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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第7号「旧資格名の慣用と誤認」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2003−24375(T2003−24375/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2003−24375(T2003−24375/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
旧資格名の慣用と誤認
適用条文
第4条第1項第7号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2003−24375(T2003−24375/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第7号への該当性が争われた事例です。主な争点は「旧資格名の慣用と誤認」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、後掲のとおりの構成よりなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成14年10月31日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同15年1月20日受付及び同年7月30日受付の手続補正書により、第41類「建築積算に関する知識及び技能の検定試験,建築積算に関する知識の教授,建築積算に関する知識及び技能の検定試験に関するセミナーの企画・運営又は開催,建築積算に関する知識及び技能の検定試験に関する電子出版物の提供,建築積算に関する知識及び技能の検定試験に関する図書及び記録の供覧,建築積算に関する知識及び技能の検定試験に関する書籍の制作,建築積算に関する知識及び技能の検定試験に関する図書の貸与」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、商標中に『建築積算士』の文字を有してなるが、これは出願人が平成2年11月に建築積算士制度の廃止に伴い『建築積算資格者』に変更し、使用できないことが明らかであるから、本願商標を登録することは、未だに該資格が現存するかのごときの誤認を需要者に与え、商取引の秩序を混乱させ、ひいては社会通念に反したものになり、穏当ではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記のとおり「BSIJ」と「建築積算士」の各文字を二段に併記してなるものである。

しかして、その構成中の「建築積算士」の語は、請求人の提出に係る甲各号証によれば、請求人が積算業務の質を向上させ、建築工事の発注・契約の適正化に役立てるために、これらの業務に携わる積算技術者が一定の技術水準を保持し、かつ積算業務が社会的に認定を受けた有資格者の手によってなされるべきとの観点に立って、1975年より講習を開始し、1979年より資格の審査・登録を始め、資格名称を変更した1989年までの間、当該審査・登録等に使用していた資格名称であり、該「建築積算士」の資格名称を用いて登録を受けた者は、1989年までに累計3177名であることが認められる。その後、「建築積算士」の資格名称は、1990年に該資格が建設大臣の認定する資格となったため、これを契機に「建築積算資格者」に名称変更され、「建築積算士」の登録資格者は「建築積算資格者」に登録を移行されているが、請求人は、該「建築積算資格者」の審査・登録事業の認定を受けた後も1990年より1997年までの間、認定事業として、その審査・登録を行い、累計34,773名に同資格を授与してきたこと、さらに、規制緩和の流れにより、平成13年3月21日付け国土交通省告示第273号をもって、建築設計等関連業務に関する知識及び技術の審査・証明事業認定規程(平成6年建設省告示第918号)が廃止され、請求人の該資格の審査・登録事業自体が建設大臣の認定事業ではなくなったが、引き続き請求人は「建築積算資格者」の資格試験と資格授与の事業を継続していることも認められる。

また、「建築積算士」の語は、「建築積算資格者」の旧名称であるとしても、未だ商取引の実際においては、「建築積算資格者」が「建築積算士」の肩書きを使用していること、建設会社や建築設計事務所のホームページにおいても、「建築積算士」という名称を用いてスタッフを紹介していること、建築に関する教育機関においても、その教育過程で取得できる資格の一つとして、「建築積算士」の名称を挙げていること、建築関係の求人情報においても、「建築積算士」という名称を挙げて求人募集していること、公共職業安定所においても、事業所向けに紹介できる人材として「建築積算士」という名称の資格者を紹介していること、地方公共団体の建設工事入札参加資格の条件としても、「建築積算士」の名称を用いて参加条件を提示していること等が請求人の提出した甲各号証及び職権調査の結果をもって認めることができる。

そして、当審において職権をもって調査するも、「建築積算士」と同一又は類似する名称の国家資格は存在しないばかりでなく、「建築積算士」と同一又は類似する名称が他の法律によって、使用を規制されているといった事実も認められないものである。

そうすると、「建築積算士」の語は、今日においては民間資格となった「建築積算資格者」の旧名称であるとしても、本願指定役務に関連する業界においては、未だ資格の名称として使用され、又は、正式な資格名称である「建築積算資格者」の別称として理解・認識され、普通に使用されているものと見るのが相当であるから、「建築積算士」の文字を有する本願商標をその指定役務に登録しても、前記実情にかんがみれば、原審説示の「未だに該資格が現存するかのごときの誤認を需要者に与え、商取引の秩序を混乱させ、ひいては社会通念に反したものになる」ということはできない。

さらに、本願商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字からなるものでなく、また、本願商標をその指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものでなく、あるいは、特定の国若しくはその国民を侮辱するもの、又は、一般に国際信義に反するものとも認められないものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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