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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−10981(T2003−10981/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ネオグレース」のカタカナ文字と「NEO GRACE」の欧文字とを二段に書してなり、第3類に属する願書記載の商品を指定して、平成14年5月20日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、当審における同15年8月22日付けの手続補正書により、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4431039号商標(以下「引用商標A」という。)は、「ERグレース」の文字を標準文字で書してなり、平成11年8月31日に登録出願、第3類「せっけん類,薫料,化粧品,歯磨き,つや出し剤,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同12年11月10日に設定登録されたものである。

同じく登録第4588421号商標(以下「引用商標B」という。)は、「POLA」、「GRACE SOAP」及び「グレースソープ」の文字を三段に書してなり、平成13年9月18日に登録出願、第3類「せっけん」を指定商品として、同14年7月19日に設定登録されたものである。

同じく登録第4868075号商標(以下「引用商標C」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成13年5月29日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、同17年6月3日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、前記のとおり「ネオグレース」及び「NEO GRACE」の文字よりなるところ、前半の「ネオ」及び「NEO」の文字と後半の「グレース」及び「GRACE」の文字とは、外観上一体的に構成されているとはいえ、その構成文字「ネオグレース」又は「NEO GRACE」の各語が、全体をもって特定の意味合いを有する一連の語として一般に親しまれていると見るべき格別の事情は見いだせない。

そして、構成前半の「ネオ」及び「NEO」の文字部分は、「新しい、復活の」等の意味を有し、他の語と結びついて一連の語句を形成する接頭語として一般に知られている語であって、各種商品において、新製品あるいは最新の商品であること、すなわち商品の品質を表すものとして、普通に採択、使用されているものであるから、該文字部分は、その指定商品との関係においては自他商品の識別力がないか、極めて弱いものというのが相当である。

そうとすると、本願商標に接する取引者、需要者は、「ネオ」及び「NEO」の文字部分を単に商品の品質を表したものと認識して、それに続く「グレース」及び「GRACE」の文字に自他商品の識別標識としての機能を見いだし、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないと認められる。

してみれば、本願商標からは、その構成文字の全体に相応した「ネオグレース」の一連の称呼を生ずるほか、「グレース」及び「GRACE」の文字部分に相応して「グレース」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。

(2)引用商標Aについて

引用商標Aは、前記のとおり「ERグレース」の文字からなるところ、これは、全体をもって特定の意味合いを有する一連の語として一般に親しまれていると見るべき格別の事情は見いだせない。

そして、一般に、欧文字の一字ないし二字が商品の品番・規格等を表示するための記号・符号の一類型として使用されている実情があることからすると、その構成中の「ER」の文字部分は、商品の品番・規格等を表す記号・符号の一類型として認識されると見るのが相当であるから、簡易、迅速を尊ぶ商取引の実際においては、自他商品の識別標識としての機能を果たすとは認めがたい「ER」の文字部分を省略して、後半の「グレース」の文字部分より生ずる称呼をもって、取引に当たる場合も決して少なくないものといわざるを得ない。

してみれば、本願商標からは、その構成文字の全体に相応した「イーアールグレース」の一連の称呼を生ずるほか、「グレース」の称呼をも生ずるものと認められる。

(3)引用商標Bについて

引用商標Bは、「POLA」、「GRACE SOAP」及び「グレースソープ」の文字を三段に書してなるところ、その構成中の「POLA」の文字部分は、該商標登録の権利者(ポーラ化成工業株式会社)の取扱い商品、役務ないし商号の略称を表示する代表的な出所表示標識として、取引者、需要者間において広く認識された標章と認められるものであるから、引用商標Bを、その指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「POLA」の文字(以下「代表的出所表示部分」という。)を当該業務主体を表す代表的出所表示部分(いわゆるハウスマーク)ととらえ、その下側に表した「GRACE SOAP」及び「グレースソープ」の文字部分(以下「個別商標部分」という。)をその取扱いに係る個別商標(いわゆるペットネーム)と認識し、把握すると見るのが相当である。

そして、取引の実際の場にあっては、取引者、需要者が数ある同種の商品の中から特定の商品を選択して購入するに際して、その代表的出所表示部分のみ、又は代表的出所表示部分を除いた個別商標部分をもって簡便に取引に資する場合も決して少なくないというべきであるから、その構成中個別商標部分も独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというべきである。

しかして、個別商標部分の構成中の「SOAP」及び「ソープ」の文字は、「せっけん」の意味を有する英語及び外来語として親しまれている語と認められるから、個別商標の構成中の「SOAP」及び「ソープ」の文字部分は、商品の普通名称を表示するものと認識、理解されるところであり、構成中の自他商品の識別標識としての機能を果たし得る部分は、「GRACE」及び「グレース」の文字部分にあると見るのが相当である。

してみれば、引用商標Bは、個別商標部分全体を一連に読んだ「グレースソープ」の称呼のほか、単に「グレース」の称呼をも生ずるものと認められる。

(4)引用商標Cについて

引用商標Cは、後掲のとおり、赤色の菱形状の図形と、欧文字「g」を山吹色の筆記体で表したものとを組み合わせ、その下方に山吹色で表された「GRACE」の文字を配してなるものであるところ、上方に表された図形と欧文字の組み合わせからなる部分と下方の文字部分とは、視覚的に分離されて看取されるばかりでなく、これらを常に一体不可分のものとしてのみ認識しなければならない格別の事情も認め得ないものであるから、これに接する取引者、需要者は称呼しやすい「GRACE」の文字部分に着目し、該文字より生ずる称呼をもって取引に資する場合が多いものと見るのが相当である。

したがって、引用商標Cは、その構成文字に相応して「グレース」の称呼を生ずるものと認められる。

(5)本願商標と引用各商標との類否について

以上、認定したところによれば、本願商標と引用各商標とは、いずれも「グレース」の称呼を生ずるものと認められる。

してみれば、本願商標と引用各商標とは、「グレース」の称呼を共通にする類似する商標であり、また、本願商標の指定商品は、引用各商標の指定商品と同一又は類似するものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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