Trademark Appeal Case
称呼類似性:語尾音の差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90654(T2004−90654/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4789213号商標(以下「本件商標」という。)は、「SAVOIA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年12月10日に登録出願、第30類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同16年7月9日に登録査定、同年7月23日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4407933号商標(以下「引用商標」という。)は、「SAVOY」の欧文字を標準文字で表してなり、平成10年9月22日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同12年8月11日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は「サボイア」の称呼を生じ、引用商標は「サボイ」の称呼を生ずる。両称呼の差異は、語尾の「ア」の音の有無のみであり、「ア」の音は強音ではあるが、語尾音であり、「サボイ」の音は、明瞭に聴取され、聴者に強い印象を与えるものであるから、語尾に存する「ア」の音はその影響を受けて印象が薄れがちなものとなる。
また、「SAVOY」の語は英語であり、「SAVOIA」の語はイタリア語であって、両者は同じ意味合いを有する語であることも、両者の近似性を示唆するものである。
加えて、申立人は、東京都目黒区において、「SAVOY」という店名のピザ料理店を経営しており、引用商標は、平成6年以来使用され、広く知られているものである。
そうとすれば、「飲食物の提供」の役務に本件商標が使用された場合には、本件商標に接した取引者・需要者は、周知商標「SAVOY」のイメージから、称呼中の「サボイ」部分のみが強く印象に残り、取引の現実において両称呼が相紛れるおそれがあるといわざるを得ない。
したがって、両商標は、称呼において類似する商標であり、その指定役務においても抵触するものであるから、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第43類「飲食物の提供」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標と引用商標とは、前記のとおりの構成からなるものであるから、その構成文字に相応して、本件商標からは「サボイア」の称呼を生じ、また、引用商標からは「サボイ」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、この両称呼を比較するに、両称呼は、申立人も主張しているとおり、語尾部分における「ア」の音の有無の差異のみである。しかしながら、「ア」の音は、開放母音であるため、明瞭に聴取し得るものであるから、この差異は、語尾部分における差異とはいえ、全体としても4音対3音という短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、しかも、本件商標から生ずる「サボイア」の称呼は、どちらかといえば、尻上がりに発音・聴取されるのに対して、引用商標から生ずる「サボイ」の称呼は、平坦ないしは尻下がりに発音・聴取されるものということができるから、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。
つぎに、本件商標と引用商標とは、いずれも、日常一般に親しまれているとはいえない欧文字からなるものであるから、イタリア語あるいは英語の成語として、一定の意味合いを有する語であるとしても、商取引において、直ちに特定の親しまれた観念を想起・認識させるものとはいえないから、両商標を観念において類似するものということはできない。
また、両商標の外観についても明らかに区別できるものである。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
なお、申立人は、引用商標がピザ料理店の店名として広く知られている旨の事情も述べているが、提出に係る証拠によれば、一部に「SAVOY」の表示も見受けられるが、そのほとんどは、「サヴォイ」の片仮名書きの態様で表されているものであるから、現実に需要者が目にしているのは、「サヴォイ」の片仮名書きからなる商標というべきであり、この使用に係る商標と本件商標とでは、その構成において一層の差異があり、甲各号証をもって、本件商標と引用商標との類似性が強まるものとみるのは困難である。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定役務について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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