Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90735(T2004−90735/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4800241号商標(以下「本件商標」という。)は、「ソフラテープ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成16年1月13日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年9月3日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、以下に示す登録第751515号商標(以下「引用商標」という。)と「ソフラ」の称呼において類似する商標であって、外観及び観念においても類似する商標である。また、本件商標の指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
引用商標は、「SOFRATULLE」の欧文字と「ソフラチュール」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、昭和41年1月28日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同42年8月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
引用商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)により硫酸フラジオマイシン貼付剤について使用されている。具体的には、本件商標の登録出願前に硫酸フラジオマイシン貼付剤の輸入承認を受けて発売を開始し、我が国での売上は、継続的して非常に大きく、引用商標は、本件商標の登録出願時に医療関係者の間では周知著名となっていたといえる。
したがって、本件商標は、周知である引用商標と類似し、その指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第19号について
上記のとおり、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして本件商標の登録出願時に日本国内で周知著名であった引用商標と類似するものである。
医薬品の製造、販売を業務とする商標権者は、引用商標を知っており、商標権者が本件商標をその指定商品について使用することは、出所の混同を起こすことを意図していたことが窺える。これらより、商標権者による本件商標の登録出願は、申立人の営々と築いてきた業務上の信用にフリーライドするものであり、引用商標の出所表示機能を希釈化させ、名声を毀損するおそれがあり、取引上の信義則に反する行為といえるから、不正の目的を推認させる。
したがって、本件商標は、不正の目的をもって使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第19号に該当し、その登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
引用商標は、前記のとおり、「SOFRATULLE」の欧文字と「ソフラチュール」の片仮名文字を二段に横書きしてなるものであるところ、これらの文字は、同一の書体で外観上まとまりよく表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「ソフラチュール」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。そして、引用商標中の「SOFRA」、「ソフラ」の各文字部分が「硫酸フラジオマイシン」の別名である「ソフラマイシン」の略語を表すものとして、普通に使用されているという証拠の提出はなく、また、「TULLE」、「チュール」の各文字部分が「薄い紗のような網状の織物」等を意味するフランス語であるとしても、我が国においては馴染みの薄い語であり、直ちに上記意味が理解されるものではないから、引用商標は、構成全体をもって造語を表したと理解されるとみるのが相当である。他に引用商標が「SOFRA」、「ソフラ」の各文字部分のみに着目されるという特段の理由は見出せない。
してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して、「ソフラチュール」の一連の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
したがって、引用商標より「SOFRA」、「ソフラ」の文字部分を抽出し、これを前提にして、本件商標は引用商標と「ソフラ」の称呼及び外観において類似するとする申立人の主張は、採用することができないのみならず、引用商標は、構成全体をもって造語を表したものと理解されるから、本件商標と引用商標とは観念上比較することができないものである。
以上によれば、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
甲各号証を総合すれば、申立人は、本件商標の登録出願前より、「ソフラチュール」及び「Sofralle」の文字からなる商標(以下「引用標章」という。)を「硫酸フラジオマイシン貼付剤」について使用していたことが認められる。
しかしながら、引用標章が単に「ソフラ」と略称され、本件商標の登録出願前より著名であったという事実を明らかにする証拠の提出はなく、前記(1)のとおり、引用商標(引用標章と同一の綴り文字よりなる。)は、構成全体をもって、自他商品の識別標識としての機能を発揮するというべきものであって、本件商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものではない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標及び引用商標(引用標章)は、前記のとおり、非類似の商標であるから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものということはできない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものではない。
(5)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第19号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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