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Trademark Appeal Case

著名商標と結合商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年異議第90816号
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4046262号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4046262号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成3年11月28日に登録出願され「Polo Club」の文字を横書きしてなり、第21類「装身具,ボタン類,かばん類,袋物,宝玉およびその模造品,造花,化粧用具」を指定商品として、平成9年8月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の名称の著名な略称である「Polo」の文字をその一部に有してなるものである。また、その使用について承諾を与えていないものである。

また、「Polo」の文字及びその文字を含む標章は、申立人の業務に係る商品「被服類」に使用し、広く一般に知られているから、その主要部である「Polo」の文字と同一の文字をその一部に有する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第第8号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申立てにおいて、申立人「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ」の述べる主張並びにその提出に係る甲第3号証、甲第4号証、甲第6号証ないし甲第8号証及び甲第10号証の各証拠を総合勘案するに、「POLO」の標章及び同文字に「by RALPH LAUREN」の文字を付加した標章又はポロ競技プレーヤーの図形ないしはこれらを組み合わせた標章(以下、一括して「POLO商標」という。)は、本件商標の登録出願時はもとよりすでにそれ以前において、米国ラルフ・ローレン又は同人の事業主体である申立人会社の取り扱いに係る衣料品、靴、かばん類、眼鏡その他の商品を表示するものとして、わが国の取引者・需要者間に広く認識せられた商標と認められる。

そして、前記かばん類にみられるごとく、POLO商標に係る各商品と本件商標に係る指定商品とは、ともにファッション性の強い商品であって、需要者層を共通にする場合が多く、かつ、申立人会社の事業規模、販売組織等の実情を考慮すれば、POLO商標の著名性は本件商標の指定商品の分野にまで及ぶと見るのが相当である。

そうすると、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は前記事情よりして、構成冒頭の「Polo」の文字部分に着目し、POLO商標との関連を容易に想起すると見るのが相当である。しかして、かかる場合、需要者は商品の出所について混同を来すおそれがあるといわざるを得ないから、結局、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわなければならない。

本件異議事件について、商標権者(上野衣料株式会社)はその提出に係る平成10年8月20日付上申書において、本件商標(「Polo Club」)は被服を始め各種商品の総合ライセンスブランドとして周知著名であり、かつ、POLO商標とは別異のものであるから商品の出所について混同を生ずるものでない旨述べ、参考資料(第1号証ないし第10号証)を提出している。

しかしながら、それら書証によれば、本件商標が衣料品特にメンズカジュアル分野において相当程度の周知性を有することが認められるとしても、進んで、その知名度、販売高、取扱品目及び所有者率(当該ブランド品の所有率)のいずれにおいてもPOLO商標のそれを上回るとする状況は認め難く、また、POLO商標の著名性は本件商標の指定商品の分野に及ぶというべきこと前記認定のとおりであるから、これら書証をもって、本件商標の出所混同のおそれなしとすることはできない。したがって、商標権者の上申理由は採用の限りでない。

4 商標権者の意見

申立人の引用する取消理由に示されている「POLO商標」ついて、現在における周知性は、これを否定するものではない。

しかし、本件商標「Polo Club」は、昭和49年より「被服」などの商品について継続して使用した結果、周知・著名となっているものである。

事実、乙第1号証ないし乙第4号証及び今回の取消理由にも示すとおり、特許庁における判断において、「POLOCLUB」「ポロクラブ」の文字の周知・著名性を認めているものである。

また、「POLO商標」が付された商品は、申立人の商品のみを扱うデパートのインショップや、「ポロショップ」と呼ばれる専門店でのみの販売形態がとられていることは、一般取引者、需要者においても十分に知られているものであるのに対し、本件商標を付した商品は量販店、専門店、百貨店という幅広い展開がなされており、両者はその販売形態において著しい相違があることから、一般需要者が、両者の商品を購入する際における出所の混同はあり得ないものである。

そうとすれば、本件商標が販売高、取扱い品目及び所有者率等において、「POLO商標」のそれを上回っていないとしても、「POLOCLUB」商標についても周知性を認めていながら、「POLOCLUB」商標の名声を高める努力をしてきた企業努力をも否定し理論上の判断のみにおいて出所の混同を生ずるおそれがあるとの理由は取引の実態を無視した甚だ公平性を欠き妥当なものでない。

さらに、本件商標は「Polo Club」の文字よりなるものであり、「ポロクラブ」の称呼をもって、被服等において使用して周知性を高めた商標と同一の構成よりなるものであり、「ポロ」と略称され認識されている事実もなく、本件商標が構成冒頭の「Polo」の文字部分に着目し、POLO商標との関連を容易に想起するとの判断には承服できない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

5 当審の判断

(1)申立人の主張及び申立人提出の甲第3号証(1988年(昭和63

年)10月29日付「日経流通新聞」)、甲第4号証(「判例時報」平成4年1月11日発行、東京高等裁判所平成2年(行ケ)183号)、甲第6号証(商品カタログ’81年版写)、甲第7号証(「男の一流品大図鑑」写:講談社昭和53年7月20日発行)、甲第8号証(「男の一流品大図鑑(’81年版)」写:講談社昭和55年11月20日発行)及び甲第10号証(「朝日新聞」写:平成元年5月19日発行)を総合すれば、「Polo」の標章及び同文字に「by RALPH LAUREN」の文字を付加した標章又はポロ競技プレーヤーの図形ないしはこれらを組み合わせた標章(以下「引用商標」という。)は、米国のデザイナー「ラルフ・ローレン(RALPH LAUREN)」又は同人の事業主体である申立人会社の取り扱いに係る商品(衣料品、かばん類、眼鏡その他の商品)について使用され、これらの標章を付した商品は、「POLO」、「ポロ」あるいは「ラルフ・ローレンのポロ」等と略称され、取引者、需要者の間で本件商標の登録出願時(平成3年11月28日)より前には周知・著名となっており、その周知・著名性は,登録審決時(平成9年5月28日)を経て今日まで継続していることを認めることができる。

そして、本件商標の指定商品と引用商標の使用商品は、共通にする「かばん類」を始め、上記の他の商品においても共に身に付けるファッション性の高い商品が多く、これらの商品は需要者の範囲を共通にするばかりでなく、その取引系統を共通にする場合も少なくないものである。

してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、その構成中、看者の目に留まりやすい前半部に位置し、かつ、周知・著名な引用商標を構成する文字と同一の文字よりなる「Polo」の文字部分に着目し、該商品が前記ラルフ・ローレン(RALPH LAUREN)又は同人の事業主体である申立人の取り扱いに係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと見るのが相当である。

(2)商標権者は、上記4の意見書において、本件商標と引用商標とは共に周知性を有するものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、商品の出所について混同を生じさせることはない旨、主張している。

確かに、本件商標が、メンズカジュアル分野において相当程度知られていることは、上記3の取消理由で示したとおりであるとしても、その周知性は引用商標のそれを上回るものとはいえず、他方、引用商標の著名性は本件商標の指定商品の分野にも及んでいるといい得るから(商標権者は、かかる認定を否定していない。)、本件商標に接する一般の需要者が、本件商標を使用する者がラルフ・ローレン(RALPH LAUREN)又は同人の事業主体である申立人と何ら関係がないことを知っていたことをうかがわせるものがない以上、たとえ、本件商標が上記商品の分野において周知性を有するとしても、出所の混同を生ずるおそれがないということはできない。

また、商標権者は、引用商標が付された商品は申立人の商品だけを扱うデパートのインショップや、「ポロショップ」と呼ばれている専門店でのみの販売形態がとられており、そのことは、一般取引者、需要者においても十分に知られているものであるのに対し、本件商標を付した商品は量販店、専門店、百貨店という幅広い展開がなされており、両者はその販売形態において著しい相違があるから、出所の混同を生ずるおそれはない旨、主張している。

しかしながら、仮に、本件商標の付された商品と引用商標の付された商品との間に商標権者の主張するような事実が存在するとしても、商品の流通経路は常に一定ではなく変化し得るものであるから、両商品の販売形態が常に商標権者の主張する形態のみに限定されるとまでいうことはできないばかりでなく(この点、申立人は、その主張において申立人の商品だけを扱うデパートのインショップや専門店は日本に約300店舗存在することを述べているにとどまる。)、少なくとも、本件商標及び引用商標が使用される商品分野における主たる需要者である一般の需要者にとって、引用商標を付した商品は専門店において、本件商標を付した商品は量販店において専ら販売されていることが周知であるといえなければ、そのような事実が存在するゆえに、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがないとはいえないところ、そのことを証する証拠の提出はない。

したがって、商標権者の上記主張は、これを採用することができない。

(3)上記のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願前より、米国のデザイナー「ラルフ・ローレン(RALPH LAUREN)」又は同人の事業主体である申立人の取り扱いに係る商品(衣料品、かばん類、眼鏡その他の商品)を表示するものとして、わが国の取引者・需要者間に広く知られていたこと明らかであるから、商標権者が、その商標中に他人の著名商標を包含していること明らかな本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者をして、申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとして、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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