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Trademark Appeal Case

称呼の要部抽出と全体性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−7693(T2003−7693/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「MAC」の文字を標準文字で書してなり、第28類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成13年10月5日に登録出願、その後、指定商品については、同14年10月21日付け手続補正書により、第28類「ゴルフクラブ,ゴルフクラブヘッド,ゴルフクラブシャフト,ゴルフクラブグリップ」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定は、「本願商標は、登録第4050114号商標(以下『引用A商標』という。)及び登録第4331416号商標(以下『引用B商標』という。)のほか、下記2件の登録商標と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

引用登録第4645267号商標(以下『引用C商標』という。)は、「R−MAC」の文字を書してなり、平成13年9月13日に登録出願、第6類、第9類及び第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年2月21日に設定登録されたものである。

同じく、国際登録第688587号商標(以下『引用D商標』という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第25類「footwear.」(仮訳:「履物及び運動用特殊靴」)をその指定商品とし、1997年(平成9年)10月13日にベネルクス商標庁においてした基礎登録に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2000年(平成12年)10月5日に日本国を事後指定し、2001年(平成13年)7月19日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

商標登録原簿の記載によれば、原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した前記各引用商標中、引用A商標の商標権は、その登録を取り消すとの審決が平成16年10月7日に確定し、同年11月2日に抹消の登録がされている。

同様に、引用B商標の商標権については、その指定商品中の第9類「ウェイトベルト,ウェットスーツ,浮き袋,エアタンク,レギュレーター」、第14類「貴金属製靴飾り」、第18類「鞄金具,がま口口金,乗馬用具」、第21類「靴ブラシ,靴べら,シューツリー」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「運動用具」についての登録を取り消すとの審決が平成15年9月29日に確定し、同年10月29日に、その一部抹消の登録がされている。

してみると、本願商標と引用A商標とは、既に比較すべくもなく、また、本願商標と引用B商標とは、後者の指定商品の一部抹消の登録により、補正後の本願指定商品と非類似の商品となっているものである。

したがって、引用A及びB商標との関係において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶理由は、解消した。

次に、本願商標と引用C商標との類否について検討するに、本願商標は、「MAC」の文字を書してなるのに対し、引用C商標は、「R−MAC」の文字を書してなるものである。

しかして、後者の構成中の「R」と「MAC」は、いずれも同書、同大に書されており、しかも、両文字をハイフン【株式会社研究者発行「新英和大辞典」第五版1038頁には、「hyphen 1.ハイフン,連字符(2語を連結し・・・た言い方を示す時に用いる符号(−)」と記載されており、また、株式会社岩波書店発行「広辞苑」第五版2116頁には、「ハイフン[hyphen]言語表記の補助記号・・・等のようなもの。英文などで、合成度の高い複合語の連結・・・に使う。・・・」などと記載されている。】により結合して、視覚上まとまりよく一体的に表してなるものであり、これより生ずると認められる「アアルマック」又は「アアルエムエイシー」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、引用C商標は、たとえ、その構成中における前半の「R」の文字部分が商品の記号、符号等を想起させる場合があるとしても、上記事情(語等を連結する記号として認識される場合も少なくないこと。)に加え、かかる構成にあっては、その構成中、後半の「MAC」の文字部分のみが独立して認識されると解すべき格別な事情も見いだせないから、引用C商標は、その構成文字の全体をもって、一体不可分に表されたものと見るのが相当である。

そうすると、引用C商標よりは、その構成文字の全体に相応した「アアルマック」又は「アアルエムエイシー」の一連の称呼のみを生ずるというべきである。

してみると、引用C商標より「マック」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用C商標とが称呼上類似するので、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

続いて、本願商標と引用D商標との類否についてみるに、引用D商標は、別掲に示すとおり、上段における、肉太の「MAG」の文字(該構成中の「M」の文字の右下端と「A」の文字の左下端とは結合している。)と、下段における、両下肢を屈曲し、両つま先を左右に開き、両手を逆八字に振り上げた人物をデフォルメして表した肉太の図形とを組み合わせてなるものであるところ、その全体の構図は、ほぼ対称に近く、上下左右のバランスがよいものである。

そして、本願商標と引用D商標とを外観及び観念の点より比較するに、両商標は、外観においては、判然と区別し得るものであり、また、観念についても、本願商標を補正後の指定商品との関係で見たときには、特段の意味合いを直ちに看取・認識し得ないものといわざるを得ないから、一種の造語よりなるものというのが相当である。

他方、引用D商標をその指定商品「footwear.」(仮訳:「履物及び運動用特殊靴」)との関係で見たときには、その構成中の「MAG」の文字部分が一種の造語としか看取・認識されないというのが相当であり、かつ、前記構成中の図形部分も特定の事物・事象を表すものではないから、これについても、特定の観念を生じないとみるのが相当である。

そうすると、本願商標と引用D商標とは、外観及び観念において互いに紛れるおそれのないものというべきである。

しかして、本願商標よりは、その構成文字に相応して、「マック」又は「エムエイシー」の称呼を生ずるのに対し、引用D商標からは、その構成文字に相応して、「マグ」又は「エムエイジー」の称呼を生ずるものということができる。

そこで、まず、本願商標より生ずると認められる「マック」の称呼と引用D商標より生ずると認められる「マグ」の称呼とを比較するに、両者の差異は、語頭の音「マ」に促音(ッ)を伴うか否かの点と、末尾における「ク」音の清濁音の差にあるものである。

しかしながら、「マック」と「マグ」における差異音「ク」と「グ」は、ともに後舌面を軟口蓋に接し、破裂させて発する音であるとしても、前者は無声音であって、しかも、促音「ッ」に続く音として明瞭に発音されるのに対し、後者は有声音であって、終止する音であるため、これもまた明瞭に発音されるうえ、両称呼がともに2音という極めて短かい音構成よりなることを併せ考えれば、これらの差異が両称呼の全体に及ぼす影響は、甚だ大きいものといわざるを得ず、それぞれを一連に称呼しても、相紛れるおそれはないというのが相当である。

次に、本願商標より生ずると認められる「エムエイシー」の称呼と引用D商標より生ずると認められる「エムエイジー」の称呼とを比較するに、両者は、末尾において「シー」と「ジー」の差異を有するほかは、他の音構成を共通にするものである。

しかして、異なる「シ」と「ジ」の音は、ともに舌先を前硬口蓋に寄せ、前歯との間に空洞を作って発する音であるものの、前者は無声音であるのに対し、後者は有声音であって、どちらも前音の「イ」が弱く発音されることから、それに比べてやや強く発音されるだけでなく、どちらの全体称呼も1音1音区切って明確に発音されるというのが、欧文字3文字をアルファベット読みするこの種の発音による取引の実情であってみれば、該差異音が称呼全体に及ぼす影響は、決して小さいものとはいえず、それぞれを一連に称呼しても、相紛れるおそれはないというのが相当である。

してみれば、本願商標と引用D商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、理由がなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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