室で迎えた。家内は、53年の夏、乳がんの手術で左の乳房を失い、5年後の58年9月、腰骨への転移で悪性骨肉しゅ(骨がん)に。ある日、私は直接主治医から、「手術は骨を削りとることになるので不可能。余命は1年」と告げられた。月2回、通院の都度打たれる抗がん剤。その強い薬液の副作用も乗りこえ、幸い1年を生き延びた。生への門出にと、家内が子供のころからあこがれていたというインド大陸を2人で横断した。そして「銀婚旅行はヨーロッパだ。頑張れ」と、ずっと励まし続けて3年たつ。しかし、帰国後、わが家に戻ってからその先、何を目標にして生きようというのか。転移した事実を明かしてしまったが、果たしてよかったことなのだろうか。痛む腰を手で押さえつつ歩く家内と、あすは夜行列車でベネチアへ向かう。(ウィーンにて)」とする記事がある。

(2)1990年11月18日付 読売新聞 5頁(東京朝刊)

「[らうんじ]銀婚旅行実現 根上淳・ペギー葉山夫妻」の見出しの下、「「銀婚式には、また来ようか」と夫が新婚旅行先のヨーロッパで妻に語りかけると、妻は答えた。「それまで仲がよければね」二十五年前の話だ。茶目っ気たっぷりな返事に「よせやい」と苦笑の夫は根上淳。妻はペギー葉山。約束が実現されることに。「もっとも、あの時は一か月間休暇が取れましたが、今回は一週間。目的地はハワイ、ニューヨークに変更しましたけれど」。ホノルルでは二人が出品した書道展も開かれている。この仲むつまじい夫妻の旅、十六日から始まっている。」とする記事がある。

(3)1991年4月18日付 毎日新聞 1頁

「[余録]トルストイ」の見出しの下、「徳冨蘆花がトルストイに会いたくてロシアまで出掛けたのは明治三十九年のことだ。言葉が通じず、汽車の車掌にも「トルストイ」、馬車の御者にも「トルストイ」一点張りの無鉄砲な旅だった▲トルストイ家には四泊した。ゴルバチョフ大統領がきのうの国会演説で「トルストイが蘆花に『日本とロシアの長期にわたる友好を確立するには、一つの目標に向かう共通の意志が大切』と説いた」と紹介したエピソードは、この時のもの▲蘆花がロシアに行く気になったのは、かねて別居を申し出ていた愛子夫人の言葉がきっかけだったというから面白い。机の上にトルストイの本が広げてあるのを見た愛子が「しばらく家を離れて、トルストイにでも会いに行ったら」とけしかけた▲そのくせ愛子は愛子で「地球の上の距離が遠くなるほど、二人の心は近くなった」といい、蘆花は蘆花で「欧米漫遊は他日二人してなすべし」と、初めは世界一周の予定だった旅を早々に切り上げて帰国したのだから、よそ様の夫婦の心はわからない▲その約束は世界一周の銀婚旅行となって実現する。おりしも第一次大戦の講和会議がパリで開かれていた。夫妻はエルサレムの町から西園寺公望、米国のウィルソン、英国のロイドジョージら列強の指導者に軍備全廃を訴える手紙を書いた▲生涯を平和主義者で通した蘆花らしい。列強といえば、トルストイは列強批判を蘆花に聞かせた中で「ロシアの力は兵力にあらず、農の鍬くわにあり。欠点があってもロシアを愛し信ずるのはそのためだ」といったという。この言葉は今でも味わい深い。」とする記事がある。

(4)1991年9月25日付 朝日新聞 19頁(娯楽)

「国立名人会(プログラム)」の見出しの下、「28日午後1時、東京・三宅坂、国立演芸場。志ん輔「お見立て」、鳳楽「酢豆腐」、小柳枝「火焔太鼓」、円右「銀婚旅行」、小さん「寝床」、栄芝の端唄。2300円、学生2100円。電話03―3265―7411(国立劇場)」とする記事がある。

(5)1993年4月25日付 読売新聞 12頁

「[日曜の広場]旅 行ける日夢見て 自営業・坂山忠夫52=兵庫県加古郡」の見出しの下、「預金金利が低かったとき、銀行への義理もあって積み立て旅行プランに加入した。それが平成二年二月に満期になり「ドリーム旅行券」が送られてきた。私は、脱サラをして十余年になる。その間、ほしいものも買わず協力してくれた妻に銀婚旅行をプレゼントしようと思った。だが、零細企業の悲しさ。不況下で毎日毎晩働きづめで頑張り、旅行に行くこともできずにいるうちに歳月がたってしまった。旅行券は金庫の中で眠ったまま。まさにドリームだと思いながら、妻と旅行に行ける日を夢見ている。」とする記事がある。

(6)1996年3月10日付 毎日新聞 35頁(総合)

「[みんな集合]銀婚旅行決めた“年賀”状=西台範子さん(日曜くらぶ)」の見出しの下、「書き残しの1枚の年賀状が、お年玉くじの4等に当たっていました。今さら他人様に差し上げるのも失礼だし、思案して夫あてに「今年は銀婚式を迎えますね。お互いに健勝で、仲良く金婚式まで頑張りましょう」と筆書きし、思いを込めてポストへ投かんしました。年賀状を受け取った夫の言葉は「北海道へ銀婚旅行に行くぞ!」。一石二鳥でした。(京都府亀岡市・47歳)」とする記事がある。

(7)2004年2月12日付 毎日新聞 11頁(家庭)

「[女の気持ち]夫の旅立ち 愛知県東海市・那波章枝(主婦・64歳)」の見出しの下、「天国へ旅立ったお父さん。新しい住居はお気に召して頂けましたか?長患い故に、早くから墓地を用意して「ここがおれのついのすみか」と、近くを通る度に寂しげに、ある時は楽しげにさえ話していたあなたのために、忌明け法要に間に合うようにつくらせました。周囲の立派なお墓に隠れてしまうほど小さくて質素な、例えるならば「ボタン園の中のトルコキキョウ」といった風情の洋墓です。すべて私一人の好みにさせて頂きました。墓銘は、考えに考えた末「旅」の一文字に。あなたと私の大好きな旅。新婚旅行で訪れた十和田湖の見事な紅葉。銀婚旅行の中国・桂林の水墨画の絶景。真珠婚旅行は待望のカナダ旅行、カナディアンロッキーの大自然に歓声を上げましたね。病が進行してからは、近場に絞り、訪れた温泉場は数知れず。その思い出の数だけでも、私の余生は癒やされます。ひつぎに入れるために娘が買ってきた雑誌「旅」の表題は、くしくも「終着駅からの旅」。あの本を手にあなたの魂は、国内外、お好きなところを旅していることでしょう。晩年、病のために果たせなかった夢を果たすように。私もこれからは心おきなく旅に行かせてもらいます。その時はあなたも一緒について来てね。私もいずれ人生の旅を終えて、あなたと一緒にこの墓に入れるのを楽しみにしています。」とする記事がある。

してみれば、「銀婚旅行」の文字よりなる本願商標をその指定役務中「主催旅行の実施、航空機による輸送、宿泊施設の提供、その他旅行に関連した役務」について使用するときは、これに接する需要者・取引者は、「結婚後25年目を迎えた夫婦を対象に企画した主催旅行の実施、結婚後25年目を迎えた夫婦を対象にした記念旅行のための航空機による輸送、結婚後25年目を迎えた夫婦を対象にした記念旅行のための宿泊施設の提供、その他結婚後25年目を迎えた夫婦を対象にした記念旅行に関連した役務」のように、その役務の質(内容)を表示したものと理解するにとどまり、それをもって自他役務の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、また、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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