sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼類似性と一文字差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第91947号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4156482号商標の指定商品中「英国製の被服」についての登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4156482号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年8月29日に登録出願され、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第25類「英国製の被服,英国製の運動用特殊衣服,英国製の運動用特殊靴」を指定商品として平成10年6月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、平成2年2月26日に登録出願(優先権主張:イタリア共和国、出願日1989.9.21)され、別紙に示したとおりの構成よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成9年3月12日に設定登録された登録第2720164号商標(以下「引用商標」という。)と類似する商標であって、その指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

また、引用商標は、申立人の業務に係る商品「靴類」を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されている商標であるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがあり、さらに、本件商標は、その文字構成が周知著名な引用商標と殆ど同一であるということは、単なる偶然とはいえず、不正の目的をもって採択されたことは明らかであるから、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当する。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標を取り消すべきものとして商標権者に通知した取消理由は、つぎのとおりである。

<取消理由>

本件商標と引用商標は、その文字構成からみて、それぞれ英語読みにより称呼されるのが自然なものといえるから、本件商標は「ジェイピイトゥードス」の称呼を、引用商標は「ジェイピイトッドス」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。

そして、この両称呼は、称呼の識別に重要な要素を占める語頭部分の「ジェイピイ」の音と語尾部分の「ドス」の音を共通にしており、異なるのは、中間における「トゥー」と「トッ」の音の差異にすぎないものであるが、これとても、「トウ」と「ト」は極めて音質の近い音であり、長音と促音もそれ自体必ずしも明瞭には聴取し難いこともあって、それぞれを一連に称呼するときは、全体としての語調語感が近似し、彼此聴き誤るおそれがあるものといわなければならない。加えて、本件商標の「J.P.TOOD’S」の文字と引用商標の「J.P.TOD’S」の文字部分とは、文字構成において、「O」の1文字が多いか少ないかの差異を有するに止まるばかりでなく、終止符、アポストロフィが同じ位置に付されている点をも勘案すれば、本件商標と引用商標とは、外観上の差異にもかかわらず、彼此相紛れるおそれがある類似の商標と判断するのが相当であり、かつ、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品に包含されているものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第第11号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

上記3の取消理由通知に対して、商標権者は、要旨つぎのように意見を述べている。

(1)取消理由通知では「本件商標と引用商標とは、外観上の差異にもかかわらず」と言っており、外観は明らかに差異があることは容認されているので、本件商標の要部である「TOOD」と引用商標の要部である「TOD」の差異について言及する。

(2)取消理由通知では、本件商標の「TOOD」の称呼を「トゥード」と限定し、引用商標の「TOD」の称呼を「トッド」と限定して、中間における「トゥー・長音」と「トッ・促音」の差にすぎないと断定しているが、英語では「too・ツゥー」と「to・ツー」があり、これらの違いについては、義務教育である日本の中学校において、3年間の英語で発音と意味について習っている。それ故に、本件商標の「TOOD’S」は「ツゥードス、ツゥーヅス、トゥードス」と発音され、引用商標の「TOD’S」は「ツードス、ツッヅス、トッドス」と識別して発音されると思われる。

(3)次に、「−OD」商標(−は英文宇1字)と「−OOD」商標が非類似のものとして登録されている商標を示して、「O」の文字が一つ多くても識別されると判断された過去の登録例を提示する(資料1〜22)。

(4)指定商品については、本件商標と引用商標とは「被服」が共通するので、これを削除する用意がある。

よって、本件商標は、引用商標とは類似しないものと認められるから、その登録の維持を求めるものである。

5 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は「ジェイピイトゥードス」の称呼を、引用商標は「ジェイピイトッドス」の称呼を生ずるものとみるのが相当であって、外観上の差異を考慮しても、両商標は称呼上類似するものといわなければならないこと、先に通知した取消理由のとおりである。

また、本件商標の指定商品中「英国製の被服」は、引用商標の指定商品中の「被服」に含まれていること明らかである。

したがって、本件商標は、指定商品中「英国製の被服」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわなければならない。

しかしながら、本件商標の指定商品中、上記以外の商品については、これらの生産部門、販売部門、用途等からみて非類似の商品と認められるものである。

(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について

申立人の提出に係る証拠を検討し、かつ、職権をもって調査したが、引用商標が本件商標の登録出願時に申立人の業務に係る商品「靴類」の商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められないから、本件商標を指定商品に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものであり、さらに、本件商標は前記したとおりのものであって、申立人の出所表示機能を希釈化させ、又は、その名声を毀損させるなどの目的をもって出願されたものとは認められない。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものということはできない。

(3)したがって、本件商標の指定商品中「英国製の被服」についての登録は、商標法第4条第1項第第11号に違反してされたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものであり、その余の指定商品についての登録は、商標法第43条の4第4項の規定により、維持する。

よって、結論のとおり決定する.

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。