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Trademark Appeal Case

不使用取消と商品同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−30014(T2004−30014/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4437263号商標(以下「本件商標」という。)は、「FIREMASTER」及び「ファイヤーマスター」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成11年2月9日に登録出願、第12類「自動車用消火剤」を指定商品として、平成12年12月1日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録は取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。

(1)請求人の調査では、被請求人が、本件商標をその指定商品について、過去3年以内に、我が国において使用している事実は見受けられなかった。したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

(2)被請求人は、本件商標を「自動車用消火剤」について本件審判請求日前3年以内に使用している旨主張する。しかし、下記に述べるとおり、本件商標が使用されている商品は「自動車用消火器」であって「自動車用消火剤」ではない。

(3)請求人は、「第1類 難燃性の化学品,その他の化学品」を指定して商願2002−7785号「FIREMASTER」を出願したところ、本件商標が引用された。当該出願において請求人は、平成15年4月2日付けで上申書を提出し、引用商標(本件商標)の指定商品「第12類 自動車用消火剤」は、「消火器」又は「自動車の附属品」の概念に属する商品として解釈されるべきである旨を主張した(甲第1号証)。しかし、平成15年4月30日に担当審査官から電話を頂き「自動車用消火剤」という商品表示である以上、当該指定商品は「化学品」の概念に属する旨の回答を得た。このため本件審判を請求するに到ったものであるが、以上の経緯からも明らかなとおり、本件商標の指定商品「自動車用消火剤」は「化学品」の概念に属する商品である。

(4)被請求人は、本件商標が付された指定商品は、消火器様のボトル容器に充填された自動車用消火剤であると主張し、商品の包装及び広告に本件商標が使用されていることの証拠として乙第5号証及び乙第7号証を提出している。

しかしながら、乙第5号証においては商品が自動車内に装備されているが、このことは、当該商品が車両火災時に消火器として使用されることを意味するものである。また、乙第7号証には「ヨーロッパでは車に消火器搭載は常識」、「簡単操作の噴射コントロール方式」といった記載があり、このことからも本件商標が使用されている商品はボトル容器に充填された単なる消火剤ではなく、「自動車用消火器」であることが明らかである。

(5)以上のように、本件商標は「自動車用消火器」について使用されているものであるが、「自動車用消火器」は第9類「消火器」又は第12類「自動車の附属品」の概念に属するのに対し、本件商標の指定商品「自動車用消火剤」は「化学品」の概念に属するものであるから、両者は同一の商品ではない。

したがって、本件商標は、その指定商品について使用されていないから、その取消しは免れ得ないものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。

(1)被請求人は、本件審判請求の予告登録日である平成15年12月26日前三年以内に日本国内において、その請求に係わる指定商品である「自動車用消火剤」について、本件商標の使用をしている。

(2)乙第2号証である「英国・ファイヤーマスター社の代表者であるジョンスコット氏からの書状」の写しに示されているように、本件商標の使用者である商標権者は、日本国内におけるファイヤーマスター製品の配給並びに販売に関する正規独占代理店であるとともに、商標「FIRE MASTER」を日本において登録する権利を委任されたことに基づいて、本件商標を取得したもので、被請求人は本件商標の日本国内における正当な商標権者である。

(3)本件商標が付された商品は、消火器様のボトル容器に充填された自動車用消火剤であり、より詳しくは、自動車の事故火災に備える自動車搭載用の消火剤である。かかる商品内容の自動車用消火剤は、その包装容器に本件商標が付された状態で現実に取引界で販売・流通されており、現在においても、本件商標は、当該自動車用消火剤について使用継続中である。

(4)本件商標の取消請求に係わる指定商品についての使用の事実を、証拠(文書)に基づいて、具体的に立証する。

提出の証拠文書に掲載された商品写真や広告において自動車用消火剤の容器に付された文字や広告に使用された文字は、「FIREMASTER」なる欧文字である。しかし、「FIREMASTER」なる欧文字が、自動車用消火剤の容器に付されたり、当該商品に関する広告で使用されたりした場合は、欧文字「FIREMASTER」と片仮名「ファイヤーマスター」とを二段表記してなる本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用と判断されるべきある。

(5)被請求人は、乙第5号証である英国大使館発行英国産業情報誌「ADVENT」2001年Vol.8(平成13年(2001年)7月31日発行)を提示する。

当該乙第5号証の雑誌の第7頁には「世界の自動車メーカーが認めた/FIREMASTER/ファイヤーマスター自動車用消火剤」の文字と、「FIREMASTER」のロゴが付された自動車用消火剤の写真と、当該商品が自動車内に装備されている様子を示す写真と、本件商標権者の営業拠点である住所などが記載されている。

これらの記載事実を参考にすれば、日本国内の前記住所に業務拠点を有する商標権者である株式会社タッド・コーポレーションが、本件審判請求の予告登録日である平成15年12月26日前三年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、自動車用消火剤の包装に付する商標の使用、並びに当該指定商品の広告に関する商標の使用を現実に行なっていたことが明らかである。

(6)次に、被請求人は、商標の使用者である商標権者の取引先であるRV4ワイルドグース社に対する本件商標が付された商品の平成15年(2003年)5月12日付けで頒布された取引書類である納品書写しを乙第6号証として提示する。

この乙第6号証の納品書写しを見れば、平成15年(2003年)5月12日時点で、商標権者が本件審判請求の予告登録日である平成15年12月26日前三年以内に日本国内において、指定商品である自動車用消火剤である、ファイヤーマスター商品を現実に販売していたことが明らかである。乙第6号証の納品書写しの「品名」の欄に記載された「ファイヤーマスター1000DP」、「ファイヤーマスターFM20」、「ファイヤーマスターPM10−09」は、いずれも「FIREMASTER」の商標が付された自動車用消火剤に該当する商品である。なお、この点、疑義があるといけないので、被請求人が使用し、取引先等に配布しているパンプレット写しを乙第7号証として提示する。

乙第7号証は、平成11年度の消防白書の車両火災件数を掲載して、商標権者が平成12年度以降現在に至るまで使用しているパンフレットの複写である。乙第6号証及びこれを補強する乙第7号証から、商標権者が本件審判請求の予告登録日である平成15年12月26日前三年以内に日本国内において、その請求に係わる指定商品である「自動車用消火剤」について、本件商標の使用をしていたことが明らかである。

(7)また、被請求人は、商標権者の取引先であるジプロ株式会社に対する本件商標が付された商品の平成15年(2003年)6月30日付けで頒布された取引書類である請求明細書写しを乙第8号証として提示する。

この乙第8号証の請求明細書写しを見れば、平成15年(2003年)6月30日時点で、商標権者が指定商品である自動車用消火剤であるファイヤーマスター商品を日本国内において、現実に販売していたことが明らかである。

したがって、乙第8号証及びこれを補強する乙第7号証からも、商標権者が本件審判請求の予告登録日である平成15年12月26日前三年以内に日本国内において、その請求に係わる指定商品である「自動車用消火剤」について、本件商標の使用をしていたことが明らかである。

以上説明したように、本件審判請求の登録前三年以内に、日本国内において、商標権者がその請求に係わる指定商品である「自動車用消火剤」について、本件商標の使用をしている。

4 当審の判断

被請求人は、「自動車用消火剤」について、本件商標の使用をした旨主張するが、乙第5号証及び乙第7号証によれば、被請求人のいう前記「自動車用消火剤」は、事故などにより自動車火災が発生した場合に備えて自動車に搭載する消火剤が充填されている消火器(以下「車載消火器」という。)と認められる。

また、本件商標の指定商品は、「自動車用消火剤」であるが、この指定商品の表示それ自体と、これが「自動車並びにその部品及び附属品」などの商品が区分されている「第12類」に属する商品として登録されている事実、及び車載消火器が販売されている事実を総合すれば、この「自動車用消火剤」には、車載消火器が含まれていることは明らかといえる。

そして、乙第1号証及び乙第2号証、乙第5号証ないし乙第8号証によれば、本件審判の請求の登録(平成16年2月3日予告登録。被請求人が予告登録日とする平成15年12月26日は本件審判請求がされた日である。)前三年以内に商標権者が、本件商標の指定商品「自動車用消火剤」に含まれる商品である車載消火器について、本件商標と社会通念上同一といえる商標を使用した事実が認められる。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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