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結論

敗訴(請求棄却)

商標「スナップフィット」のスナップフィットの識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2003−20903(T2003−20903/J1))

審判番号
不服2003−20903(T2003−20903/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「スナップフィット」
争点(論点)
スナップフィットの識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2003−20903(T2003−20903/J1)・不服)は、本件商標「スナップフィット」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「スナップフィットの識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「スナップフィット」の片仮名文字を標準文字により表してなり、第17類及び第19類の願書記載の商品を指定商品として、平成14年12月24日に登録出願されたものである。

そして、その指定商品については、平成15年8月5日付提出の手続補正書をもって、第17類「化学繊維(織物用のものを除く。),農業用プラスチックフィルム,コンデンサーペーパー,プラスチック基礎製品」、及び第19類「リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),道路標識(金属製又は発光式若しくは機械式のものを除く。),航路標識(金属製又は発光式のものを除く。),貯蔵槽類(金属製又はプラスチック製のものを除く。),建具(金属製のものを除く。)」と補正されているものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、『スナップ式の。雌雄一対のアンダカットのある嵌合部をもつ部品を、指などの弱い力で嵌合させること』を意味する『スナップフィット』の文字を標準文字で書してなるものであるから、これを本願指定商品中『リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),吹付け塗装用ブース(金属製のものを除く。),道路標識(金属製又は発光式若しくは機械式のものを除く。),航路標識(金属製又は発光式のものを除く。),貯蔵槽類(金属製又はプラスチック製のものを除く。),建具(金属製のものを除く。)』に使用しても、需要者・取引者をして、『スナップ式の、あるいは、雌雄一対のアンダカットのある嵌合部をもつ部品を、指などの弱い力で嵌合させる方式の商品』であることを容易に理解・認識させるに止まり、単に商品の品質・構造・形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、「スナップフィット」の文字を書してなるところ、その構成中「スナップ」の文字部分は「衣服の合わせ目を留める凸凹一対の小金具。押しホック。」等を意味し、また、「フィット」の文字は「適合すること。」(「広辞苑第5版」)等を意味する語として、いずれも親しまれているが、これを一連に表示してなる本願商標「スナップフィット」については、インターネット上の英和データベースである「英次郎on the Web」(http://www.alc.co.jp)には、「スナップフィット」の英語表記と認められる「snap−fit」の語が「スナップ式の」の意味を表すものとして記載され、また、機械部品の締結、接合において、ネジ留めなどを用いない方法を表すものとして「スナップフィット」の文字が様々な商品に用いられ、あるいは、スナップフィット用の樹脂が開発されている事実が、例えば、次のインターネット上のホームページ及び新聞記事情報から窺われる。

(a)「D. スナップフィット用途樹脂TSR-1938/A」タイトルのもと、「自動車産業・家電などを中心に嵌合性を特に重要視するプロトタイプが必要とされている。この嵌合性はいわゆる"スナップフィット性"と呼ばれ最近特に注目されている。我々は、種々検討した結果、このスナップフィット性はエポキシ系の樹脂では困難と判断し、高靭性を発揮しやすいウレタンアクリレート系を選定した。既存のものでは目的とする性能を得ることが出来なかったため、新規なウレタンアクリレートを開発した。これをもとにスナップフィット樹脂であるTSR-1938を完成した。」の表示がある(http://www.urban.ne.jp/home/hagi/rp-resin/report/rp_symp9911.html)。

(b)株式会社ディーメックのホームページ上、「光硬化性樹脂 特徴一覧」のタイトルのもと、「SCR-9100」の特徴として「PP(ポリプロピレン)に近い色調や物性を有するPPライク樹脂です。セルフタップ性、スナップフィット性にも優れ、PP製品の事前検証用モデルとしての試作に最適です。」の表示がある(http://www.d-mec.co.jp/products/scs/lineup/jushi.html)。

(C)エンプラ技術連合会のホームページ上「エンプラ関連の用語解説」のタイトルのもと、「スナップフィット<snap fit> アンダーカットのある雄雌一体の嵌合部を持つ製品を、指などの弱い力で嵌合させることをいう。プラスチックの組み立て用語として使われる。」の表示がある(http://www.enpla.jp/yougo_02.html)。

(d)1991年5月22日付け化学工業日報(6頁)に、「転機迎えるポリアセタール樹脂需要」の見出し記事において、「ポリアセタール(POM)樹脂の需要は堅調な推移をみせてる。中略、POMの需要構成比は電子・電気(OA機器を含む。)50%、自動車30%と両用途の比率が高い。POMは摺動性や耐薬品性、スナップフィット性などに優れた結晶性ポリマーで、ギア、カム、軸受け、ファスナー、クリップなど精密小型パーツの素材として多く使われている。」の記載がある。

(e)1999年9月2日付け日本工業新聞(16頁)に「埼玉大 スナップフィット、最適形状設計法を開発 組立・分解性に優れる」の見出し記事において、「リサイクルを前提にした、組立・分解性に優れるスナップフィット(はめ込みによる部品結合)の最適形状設計を開発した。中略、スナップフィットの実用分野としては、レンズ付きフィルムやコネクター、スイッチ、カートリッジなどがあり、産業界でも広く利用されている。」の記載がある。

してみれば、本願商標は、その構成全体をもって、特定の意味合いを有する語として使用されていると認め得るものであるから、これをその指定商品について使用するときは、部品の締結、接合において、ネジ留めなどを用いない方法を表すものと容易に理解させるというべきであり、本願商標をその指定商品中、「スナップ式の商品」、「スナップフィット用のプラスチック基礎製品」について使用するときは、単に、商品の用途、品質を表示するにすぎないといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことはできない。

なお、請求人は、本願商標を構成する「スナップ」及び「フィット」の文字は、それぞれ親しまれた語であり、需要者に多種多様な意味を想起させ、品質として理解されるものではない旨述べるとともに、「SNAP(Snap)」の文字を含む登録例を挙げているが、本願商標が、自他商品識別標識としての機能を有しないことは、前記のとおりであり、かつ、登録例は、本願とは構成を異にするから、請求人の主張は、採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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