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Trademark Appeal Case

不使用取消における使用の認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第30492号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

商標法第50条の規定により、登録第2608323号商標の指定商品中「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」についてはその登録は、取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2608323号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成2年12月28日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成5年12月24日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

(1)請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

本件商標は、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても継続して3年以上日本国内において、上記の指定商品について使用された実績が認められない。

よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、上記した指定商品についての商標登録は取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁

▲1▼被請求人が提出した「写真」と「計測システムフロー」のカタログ上の「測定方法」及び「計測システムフロー」の記載とを併せ検討すると、被測定物の「共振振動数」と「弾性波の伝播速度」を計測し、これら得られたデータを任意のコンピュータ(カタログ上ではノートパソコンが使用されている)に入力して解析する一連の測定システムである。これからみると、カタログ上の商品は、「振動数測定装置」及び「弾性波速度測定機」と称する機械器具のみである。そして、これらはたとえ電子機能を使用している場合があるとしても、その主たる機能からすれば、一様に「測定機械器具」の範疇に属するものであることは明らかである。

▲2▼被請求人は、カタログ作成会社との取引書類等を援用し、商標法第2条第3項第7号所定の「展示、頒布行為」がされたと主張している。

しかし、提出された納品書、証明書の類は、それが添付されたカタログに関するものであったとしても、所詮、カタログが被請求人宛に納品されたか否かについての証拠能力を有するにすぎない。

以上のとおり、被請求人の証明によれば、カタログ掲載の商品は本件商標の指定商品に含まれるものとはいえず、しかもその商品が独立して市場で取引されたか否か不明であって、単に、当該カタログが被請求人に納品されたという事実が立証されたにすぎない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第9号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)登録商標と使用に係る商品

被請求人は、「鉄塔基礎形状測定システム」(以下「本件商品」という。)について、本件商標と相互に連合商標となっていた登録第2608321号商標(別紙に示す構成よりなるもの、平成2年12月28日登録出願、同5年12月24日、以下「本件連合商標」という。)を使用している。

本件商品は、商品カタログ(乙第5号証)中央の「写真」に示すものであって、商品カタログ右側の説明「2.測定方法」に記載されているとおり、測定した共振振動数・波の伝播速度・上部寸法・傾斜角度をコンピュータ・プログラムに入力し解析することにより、逆T字形鉄塔基礎の寸法を求めることができるものであり、主要部はプログラムを実行して鉄塔基礎の寸法を求めるコンピュータ部分にある。すなわち、「2.測定方法」の下段の「計測システムフロー」に示すように、加速度ピックアップからの弾性波を、アンプユニット部で電気信号に変換した後その電気信号を増幅し、拡張ユニット部でデジタル信号に変換し、ノートパソコンに備えられたプログラムにより、鉄塔の形状を解析、計測することを本質的な特徴としている。つまり、この解析、計測に必要な測定データを加振ハンマー、加速度ビックアヅプ、アンプユニット、A/D変換ボード、により生成するように構成したシステムである。したがって、電子の作用を応用するコンピュータを主要部とするものであるから、「超音波応用測深機」「ガイガー計測器」と同様に「電子応用機械器具」に属する商品であることは明白である。なお、「弾性波速度測定機」は必要に応じて使用するものである。

本件連合商標はいわゆるハウスマークであり、商品カタログには、本件連合商標が表紙の最下部に表示されており、さらに、カタログの中の登場人物が被っているヘルメットにも本件連合商標が付されている。また、カタログ裏面の社名表示と共に、本件連合商標が表示されている。

(2)登録商標の使用時期

本件連合商標は、現在使用中であり、使用の開始時期は平成8年3月26日である。

乙第2号証−1、2によれば、本件商品の商品カタログの作成代金が平成8年3月25日及び同9年1月17日に被請求人宛に請求されている。

乙第3号証によれば、被請求人から上記カタログの納品受領書が平成8年3月26日及び平成9年1月10日にそれぞれ作成会社に送られており、以上の事実に相違ないことは、証明書(乙第4号証)においても明らかにされている。

さらに、カタログが実際に頒布された事実は証明書(乙第8号証、同9号証)において証明されている。

(3)登録商標の使用場所

本件連合商標は、被請求人会社の本店において展示され、取引先、見込み客等へ広告、宣伝用として頒布されているものである。

以上述べたとおり、被請求人は平成8年3月26日以降、本件連合商標をその指定商品の一つである「電子応用機械器具(医療機械器具を除く)」について使用していることは明らかである。

4 当審の判断

被請求人より提出された乙第2号証ないし同第9号証についてみるに、乙第2号証−1及び同2は、「株式会社ユーメディア」より被請求人(会社)に宛てた「鉄塔基礎形状測定システム」と題するリーフレットの「請求書」、乙第3号証−1及び同2は、被請求人(会社)より「株式会社ユーメディア」に宛てた「鉄塔基礎形状測定システム」と題するリーフレットの「納品受領書」、そして、乙第4号証は、「株式会社ユーメディア」より被請求人(会社)に宛てた「鉄塔基礎形状測定システム」と題するリーフレットを納入したことの「証明書」、乙第5号証は、「鉄塔基礎形状測定システム」と題するリーフレットと認められるところ、これらによれば、第5号証のリーフレット「鉄塔基礎形状測定システム」は、平成8年3月及び同9年1月に各1000部、株式会社ユーメディアから被請求人に納品されたことを推認することができる。

そこで、乙第5号証のリーフレット「鉄塔基礎形状測定システム」についてみるに、同リーフレットには、「ヒットマン」の文字からなる商標とともに、本件連合商標と社会通念上同一といえる「Yurtec」の文字からなる商標が表示されていることが認められる。

そして、この書面に表された写真、測定方法、計測システムフロー等の記載内容からすると、被請求人が本件連合商標を使用しているとする商品「鉄塔基礎形状測定システム」は、電力設備構造物の基礎体や一般建築物設備構造物の基礎体の形状を測定するものであって、基礎体の共振振動数、波の伝搬速度、上部寸法、傾斜角度を測定し、得られたデータをコンピュータを用いて解析し、基礎体の形状を測定するものと認められる。したがって、該「鉄塔基礎形状測定システム」は、その機能、用途からみて「測定機械器具」の範疇に属する商品と判断するのが相当である。

被請求人は、「鉄塔基礎形状測定システム」は電子応用機械器具に属するものであると主張するが、同リーフレットには、電子の作用を応用することが「鉄塔基礎形状測定システム」の機能の本質的な要素となっているものと認め得る記載はなく、また、コンピュータが使用されること上記のとおりであるが、コンピュータはデータ解析用に使用されるに止まるものであるから、被請求人の主張は採用することができない。

他に、本件連合商標を「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」に使用していることを認め得る証拠はない。

してみれば、本件商標及び本件連合商標のいずれについても、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人(商標権者)により、本件審判の請求に係る指定商品「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」について使用されていたものとは認められず、かつ、本件商標を使用していないことについて正当な理由があったものということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」についての登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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