Trademark Appeal Case
役務の主題の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−25330(T2003−25330/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「リーダーの4つの役割」の文字を標準文字で書してなり、第41類「知識の教授,セミナー・講演会の企画・運営又は開催,録音済み磁気テープ・録画済み磁気テープの貸与」を指定役務として、平成14年11月6日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『リーダーの4つの役割』の文字を普通に用いられる方法で書している。そして、これは、指定役務との関係で、全体として『指導者の4つの役割』(キャッチフレーズ)程度の意味合いを想起させるにとどまる。そうすると、本願商標を指定役務に使用しても、前記意味合い以上に特別に顕著なところはなく、これは、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は上記のとおり「リーダーの4つの役割」の文字を書してなるところ、その構成中「リーダー」の文字は、「指導者、先駆者、首領」等の意味を有する英語「leader」の読みを、片仮名で表記したものであると容易に認識されうることは、我が国の外国語の普及程度からすれば上記各語は比較的平易な英語であって、また上記意味合いを有する外来語としても一般に知られていることにかんがみて、ごく自然なことである。
また、「役割」の語は、「役をそれぞれに割り当てること。また、割り当てられた役目」の意味を有する語と認められ、例えば「役割を担う」「役割を果たす」等のように一般に使用されるものである。
そうとすれば、これに接する取引者、需要者は、さほどの困難を伴うことなく、全体として、「指導者の担う4つの役割」「指導者の果たす4つの役割」というほどの抽象的意味合いを認識、把握するとみて差し支えなく、もって本願指定役務に係る業務を含む請求人(出願人)の業務の内容と関連づけて認識すると見るのが相当である。
ところで、近年、企業戦略や経営革新の重要な要素の一つとして、人材マネジメントや人材教育を初めとする人材戦略が注目され、関心を集めているなかで、次世代を担う指導者の育成や将来の幹部育成のための種々の研修やセミナー、講習、知識の教授等が盛んに開催され、実施されているところである。
そして、それらの研修やセミナーにおいては、リーダーシップ(指導者としての資質・能力・力量)の養成・育成・強化に主眼をおき、例えば「リーダーの役割と必要な能力の理解」、「リーダーとして期待される役割」、「リーダー人材の役割」、「リーダーの立場と役割」、「リーダーの条件と役割」等の語句が、各種研修、セミナー、講習、知識の教授等のタイトルやテーマ、あるいは講義内容として使用されている実情がある。
しかして、上記意味合いを看取させるにすぎない本願商標を、本願指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、自他役務の識別標識として認識するというよりは、むしろ、それを妨げる何か特別の事情がない限り、この語句の有する上記意味合いから、ごく自然に「指導者に求められる4つの役割」「指導者が果たすべき4つの役割」という「指導者の人材育成」に関して提供される役務の理想や理念を端的に表現した語句の一つとして認識し、知識の教授,セミナー・講演会のタイトル、テーマ、内容、あるいは、上記研修用録音済み磁気テープ・録画済み磁気テープの内容として認識、理解することになるというべきである。
そして、本願商標について上記認識、理解を妨げる特別の事情を見いだすことはできない。
してみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者は、提供される役務の主題や内容の一部を表示したものと理解するにとどまり、これ以上に何ら格別顕著なところはなく、自他役務の識別標識として役務の出所を表すような特に注意をひく部分が存しないから、それをもって自他役務の識別標識とは認識し得ないものであり、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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