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結論

敗訴(請求棄却)

商標「ローラリテーナ」のローラリテーナの識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判平成10年異議第91401号)

審判番号
平成10年異議第91401号
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「ローラリテーナ」
争点(論点)
ローラリテーナの識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
第7類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年異議第91401号・異議)は、本件商標「ローラリテーナ」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「ローラリテーナの識別力」です。指定商品・役務は第7類に属します。特許庁は「登録第4121386号商標の指定商品中「軸,軸受け,軸継ぎ手,ベアリング」についての登録を取り消す」と判断しました(登録維持)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4121386号商標の指定商品中「軸,軸受け,軸継ぎ手,ベアリング」についての登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4121386号商標(以下「本件商標」という。)は、「ローラリテーナ」の文字を書してなり、平成8年12月26日に登録出願、第7類「金属加工機械器具,荷役機械器具,包装用機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用のものを除く。),交流発電機,直流発電機,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」を指定商品として、同10年3月6日に設定の登録がされたものである。

2 登録異議申立に基づく当審の取消理由

本件商標は、指定商品中の「円筒ころ(ローラ)保持器を有する商品」について使用しても、単に該商品の品質を表示するにすぎないものであり、前記商品以外の「軸,軸受け,軸継ぎ手,ベアリング」について使用する場合には、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある旨の申立てがあった結果、商標権者に対して、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの取消理由を通知した。

3 当審の判断

そこで判断するに、本件商標は、「ローラリテーナ」の文字を書してなるものであるところ、構成中の「ローラ」の文字は、転子(ころ)、転動体等を表す「roller」の片仮名表記であり、また、「リテーナ」文字は、保持器を表す「retainer」の片仮名表記であって、申立人の提出に係る甲第2号証「ミニチュアベアリング−選び方と使い方−(昭和44年10月30日 株式会社オーム社 発行)」によれば、「リテーナーはボールなどを定間隔に保つためのもの」であることが認められる。

そして、甲第5号証「特許からみた機械要素便覧 軸・軸受・ばね・緩衝(昭和57年2月1日 社団法人発明協会 発行)」及び同第8号証「特開昭48−69928号公開特許公報、昭52−152934号公開実用新案公報」によれば、「ローラ(ー)リテーナ」の語は、軸受についての発明あるいは考案について「ローラー保持器」を意味するものとして普通に使用されている事実を認めることができる。

この点について、商標権者は、技術製品に関する場合には、JIS規格用語のような正しい技術用語に基づいて表現されるべきであり、乙第1号証「JIS用語辞典 機械要素編(1993年9月20日 財団法人日本規格協会 発行)」のJIS規格用語によれば、この種ベアリングに用いられる保持器は、転動体がローラーの場合は、「ローラーケージ(保持器付きころ)」と呼ばれているのであって、「ローラリテーナ」なる呼び方はされていない旨主張している。

しかしながら、ローラー保持器を「ローラーケージ」とも称していることは、商標権者の提出に係る乙第1号証ばかりでなく、申立人提出の甲第6号証「精密位置決め技術−その設計テクニック−(1989年4月15日 株式会社工業調査会 発行)」及び同第7号証「機械設計(1969年9月 株式会社日刊工業新聞社 発行)」からも認め得るところではあるが、一方で、甲第3号証「トライボロジー辞典(1995年3月20日 株式会社養賢堂 発行)」によれば、「保持器とは転がり軸受の構成部品の一つ。転動体を内輪と外輪の間から脱落しないように保持し、等間隔に保つとともに互いに接触しないようにする。ケージ又はリテーナという。」と記載されており、また、同第10号証「特開平6−280869号公開特許公報」には「ローラーケージとしてのリテナー」の如き表示もなされていることを認めることができる。

そうとすれば、乙第1号証には「ローラリテーナ」の語が記載されていないとしても、上記のとおり、多くの文献あるいは特許公報等において「ローラ(ー)リテーナ」の語が技術用語として使用されている事実に照らしてみれば、「ローラケージ」あるいは「ローラ(ー)リテーナ」の各表示は、この種商品の取引者・需要者間においては、相互に置換可能なものであって、いずれの語も「ローラ保持器」を表すものとして一般的に使用されているものとみるのが相当である。

してみれば、「ローラリテーナ」の文字を書してなる本件商標をその指定商品中の「円筒ころ(ローラ)保持器を有する軸,軸受け,軸継ぎ手,ベアリング」について使用しても、単に該商品の品質を表示してなるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、これを前記商品以外の「軸,軸受け,軸継ぎ手,ベアリング」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標の指定商品中「軸,軸受け,軸継ぎ手,ベアリング」についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものであり、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については取り消すべき理由がないものであるから、同第4項の規定により登録を維持する。

よって、結論のとおり決定する。

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