結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2003−90397(T2003−90397/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4660038号商標(以下「本件商標」という。)は、「CELEMAC」の文字と「セレマック」の文字とを二段に横書きしてなり、平成14年2月4日に登録出願され、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液」を指定商品として、平成15年4月4日に設定登録されたものである。
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第752417号商標(以下「引用A商標」という。)他3件(以下「引用BないしD商標」という。)の引用登録商標と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。
よって、商標法第43条の2第1号の規定により、取り消されるべきである。
これに対し、当審において、平成16年3月8日付けで要旨以下の取消理由を通知した。
申立人の引用する国際登録第752417号商標(以下「引用A商標」という。)は、「ZELMAC」の文字を横書きしてなり、2001年2月16日スイス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条の規定により優先権を主張し、2001年3月7日を国際登録日とするものであり、第5類「Medicines for the treatment of gastrointestinal diseases.」を指定商品として、2001年(平成13年)11月9日に設定登録されたものである。
同じく、登録第3346594号商標(以下「引用B商標」という。)は、「ZELMAC」の文字を横書きしてなり、平成7年5月30日に登録出願され、第5類「薬剤」を指定商品として、平成9年9月19日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4071607号商標(以下「引用C商標」という。)は、「ゼルマック」の文字を横書きしてなり、平成7年12月26日に登録出願され、第5類「薬剤」を指定商品として、平成9年10月24日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4541504号商標(以下「引用D商標」という。)は、「ZELMAC」の文字と「ゼルマック」の文字とを二段に横書きしてなり、平成13年2月14日に登録出願され、第5類「薬剤」を指定商品として、平成14年2月1日に設定登録されたものである。
しかして、本件商標と引用A商標ないし引用D商標は、上記のとおりの構成よりなるものであって、前者は「セレマック」、後者は「ゼルマック」の各称呼を生ずること明らかである。
そこで、本件商標より生ずる「セレマック」の称呼と引用A商標ないし引用D商標より生ずる「ゼルマック」の称呼とを対比すると、両称呼は4音よりなるうち語尾部の「マック」の2音を共通にし、異なる音は第1音において「セ」と「ゼ」の音の清音と濁音という僅かな差異であり、第2音における「レ」と「ル」の音の差異も50音図中同行に属する近似音といえる。
また、本件商標の指定商品中「薬剤」の取引の実情及び、近年医療事故その中でも投薬のミスによる事故の増加が社会問題化している事情がある。このことは、最近においても例えば、以下のような新聞記事の情報にもみられる。
1.大阪・泉佐野市立泉佐野病院で抗がん剤を誤投与 02年4月、ミス公表せず の見出のもと
大阪府泉佐野市の市立泉佐野病院で02年4月、60代の女性患者に「タキソール」という抗がん剤を投与するはずが、誤って、名前が酷似した別の抗がん剤を投与するミスがあったことがわかった。患者はその後、死亡したが、病院は「死亡との因果関係はない」と話している。同じ誤投与は昨年、鹿児島大病院(鹿児島市)で起きており、厚生労働省は昨年11月、名前が似ている医薬品を例示、事故防止の対策強化を都道府県などに求めている。・・・・(2004.02.12 大阪朝刊 社会 毎日新聞)
2.投薬ミス防止にIT活用 バーコード付けチェック、似た名称をデータベース化 の見出のもと
よく似た名称の薬を取り違えたり、同じ薬でも濃度の違う製品を誤って投与したり......。全国の病院で、投薬ミスによる医療事故が後を絶たない。厚生労働省はIT(情報技術)を活用したミス防止策に乗り出す方針だが、それでも、最後は〈人間の力〉がカギとなる。・・・・ (2004.01.25 東京朝刊 読売新聞)
3.類似名薬、替える動き 県立河北病院投薬ミスで県内病院 /山形 の見出のもと
県立河北病院で昨年11月、血圧降下剤「アルマール」と似た名前の血糖降下剤「アマリール」を誤って処方し、患者が意識不明に陥った事故を受けて、県立病院や山形大付属病院などは間違えやすい名前の薬の取り扱いをやめるなどの再発防止策に乗り出した。・・・・(2004.01.10 東京地方版/山形 山形版 朝日新聞)
4.名称似た薬で一時意識不明 山形県立病院、投薬ミス の見出のもと
山形県河北町の同県立河北病院で昨年十一月、通院していた同県の五十代の男性に薬剤師が血圧降下剤と間違えて名称の似た血糖降下剤を渡し、服用した男性が低血糖で一時意識不明になっていたことが七日、分かった。・・・ 調剤は薬剤師二人が担当していた。病院側は男性に謝罪するとともに、アルマールの取り扱いを止めて別の名称の薬に変えたり、チェック体制を強化するなどの改善策をとったという。・・・・(2004.01.07 共同通信)
5.1字違いの抗がん剤投与 64歳男性死亡 鹿児島大病院 の見出のもと
鹿児島市の鹿児島大学医学部・歯学部付属病院に肺がんで入院していた鹿児島県内の男性(64)が、治療計画と違う種類の抗がん剤を誤って投与され、約1カ月後に死亡していたことがわかった。使われた抗がん剤は正しい薬とは商品名が一文字違いで、投薬の指示書を作った研修医がパソコンに誤入力した。病院は投薬ミスと死亡との因果関係をはっきりとは認めていないが、県警は業務上過失致死の疑いもあるとみて関係者から事情を聴いている。・・・・(2003.10.22 東京朝刊 朝日新聞)
6.名前の似た薬品、患者に投薬ミス 慰謝料23万円−−愛知・半田病院 の見出のもと
愛知県半田市立半田病院で02年3月、同県南知多町の男性患者(65)に、名前の似た別の薬を処方、飲んだ男性が一時こん睡状態に陥る事故が発生していたことがわかった。病院側は過失を認め、今年6月に男性に対して慰謝料など約23万円を支払った。
病院によると、男性患者は慢性腎不全で通院中の昨年3月28日に内科で受診した。その際、血圧降下剤「アルマール」の投与を受けるはずだったが、間違えて血糖降下剤「アマリール」を処方された。・・・・(2003.08.21 中部夕刊 社会 毎日新聞)
7.似た名前の薬、チェックに効く? ミス防止へ検索システム 厚労省 の見出のもと
血圧を下げる薬「アルマール」と血糖値を下げる薬「アマリール」、筋弛緩剤(しかんざい)「サクシン」と副腎皮質ホルモン剤「サクシゾン」......。似た名前の薬を間違える医療ミスが相次ぎ、死亡事故も起きていることから、厚生労働省の研究班は、医薬品の名称や外形を検索できるシステムを開発した。20日午後の同省医療安全対策検討会議の部会で発表する。・・・・(2002.11.20 東京夕刊 朝日新聞)
このような事情をも合わせ考慮すれば、本件商標と各引用商標における上記した差異が両称呼の全体に及ぼす影響は小さいものであって、両称呼を一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれがあるものといわなければならない。
してみれば、本件商標は、引用A商標ないし引用D商標とは、外観及び観念上の相違点を考慮しても、称呼において相紛らわしい類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中「薬剤」は、引用A商標ないし引用D商標の指定商品とは同一又は類似の商品と認められる。
したがって、本件商標は、その指定商品中「薬剤」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
商標権者は、3の取消理由に対し、平成16年6月10日付にて、意見書期間延長請求をし、同年7月20日付で「申立人と交渉を継続する一方、意見書を準備中である。」旨述べ、審理の猶予を求める上申書を提出していたものであるが、その後の経過について何らの説明もなく、意見書の提出もない。
本件商標が引用各商標と類似し、それぞれの指定商品も互いに同一又は類似するものであることは、上記3のとおりである。
以上のとおり、本件商標についてした商標法第4条第1項第11号を理由とする先の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、その指定商品中「結論掲記の商品」について、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
しかしながら、本件商標は、上記商品以外の本件登録異議の申立に係るその余の指定商品については、同法43条の2各号のいずれにも該当しないものと認められるから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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