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Trademark Appeal Case

使用商標と登録商標の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−30837(T2004−30837/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1807089号商標(以下「本件商標」という。)は、「REXER」の欧文字と「レクサー」の片仮名文字とを二段に併記してなり、昭和58年4月13日登録出願、第11類「拡声機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、同60年9月27日に設定登録され、その後、指定商品中の「電子応用機械器具」についての登録は、平成16年10月6日付け審決により取り消され、同年12月10日にその確定の登録がされているが、上記「電子応用機械器具」以外の指定商品についての登録は、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中の『拡声機械器具、その他の電気通信機械器具』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、指定商品中の「拡声機械器具、その他の電気通信機械器具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)使用商標について

被請求人は、スピーカー、マイクロホン、アンプ等の商品を製造販売しており、商品、カタログ及び商品の広告に、本件商標を付している旨答弁し、乙第1号証及び乙第2号証を提出している。

しかしながら、乙第1号証及び乙第2号証に示されている商標(これらをまとめていうときは、以下「使用商標」という。)は、以下に述べるように、本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用とはいえない。

(ア)本件商標は、同書・同大・同間隔で標準的な書体で横書きされた「REXER」の欧文字と、その下段に、同じく同書・同大・同間隔で標準的な書体で横書きされた「レクサー」の片仮名文字を上下二段に書してなる商標である。

他方、使用商標は、「REXER」の欧文字を部分的に太くしたり細くしたりして図案化した文字、及び肉太の書体で下から上に書された「REXER!」の欧文字及び記号の二種類である。仮に本件商標がその構成文字中「REXER」の欧文字部分のみから構成されている場合には、使用商標も本件商標と社会通念上同一と認められる余地もないこともないが、本件商標は、上記のように、片仮名文字「レクサー」が付されているものであり、使用商標とは、社会通念上同一とは認められないものである。

(イ)一般に、本件商標のように、欧文字及びそれに対応すると思われる片仮名文字から構成される商標の場合、その欧文字部分から生じ得る称呼が複数考えられても、需要者・取引者は、片仮名文字部分から生じる称呼で、その商標の称呼を特定するのが通常である。

このことは、特許庁のホームページ上において、本件商標の称呼が「レクサー」のみであるという事実(甲第2号証)からも容易に窺える。これに対し、「REXER」の欧文字のみからなる商標の称呼は、「レクサー」、「レキサー」、「レクセル」及び「レキセル」であるという事実(甲第3号証ないし甲第5号証)からすれば、「REXER」の文字のみより生ずる称呼は「レクサー」のみではないということができる。

(ウ)したがって、上述のような重要な要素を異にする本件商標と使用商標は、外観のみならず、称呼上も、明らかに非類似の商標であり、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標の使用とは到底認められない。

(2)以上により、乙各号証によっては、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって、その指定商品中の「拡声機械器具、その他の電気通信機械器具」について使用されていることが立証されていない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。

1 商標権者(被請求人)は、スピーカー、マイクロホン、アンプ等の商品を製造販売しており、商品、カタログ及び商品の広告に本件商標を付して使用している(乙第1号証及び乙第2号証)。

(1)乙第1号証は、本件審判の請求の登録前3年以内である平成15年11月発行の2003年版カタログである。同カタログには、「REXER」の文字が表示され、また、「REXER」の文字が付されたスピーカー、マイクロホン、アンプ等の商品の写真が掲載されている。

(2)乙第2号証は、株式会社ミュージックトレード社が、本件審判の請求の登録前3年以内である平成16年4月に発行した雑誌「ミュージックトレード」(2004年4月号)である。同雑誌の125頁に、商標権者のスピーカー、マイクロホン、アンプ等の商品の広告が掲載されている。この広告に、「REXER」の文字が表示され、また、「REXER」の文字が付されたスピーカー、マイクロホン、アンプ等の商品の写真が掲載されている。

(3)本件商標は、「REXER」の欧文字、「レクサー」の片仮名文字を上下二段に横書きしたものであるところ、上記商品、カタログ及び商品の広告に表示された「REXER」の文字は、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。

(4)本件請求に係る指定商品は、「拡声機械器具、その他の電気通信機械器具」であるところ、上記カタログ、広告に表示された商品であるスピーカー、マイクロホン、アンプは、「電気通信機械器具」の範疇に属する商品であること明らかである。

2 以上のとおり、本件商標は、商標権者が本件請求に係る指定商品である「拡声機械器具、その他の電気通信機械器具」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において継続して使用している。

第4 当審の判断

1 本件審判において、請求人は、使用商標が本件審判の請求の登録(平成16年7月20日)前3年以内に商標権者により使用されたこと、及び使用に係る商品「スピーカー、マイクロホン、アンプ」が請求に係る指定商品である「拡声機械器具、その他の電気通信機械器具」の範疇に属する商品であることについて、争うことを明らかにしていない。

そこで、使用商標が本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるか否かについて検討する。

(1)使用商標について

乙第1号証(カタログ)の表紙の左上には、やや図案化して表された「REXER」の文字よりなる商標(以下「使用商標1」という。)が表示されている。

また、表紙の右側には、下方から上方にかけて、普通の書体をもって書された「REXER」の文字及び「!」の記号が表示されている(以下「使用商標2」という。)。

同カタログの2枚目には、上段左に「WIRELESS SYSTEM」と大きく横書きされ、その右に「レクサーの音響と無線の技術を集約したワイアレスシステムは...」と記載されている。

そして、同カタログの2枚目及び3枚目に掲載された商品には、使用商標1と同一の商標が表示されている。

(2)乙第2号証(音楽雑誌)の商標権者の広告欄には、当該頁の上段及び掲載された商品に使用商標1と同一の商標が表示されている。

(3)上記(1)及び(2)で認定した事実によれば、使用商標1は、「REXER」の綴り文字よりなるものであると認められる。また、使用商標2は、そのうちの「!」の部分が付記的な記号であるから、要部は「REXER」であると認められる。

そして、該「REXER」は、特定の読みを持たない造語であるとはいえ、例えば、我が国でよく知られている英単語の「boxer」や「mixer」などが「ボクサー」、「ミキサー」と発音されるように、「REXER」の文字から生ずる称呼を「レクサー」とみることに何ら不自然さは存しない(「REXER」中の「RE」が「レ」と称呼されることについては、争いがない。)。しかも、商標権者は、自己のカタログにおいて、使用商標の読みを「レクサー」と特定して使用している事実が存在することをも併せ考えると、使用商標より生ずる自然の称呼は「レクサー」というのが相当である。

(3)本件商標は、前記のとおり、「REXER」の欧文字と「レクサー」の片仮名文字を2段に横書きしてなるものであるところ、その構成中の欧文字部分は、造語よりなるものであるから、下段に書された片仮名文字部分が該欧文字部分の読みを表したものと理解されるとみるのが相当である。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「レクサー」の称呼を生ずるものである。

(4)以上によれば、使用商標は、本件商標と「レクサー」の称呼を同じくする商標である。また、本件商標中の「レクサー」の片仮名文字部分が単に欧文字部分の読みを表すものであるところからすると、使用商標は、本件商標の要部たる「REXER」と同一の綴り文字よりなるものであるから、外観上も類似しているといえるものである。

したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標というのが相当である。

2 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品中の「スピーカー、マイクロホン、アンプ」に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「拡声機械器具、その他の電気通信機械器具」について、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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