sokuhyo

Trademark Appeal Case

「オリーブ」の称呼類似性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−1266(T2004−1266/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成14年4月17日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、下記の2件(以下、これらをまとめて「引用各商標」という。)である。

(1)登録第3073487号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年8月25日登録出願、第42類「西洋料理を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同7年8月31日に特例商標として設定登録され、その後、同17年3月22日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

(2)登録第3073488号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成4年8月25日登録出願、第42類「西洋料理を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同7年8月31日に特例商標として設定登録され、その後、同17年3月22日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲(1)に示すとおり、黒色の横長矩形内に白抜きの細線で横長矩形を表し、その内側に白抜きで「OLiVES」の欧文字を配した構成よりなるところ、白抜きの横長矩形を有する黒色の横長矩形部分と「OLiVES」の欧文字部分とは、これらを常に一体不可分のものとしてみるべき特別の事情を見出せないものであるから、該欧文字部分も独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすとみるのが相当である。

しかして、「(植物の)オリーブ」等を意味する英語の「olive」の文字が一般に広く知られていることからすると、本願商標の構成中の「OLiVES」の欧文字部分は、該「olive」の複数形を表したものと容易に認識、理解し得るというのが相当であるから、本願商標は、該「OLiVES」の欧文字部分に相応して、「オリーブス」の称呼及び「(植物の)オリーブ」等の観念を生ずるものといわなければならない。

他方、引用A商標は、別掲(2)に示すとおり、上下の2辺を曲線で表した縦長の図形を左右対称に表し、その右側の縦長図形に小さな円形図形を重なるように配した幾何図形と小さく表した「RESTAURANT」の欧文字と「olive」(「l」の欧文字は、他の文字より縦長に表されている。)の欧文字を配した構成よりなるものであり、また、引用B商標は、別掲(3)に示すとおり、引用A商標と同様の幾何図形と「オリーブ」の片仮名文字を表し、その中間部に小さく「レストラン」の片仮名文字を配した構成よりなるものである。

そして、引用各商標の幾何図形と文字部分とは、これを常に一体不可分のものとしてみるべき特別の事情を見出せないものであるから、該欧文字部分も独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすというのが相当であるところ、これらの構成中の「RESTAURANT」及び「レストラン」の各文字は、引用各商標の指定役務を取り扱う業界において、「西洋料理店」を意味する語として取引上普通に使用されているのが実情であるから、該各文字は、役務の質、内容を表示するものとして自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきものである。

そうとすると、引用各商標は、それぞれの構成中の「olive」の欧文字と「オリーブ」の片仮名文字とが、いずれも独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすというのが相当であり、該「olive」の欧文字部分と該「オリーブ」の片仮名文字部分に相応して、「オリーブ」の称呼及び「(植物の)オリーブ」等の観念を生ずるものといわなければならない。

これに対して、請求人は、引用各商標の構成中の「olive」及び「オリーブ」の各文字は、「飲食物の提供」において、店名として多数使用されているものであるから、これらは自他役務の識別標識としての機能を発揮し得ないと主張し、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。

しかしながら、「アルコール飲料を主とする飲食物の提供」又は「茶・コーヒーを主とする飲食物の提供」においては、請求人の上記主張を必ずしも否定するものではないが、引用各商標の指定役務は、「西洋料理を主とする飲食物の提供」であり、その指定役務との関係においては、「olive」及び「オリーブ」の各文字が、直ちに、店名として多数使用されているとはいい難いものであり、このことは、甲第1号証をみると、「オリーブ」の文字からなる店名の業種には、その殆どが「スナック」、「バー・クラブ」、「喫茶店」、「居酒屋」等と記載されていることからも、是認できるものであるから、請求人の主張は採用することができない。

そこで、本願商標から生ずる「オリーブス」の称呼と引用各商標から生ずる「オリーブ」の称呼とを比較すると、両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音から第4音までの「オリーブ」の音を同じくし、異なるところは語尾における「ス」の音の有無のみであり、そして、この「ス」の音は、それ自体響きの弱い無声摩擦子音「s」と母音「u」の結合した音であるばかりでなく、比較的聴取され難い語尾に位置することから、該「ス」の音の有無が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、全体の語調、語感が近似し、互いに聴き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。

さらに、本願商標の「OLiVES」の欧文字は、「(植物の)オリーブ」等の意味を有する成語の複数形であるのに対し、引用各商標の「olive」及び「オリーブ」の各文字は、いずれも「(植物の)オリーブ」等の意味を有する成語であるから、観念においても類似するとみるのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違しているとしても、称呼及び観念において相紛らわしい類似の商標であり、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。