sokuhyo

Trademark Appeal Case

記述的文字と王冠図形類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−12928(T2002−12928/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、図形と「Hallmark」の欧文字を別掲1のとおりの構成態様で表してなり、第14「時計」を指定商品として、平成13年3月12日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定が引用した登録第1586180号商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの図形よりなり、昭和50年11月19日商標登録出願、第14類「時計,時計の部品及び附属品」を指定商品として、昭和58年5月26日に設定登録され、当該商標権は現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本願商標は、王冠を模した図形とやや図案化した「Hallmark」の欧文字を別掲1のとおりの構成態様により表してなるものであるところ、構成中「Hallmark」の欧文字部分は、小学館プログレッシブ英和中辞典(1994年2月10日 株式会社小学館発行)の「hall・mark」の項によれば、「(金銀製品の)純度検証極印(plate mark);品質証明、優良極印、折り紙。・・・に(純度検証の)極印を押す;・・・の品質を保証する,」等の意を有するものである。

本願指定商品との関係においては、時計百科事典(昭和58年7月20日発行 精密工業新聞社発行)「けんしょうこくいん検証刻印(hallmarkホールマーク)」の項には、「イギリスの政府による、金や銀の純分を検証取締る方法のひとつ。」の記載があり、腕時計大百科(平成5年2月20日 株式会社グリーンアロー出版社)「ホールマーク(hallmark)」の項には、「金や銀の偽造や模倣を防ぐために、1300年にロンドンに設立されたゴールドスミス社は、イギリス政府から貴金属を検定し、検証刻印をする特典を与えられた。この検証刻印をホールマークと呼んだのが始まり。」の記載がある。そして、図説時計大鑑(昭和55年3月20日 雄山閣出版株式会社)においては、金ペアケースウォッチ、イギリス銀製ペアウォッチ、金側ウォッチ等にホールマークが刻印されていることを紹介している。

さらに、独立行政法人造幣局のホームページによれば、造幣局の事業として「貴金属製品の製造業者又は販売業者からの依頼に応じて、貴金属製品の品位試験を行い、この試験に合格したものには、次のような証明記号を打刻してその品位を証明しています。この証明記号を通称『ホール・マーク』といい、一般の方々からの信頼も厚く貴金属製品の取引の安定と消費者保護に貢献しています。」と、貴金属製品の品位証明を行っていることが紹介され、品質証明を行う品目区分においては「時計側,鎖」等があり、わが国においても貴金属製品をはじめ、本願指定商品「時計」について品位証明が行われているものである。

これらの事実によれば、「HALLMARK」の欧文字は、「金銀製品の純度検証極印がなされた商品、品質証明済みの商品」を証明するための刻印であることを認識させるにすぎず、本願商標をその指定商品について使用するときは、取引者、需要者は、貴金属製品の品位証明がなされた商品であることを認識、理解するに止まるものであるから、本願商標中「HALLMARK」の文字部分は、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。

そうとすれば、本願商標は、その構成中の図形部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。

しかして、本願商標の図形部分は、王冠を模したものと想起される図形であるところ、その構成は、中央のひとつをやや長く描いた5本の尖塔を持ち、それぞれの先端に少しあけてひと粒ずつ水滴が跳ねているかのように小さな黒丸を配し、やや上部に向けて広がるように表しなるものであり、その図形の下部に横長の円を描いて、全体としてやや幅広な印象を与える王冠図形といえるものである。

他方、引用商標は、別掲2の構成により表されてなるものであるところ、当該図形は、スイスの「ロレックス ソシエテ アノニム」が、商品「時計」に使用して著名な王冠図形であって、この5本の尖塔を持つ王冠図形は、「王者」の印であり、同時にロレックスの腕時計を作る技術者たちの「5本の指」を暗示しているといわれているものである。

そこで、本願商標中の図形部分と引用商標について比較するに、両者は共に、それぞれの先端に小さな黒丸を配した5本の尖塔を有する王冠を模した形状を表している点と、ともに下部に表された横長の楕円から上部に向けて広がりを持たせた形状である点においては軌を一にするものであり、たとえ本願商標が引用商標に比べて王冠が多少幅広であって、5本の尖塔の高さや構成が相違するとしても、全体の印象が酷似しているといえるものである。

そうとすれば、本願商標中の図形部分と引用商標を、時と所を異にして隔離的に観察したときは、外観において近似し互いに相紛らわしいものといわなければならない。

さらに、本願、引用各商標を商品「時計」について使用するときは、時計(特に腕時計)という商品の性質上、当該商標は狭いスペースの文字盤上に小さく付されることが一般的であるといえることから、そのように使用された場合においては、これらに接した取引者、需要者は、本願商標の図形部分と引用商標の、横長の楕円から上部に向けて広がりを持たせ、それぞれの先端に小さな黒丸を配した5本の尖塔を有する王冠を模した形状の、主なる特徴を共通にする全体的な印象に着目し、細部の相違点を必ずしも明確に認識し、識別するものとはいい難いというべきである。

したがって、本願商標と引用商標とは、外観上類似の商標であって、かつ、指定商品も類似の商品を含むものであるから、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。