Trademark Appeal Case
称呼類似と商品非類似の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90457(T2004−90457/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4767099号商標(以下「本件商標」という。)は、商標の構成を「コクマロ」の片仮名文字とし、平成15年9月2日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年3月22日に登録査定、同年4月23日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4072480号商標(以下「引用商標」という。)は、「こくまろ」の文字を横書きしてなり、平成8年1月27日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年10月24日に設定登録されたものである。
2 商標法4条1項15号について
申立人は、1996年4月より引用商標を付したカレールウ「こくまろカレー」を、また2002年8月より引用商標を付したシチュールウ「こくまろシチュ一」を製造・販売しており、発売当初から、テレビコマーシャルや新聞・雑誌等の刊行物に盛んに広告を掲載した結果、引用商標は、申立人の業務に係る商品「力レールウ、シチュールウ」の商標として、取引者・需要者間において周知なものとなっている。
そして、申立人商品と本件商標の指定商品とは非類似ではあるが、たとえ商品が非類似であるとしても、平成10年異議第91430号に照らしてみれば、「こくまろ」が申立人の周知商標であることから、商品が非類似であることを理由として需要者・取引者をして出所混同のおそれがないとするのは妥当性を欠くものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法4条1項15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
第3 当審の判断
本件商標は、前記したとおり、「コクマロ」の片仮名文字からなるものであり、一方、申立人が「力レールウ、シチュールウ」の商標として使用しているのは、「こくまろ」の平仮名文字からなるものであるから、両商標は、「コクマロ」の称呼を同じくする類似の商標ということができる。
また、甲各号証によれば、申立人の使用に係る引用商標は、「力レールウ、シチュールウ」の商標として、取引者・需要者の間において、広く知られていたことを認めることができる。
しかしながら、本件商標の指定商品である「化粧品」等の商品と申立人の業務に係る「カレールウ、シチュールウ」の商品とは、その生産部門、販売部門、用途及び品質等を全く異にするばかりでなく、いずれもがファッション関連商品であるとか、使用の場面における共通性を有するとかの事情も認められず、そもそも、商品から受けるイメージにあまりにも差があり、余程の事情でもない限り、取引者・需要者は、化粧品等の商標から力レールウ、シチュールウの商標を想起することはないものとみるのが相当である。
そして、「こくまろ/コクマロ」の語は、成語ではないとしても、申立人も述べているように、「こく」と「まろやか(さ)」の語とを組み合わせたものと容易に理解し得るものであって、「コクがあってまろやか」の如き意味合いを想起させるものであり、例えば、インターネットの検索サイトによれば、「味は値段が高いこともあって、実にコクマロな感じでした。」、「こくまろラーメン・・その名のとおりコクとまろやかさ、食後のすっきり感までも感じさせてくれる・・」というように、食べ物に関する記述について用いられているばかりでなく、「・・辛口、甘口、コクマロなメールが飛び交い・・」、「・・目一杯歌っていて、・・大人の熟成感、コクマロという感じで良かった」、「あのカレンのコクマロ(コクがあってまろやか)な歌声とそのメロディー・・」等々のように、食べ物を離れた事柄の表現においても盛んに使用されている事実を認めることができる。
そうとすれば、本件商標の指定商品と申立人の使用に係る商品とは、商品の関連性が極めて低いばかりでなく、上記した「こくまろ/コクマロ」の語の使用の実情をも併せ考慮すれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、申立人の業務に係る引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
なお、申立人は、異議決定例を挙げているが、該異議決定例は、「GEORGIA」に関するものであり、本件商標とは商標の構成を異にするばかりでなく、争点となっている商品も、「かばん類」等と「コーヒー飲料」との関係についてのものであって、本件とは事案を異にするものというべきであるから、本件についての判断の参考として採用することはできない。
したがって、本件商標の登録は、商標法4条1項15号に違反してされたものではないから、同法43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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