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Trademark Appeal Case

Tマークの類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2004−89032(T2004−89032/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4734267号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成15年4月25日に登録出願され、第9類、第16類、第35類、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成15年12月19日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成7年8月23日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成9年5月30日に設定登録された登録第4006498号商標(以下「引用商標1」という。)を引用するほか、引用商標1と登録出願日、指定商品及び設定登録日を同じくする登録第4006499号商標(別掲(3)、以下「引用商標2」という。)、登録第4006500号商標(別掲(4)、以下「引用商標3」という。)、登録第4006502号商標(別掲(5)、以下「引用商標4」という。)及び登録第4006503号商標(別掲(6)、以下「引用商標5」という。)を引用している。

さらに、請求人は、引用商標1(別掲(2))と同一の構成からなる登録第4020164号商標(以下「引用商標6」という。)、登録第4044849号商標(以下「引用商標11」という。)、登録第4098459号商標(以下「引用商標16」という。)及び登録第4168633号商標(以下「引用商標21」という。)、引用商標2(別掲(3))と同一の構成からなる登録第4020165号商標(以下「引用商標7」という。)、登録第4044850号商標(以下「引用商標12」という。)、登録第4098460号商標(以下「引用商標17」という。)及び登録第4168634号商標(以下「引用商標22」という。)、引用商標3(別掲(4))と同一の構成からなる登録第4020166号商標(以下「引用商標8」という。)、登録第4044851号商標(以下「引用商標13」という。)、登録第4098461号商標(以下「引用商標18」という。)及び登録第4168635号商標(以下「引用商標24」という。)、引用商標4(別掲(5))と同一の構成からなる登録第4020167号商標(以下「引用商標9」という。)、登録第4044853号商標(以下「引用商標14」という。)、登録第4098465号商標(以下「引用商標19」という。)及び登録第4168639号商標(以下「引用商標25」という。)並びに引用商標5(別掲(6))と同一の構成からなる登録第4020168号商標(以下「引用商標10」という。)、登録第4044854号商標(以下「引用商標15」という。)、登録第4098466号商標(以下「引用商標20」という。)及び登録第4168640号商標(以下「引用商標23」という。)を引用している。

また、請求人は、別掲(7)のとおりの構成からなり、2003年4月10日に国際登録、第9類、第16類、第35類、第36類、第38類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成17年2月25日に設定登録された国際登録第813002号商標(以下「引用商標26」という。)、別掲(8)のとおりの構成からなり、2003年4月8日に国際登録、第9類、第16類、第35類、第36類、第38類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成17年2月10日に設定登録された国際登録第813016号商標(以下「引用商標27」という。)及び別掲(9)のとおりの構成からなり、2003年4月10日に国際登録、第9類、第16類、第35類、第36類、第38類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成17年2月10日に設定登録された国際登録第813017号商標(以下「引用商標28」という。)を引用している。

以下、これらをまとめていうときは、「各引用商標」という。

3 請求人の主張の要点

請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第29号証を提出している。

(1)本件商標は四角形の中を黒色と灰色で塗り分けることにより、「T」の文字を表してなるものであって、その構成からすれば「T」マークとしてのみ取り扱われることは明らかである。

一方、各引用商標はその表現方法に若干の相違があるもののいずれも「T」の文字からなるので、「T」マークとしてのみ取り扱われることは明らかである。

以上から明らかなように、本件商標と各引用商標とはいずれも取引上「T」マークとして取り扱われるものであるから、両者は類似する。

また、本件商標の指定商品及び指定役務が各引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似することは明らかである。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)引用商標26ないし28が本件商標の先願であることは明らかであるから、本件商標は商標法第8条第1項に違反して登録されたものである。

(3)よって、本件商標の登録は商標法第46条第1号により無効とされるべきである。

4 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第36号証を提出している。

(1)商標登録の要件について規定する商標法第3条第1項第5号には「極めて簡単かつありふれた標章のみからなる商標」と規定され、このような商標は自他商品・役務の識別力を発揮し得ないことから、その登録は認められないとしている。

したがって、通常態様の「T」等のローマ字1文字は極めて簡単かつありふれた標章のみからなる商標であり、その登録は拒絶される。

一方、ローマ字1文字「T」であっても図案化したものあるいは「T」1文字に図形、記号等が付加されたもので自他商品・役務識別機能を発揮する商標は商標法第3条第1項第5号の要件を充足する。

したがって、ローマ字1文字「T」を図案化したものあるいは「T」1文字に図形、記号、模様等が付加され、自他商品・役務識別力を発揮する商標であれば、外観上互いに類似しない限り、それぞれ別個にその商標登録が認められる。

このことは、ローマ字1文字「T」を図案化したものあるいは「T」1文字に図形、記号等が付加されている商標で、本件商標及び各引用商標と指定類似群を共通にしながらも、これらと外観上非類似であり別個にその登録が成立している乙第1ないし第35号証として掲げる登録商標の存在からも明らかである。

(2)本件商標は灰色からなる大径、肉厚のローマ字「T」の左右余域を黒色にて埋め全体を正四角形としてなる極めて斬新な図案からなるものである。

これに対し、引用商標1は、16個の小径が黒色四角形より構成される四角形体の左上方向に図案化された「T」文字を配してなる商標である。また、引用商標2は、黒色正四角形体内の左斜め方向に大径の図案化された「T」文字とこの「T」文字を右斜め方向に横断する如く3個の白色の正四角形が配された商標である。引用商標3は、図案化された「T」文字の中央左右に黒色四角形が印象的に配された商標である。引用商標4は、図案化された「T」文字の中央左部分に1個、右部分に3個正四角形が配された商標である。引用商標5は、図案化された「T」文字の左右に正四角形が配され、右側の正四角形の下方に縦方向に一定間隔をおいて3個の正四角形が連続する商標である。

しかるに、前述の極めて正四角形体を基調とした斬新な図案からなる本件商標と引用商標1ないし5とは外観上非類似であり、誤認混同を生ずるおそれは全くないものであることは明白である。

また、本件商標と各引用商標とは、その図案化された構成から特定の称呼、観念は生ぜず、両者が称呼、観念において比較するまでもなく非類似であることも明白である。

このことは、平成3年審判第758号審決(乙第36号証)等よりも明らかである。

そして、引用商標6、11、16及び21は前述の引用商標1と同一態様からなり、引用商標7、12、17及び22は前述の引用商標2と同一態様からなり、引用商標8、13、18及び24は前述の引用商標3と同一態様からなり、引用商標9、14、19及び25は前述の引用商標4と同一態様からなり、引用商標10、15、20及び23は前述の引用商標5と同一態様に係り、既に引用商標1ないし5と本件商標との比較において述べたように、これら各引用商標と本件商標とは外観、称呼及び観念の商標類否判断基準の全てに亘って非類似の商標であることは明白である。

さらに、「t」文字を渦巻状図形にて囲んでなる図形を基調とした先願商標であると主張する引用商標26ないし28と前述の斬新が図案からなる本件商標とが非類似であることもまた明白である。

(3)以上のとおり、ローマ字「T」1文字を配しそれぞれ別個に登録されている多くの登録例(乙第1ないし第34号証)からも明らかなように、本件商標と各引用商標とは非類似であり、誤認混同を生ずるおそれがないことは明白であって、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当するものではない。

5 当審の判断

本件商標と各引用商標との類否について検討するに、本件商標は、別掲(1)のとおり、灰色に塗り潰された肉太のT字状図形の左右余域に黒塗りの長方形を配し、全体として正方形になるように構成された幾何学的図形からなるものであって、これよりは特定の称呼及び観念を生じ得ないものである。

一方、引用商標1は、別掲(2)のとおり、16個の小さな黒塗りの四角形を縦横4個ずつ並べ全体として四角形になるように配し、その四角形の左上方に重ねるように「T」の文字を配した構成からなるものである。引用商標2は、別掲(3)のとおり、黒塗りの正方形の中に「T」の文字を右斜めに傾けて白抜きし、この「T]の文字を横断するように3個の小さな正方形を白抜きした構成からなるものである。引用商標3は、別掲(4)のとおり、「T」の文字の中央左右に小さな黒塗りの正方形を配した構成からなるものである。引用商標4は、別掲(5)のとおり、「T」の文字の中央部分の左側に1個、右側に3個の小さな黒塗りの正方形を配した構成からなるものである。引用商標5は、別掲(6)のとおり、「T」の文字の中央左右に小さな黒塗りの正方形を配し、さらにこの右側の正方形の下方に3個の同じ正方形を配した構成からなるものである。そして、これら引用商標1ないし5は、その構成中に「T」の文字を含むものではあるが、いずれも「T」の文字と他の図形とがまとまりよく一体的に構成されているものであって、格別「T]の文字部分のみが分離抽出して観察されるようなことはないというべきであるから、「Tマーク」というような称呼及び観念を生ずるものとはいえない。また、引用商標6ないし25は、上記引用商標1ないし5のいずれかと同一の構成からなるものである。さらに、引用商標26ないし28は、「t」の文字の下端部を延長させて渦巻状にした如き図形ないしはこの図形を基にした図形からなるものであって、これらからは特定の称呼及び観念を生じ得ないものである。

上記のとおり、本件商標と各引用商標とは、その構成において大きな差異があるものであって、外観上明らかに異なる印象を看者に与えるものであるから、それぞれを時と処を異にして観察した場合においても外観上判然と区別し得るものである。そして、本件商標と各引用商標とは特定の称呼及び観念を生ずるものでない以上、両者は称呼及び観念において比較すべくもない。

してみれば、本件商標と各引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、その登録を無効にすべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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