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Trademark Appeal Case

称呼類似性:語頭音差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90455(T2004−90455/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4766183号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4766183号商標(以下「本件商標」という。)は、「DULTON」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年4月24日に登録出願、第6類、第11類、第14類、第20類、第21類及び第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年2月2日に登録査定、同年4月23日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の3件の登録商標を引用している。

(a)登録第614153号商標は、「DOULTON」の欧文字を横書きしてなり、昭和37年4月21日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同38年5月23日に設定登録されたものである。なお、指定商品については、その後、平成17年3月16日に指定商品の書換登録により、第8類、第11類、第21類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている(以下「引用商標1」という。)。

(b)登録第624876号商標は、「ROYAL DOULTON」の欧文字を横書きしてなり、昭和37年4月21日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同38年9月19日に設定登録されたものである。なお、指定商品については、その後、平成17年3月16日に指定商品の書換登録により、第8類、第11類、第21類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている(以下「引用商標2」という。)。

(c)登録第1821335号商標は、「ROYAL DOULTON」の欧文字を横書きしてなり、昭和58年9月14日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年11月29日に設定登録されたものである(以下「引用商標3」という。)。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、外観、称呼及び観念において、引用各商標と類似し、本件商標に係る指定商品中の第14類及び第21類の指定商品は、引用各商標の指定商品と同−又は類似のものである。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

申立人は、英国において1815年に創立され、英国王室御用達となり、「ROYAL」の名を冠することを許されたものであり、「ROYAL DOULTON」の商標は、テーブルウェアだけでなく、陶花、人形、置物といった幅広い製品の商標として、世界各国において広く知られており、我が国における売上高も、2000年には8億4千万円、2003年には3億6千万円となっている。申立人の製品は、高品質で高価であることが需要者に広く認識されており、その販売経路もデパートや高級専門店等に限られており、引用商標2及び3は、本件商標出願時において既に著名の域に達していたものである。

したがって、本件商標を申立人の業務に係る商品に関連する第14類及び第21類の指定商品に使用されれば、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

(3)商標法第4条第1項第19号について

商標権者が「DOULTON」と類似する本件商標を本件指定商品について使用することは、申立人の営々と築いてきた業務上の信用にフリーライドする意図を推認させるものであり、不正の目的をもって使用するものといわざるを得ない。

(4)したがって、本件商標の指定商品中、第14類及び第21類に属する指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標及び引用各商標は、前記したとおりの構成からなるものであるところ、申立人の提出に係る甲各号証に徴すれば、本件商標からは「ダルトン」の称呼を、引用商標1からは「ドルトン」の称呼を、そして、引用商標2及び3からは「ロイヤルドルトン」の称呼を生ずるものと認められる。

そこで、本件商標から生ずる「ダルトン」の称呼と引用商標1から生ずる「ドルトン」の称呼とを比較するに、両称呼の差異は、「ダ」と「ド」の音の差異のみとはいえ、いずれも重々しく、かつ明瞭に響く濁音の「ダ」と「ド」の音の差異であり、しかも、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音における差異であって、全体としても4音という比較的短い音構成からなるものであることをも併せ考慮すれば、この音の差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、十分区別し得るものということができる。

また、本件商標と引用商標1の外観は、全体として、些か紛らわしいところがあることは否定できないとしても、いずれも比較的短い文字構成において、語頭部分において、「O」の文字の有無の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきであり、外観において類似するとまではいえない。

更に、本件商標と引用商標1とは、いずれも特定の意味合いを有しないものであるから、観念においては比較すべくもない。

次に、引用商標2及び引用商標3との関係についてみるに、引用商標2及び引用商標3は、前記したとおりの構成からなるものであるところ、申立人の主張によれば、その構成中の「ROYAL」の文字は、英国王室御用達となり、その名を冠することを許されたものであるとのことであり、そうとすれば、申立人にとって、「ROYAL」の文字部分は、単なる誇称表示とは異なり、この語の持つ意味合いは重いものであり、引用商標2及び引用商標3は、常に、「ROYAL DOULTON」の一連一体の構成をもって使用されてきたものと容易に推認し得るところである。そして、現に、申立人の提出に係る甲第10号証(Googleの検索結果リスト)によれば、申立人の使用商標は、「ROYAL DOULTON」の一連一体の態様で紹介されており、例えば、「日本でもおなじみ陶器メーカーのROYAL DOULTONのシリーズです。」の如く記載されている。

このような使用の実態を踏まえてみれば、引用商標2及び引用商標3は、その構成全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然であり、「ロイヤルドルトン」の称呼のみを生ずるものとみるのが相当である。

そうとすれば、本件商標と引用商標2及び引用商標3とは、その称呼において明らかな差異があり、外観、観念においても紛れるおそれのない別異の商標ということができる。

したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号について

上記のとおり、本件商標と引用商標2及び引用商標3とは、その称呼において明らかな差異があり、外観、観念においても紛れるおそれのない別異の商標というべきものであるばかりでなく、申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用商標2及び引用商標3が「テーブルウェア、陶花、人形、置物」等の商標として、相当程度使用されてきた事実は認められるとしても、提出に係る証拠(英和辞典、ホームページの記事、Googleによる検索結果情報)のみをもってしては、本件商標の登録出願時において、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めるに十分なものとはいえない。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標2及び引用商標3を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。

更に、本件商標と引用各商標との関係は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標が引用各商標の著名性を利用する等の目的をもって使用をするものとはいえず、不正の目的をもって使用するものであることを裏付ける証左もない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に該当しない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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