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Trademark Appeal Case

標語の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第91295号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4116021号商標の指定商品中「紙類,紙製包装用容器,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤」についての登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。

理由テキスト

1本件商標

本件登録第4116021号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成7年4月12日に登録出願され、別紙に示すとおり「交通安全」の文字を縦書きしてなり、第16類「紙類,紙製包装用容器,新聞,雑誌,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤」を指定商品として、平成10年2月20日に設定の登録がされたものである。

2登録異議の申立の理由

本件商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきものであるとして、登録異議申立人が申立てた理由は、要旨つぎのとおりである。

<申立理由>

本件商標は、「交通安全」の文字よりなるところ、これよりは「交通が安全であること」の観念が生ずるものであり、かつ、「交通安全」は祈願用語の一種として各種商品に普通に使用されているものである。

そうとすれば、本件商標をその指定商品について使用しても、それが何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものであり、かつ、その商品は一定の宗教的儀式を経た商品と誤認されるおそれがある。

してみれば、本件商標は商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

したがって、本件商標は取り消されるべきである。

3本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標については商標法第3条第1項第6号に該当するものとして商標権者に対して通知した取消理由は、要旨つぎのとおりである。

<取消理由>

本件商標は、「交通安全」の文字よりなるものであるから、これをその指定商品について使用しても、需要者をして交通安全運動の標語を想起させたり、該商品が交通安全の祈祷を受けた商品であることを理解させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

4商標権者の意見

上記3の取消理由通知に対して、商標権者は、要旨つぎのように意見を述べ、証拠として乙第1号証ないし同第8号証を提出した。

(1)交通安全運動の標語としての使用対象の指定商品であるパンフレット、チラシ、看板は、本件商標の指定商品中には含まれていない。

(2)神社、寺等が「交通安全」の語を「祈願用語」として使用する場合は、「祈祷主」である神社名、寺名等を付記し、「神社、寺等において加持祈祷済み」であることを意味するものであるから、これは「加持祈祷」というサービス(役務)であり、本来は、役務の区分第42類において主張すべきことである。

(3)本件商標の指定商品中には「祈願用語」として「交通安全」の標語が付されるとされる「日用品」、特に「お守り」は含まれていない。

(4)「家内安全」、「商売繁盛」、「交通安全」等の用語は過去に多数登録されている。

5当審の判断

本件商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとの理由により、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものであって、その認定の誤りを述べる商標権者の意見は、以下の理由により、採用することができない。

本件商標を構成する「交通安全」の文字(語)は、交通事故の防止あるいは安全運行についていまや社会的、普遍的に要請される事柄であって、警察署等の行政機関をはじめ、各種の交通機関、教育機関などにより広く励行され、呼び交わされている交通標語の一と認められる。

また、各地の寺や神社は、交通安全の祈願を念じたもの、すなわち、該標語を或る種の効能表示として、各種授与品に使用しているのが実情であって、これら授与品は、お守り、絵馬などのほか、昨今においてはシール、ステッカー、筆記具等にも拡がりをみせていることが認められる。

そうすると、本願商標がかかる意味合いにおいて社会的、普遍的な共通認識を表彰するものとするならば、その商標的機能、すなわち、需要者に対し、特定事業者にかかる商品について、その出所を認識させる機能を発揮することは元々困難なものといわなければならない。

してみると、本件商標をその指定商品中の「紙類,紙製包装用容器,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤」に使用した場合、これに接する需要者は、前記事情よりして、社会一般の共通認識又は或る種効能表示と理解するに止まり、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものとみるのが相当である。

そうとすれば、本件商標の登録は、前記法条の規定に違反してされたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項の規定により、指定商品中の標記の商品については、取り消すべきものである。

ただし、本件商標は、その指定商品中の「新聞,雑誌」については、必ずしも商品識別の機能を有しないものということはできないから、本件登録異議の申立てにかかるその余の指定商品「新聞,雑誌」については同法第4項の規定により登録を維持するものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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