結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年異議第90181号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4198537号商標(以下「本件商標」という。)は、「切れMAX」の文字を左横書きしてなり、平成9年4月18日に登録出願され、第8類「手動工具(「すみつぼ類・皮砥・鋼砥・砥石」を除く。),すみつぼ類,砥石,手動利器(「刀剣」を除く。),刀剣,くわ,組ひも機(手持ち工具に当たるものに限る。),電気かみそり及び電気バリカン,缶切,スプーン,フォーク,糸通し器,水中ナイフ,火ばし,パレットナイフ,ピンセット」を指定商品として、平成10年10月16日に設定登録されたものである。
本件商標は、引用する登録第506048号商標、登録第1273301号商標、登録第1293273号商標、登録第2694215号商標及び登録第1327656号商標と類似する商標であって、その指定商品中「手動利器,電気かみそり及び電気バリカン,缶切,水中ナイフ」は、前記引用する登録商標の指定商品と抵触する。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
平成11年5月17日付けで、下記の理由により、本件商標の登録は、指定商品中「手動利器(刀剣を除く。)刀剣,電気かみそり及び電気バリカン,缶切,スプーン,フォーク,水中ナイフ」について取り消すべき旨、商標権者に通知した。
理由
本件商標は、下記の登録商標と商標において類似し、かつ、指定商品も同一又は類似であるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
記
登録第506048号の1(商公昭32−5096)
登録第1273301号(商公昭47−27800)
登録第1293273号の1(商公昭48−13486)
登録第2694215号(商公平5−120806)
登録第1327656号(商公昭52−26170)
上記3の取消理由に対して、商標権者は、要旨つぎのように意見を述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
引用各商標と本件商標とが類似するとは考えられない。
引用各商標は、いずれも「MAX」であって、この引用商標からは単なる「マックス」なる称呼が生じるものである。
これに対して本件商標は、「切れ」の文字と「MAX」の文字とを一連にして一体不可分に結合した「切れMAX」であって、この本件商標からは決して単なる「キレ」や単なる「マックス」なる称呼が生じるものではなく、あくまで一連の「キレマックス」なる称呼が生じるものである。
したがって、両商標の称呼は互いに非類似である。
また、本件商標は、「切れ」の文字と「MAX」の文字とが互いにバランス良く結合されており、「MAX」だけが区別されて際立つようなことはなく、したがって引用各商標とは外観においても観念においても互いに非類似である。
また、更に付言すれば、本件商標の「切れ」と「MAX」とは平仮名交じりの漢字文字と、英文字という違いはあるものの、同一書体で一連に区切りなく書しているために非常にバランスの良い結合であって、しかも結合による一連称呼の語呂も非常に良い上、全体的に称呼しても冗長でなく淀みなく称呼し得るものであるために、この「切れ」と「MAX」とは極めて一体感の強い表示構成である。したがって、このように一体感の強い本件商標「切れMAX」は、単なる「MAX」と称呼や外観、観念が類似することはなく、本件商標は結合商標として引用各商標とは区別されて登録され得るものであるからこそ商標登録されたものと確信する。
一方、本件商標中の「切れ」なる言葉は内容表示的であり、本件商標の要部は「MAX」にあって引用各商標と類似するとの考え方もあるかと思うが、仮に「切れ」単独では識別力がなかったとしても、本件ケースのようにバランス良く語呂も良く一体不可分に結合した本件商標は、「切れ」と「MAX」とが一体化して全く新たなひとつの造語商標「切れMAX」を生み、要部が「MAX」だけにあるというような考え方はかえって不自然な考え方になると思料する。
乙第1号証ないし乙第6号証に示すように、その審査例は、たとえ単独では内容表示的な語であっても、「ドクター」や「パッチン」や「美人」と一体不可分に結合すれば、全く新しい造語感が生じるがために、これらはいずれも「ドクター」や「パッチン」や「美人」とは異なり十分な自他商品識別力を発揮すると考えられて登録されたものと思料する。
もちろん全てのケースにおいてこの考え方が適用されるということではないが、本件商標も上記したように「切れ」と「MAX」とがバランス良く、語呂も良く一体不可分に結合したもので、結合力が強く、新造語感も十分に生じる商標である。
したがって、仮に「切れ」がそれだけを抽出すれば内容表示的な語であったとしても、「MAX」との一体感により非常に変わった新造語としてとらえられ、上記した登録商標と同様に商標の資質を有する構成であるとして引用各商標とは区別されて登録され得るものであるからこそ商標登録されたものと確信する。
本件商標は、上記に示すとおりの構成よりなるところ、その構成からみて、容易に「切れ」の文字と「MAX」の文字とを結合してなるもの認識され、しかも、前半部の「切れ」の文字部分は「切れること、きれあじ」等を意味する語として理解されるものであって、本件商標の指定商品中「手動利器(「刀剣」を除く。),刀剣,電気かみそり及び電気バリカン,水中ナイフ」との関係においては、「よく切れる商品」程度の意味合いを看取させ、それ自体識別力が強いものとはいえないから、本件商標に接する取引者・需要者は、後半部の「MAX」の文字部分に着目し、この文字部分より生ずる「マックス」の称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「キレマックス」の一連の称呼を生ずるほか、「MAX」の文字部分に相応して、「マックス」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
一方、取消理由に引用した登録第506048号の1商標(以下「引用A商標」という。)は、昭和31年10月19日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、昭和32年7月26日に設定登録された登録第506048号商標の商標権が分割されたものであって、第8類「利器及び尖刃器、但し、釘及び鋲類を除く」を指定商品とするものであり、同じく登録第1273301号商標(以下「引用B商標」という。)は、昭和45年5月21日に登録出願され、「MAX」及び「マックス」の文字を二段に横書きしてなり、第13類「手動利器」を指定商品として、昭和52年6月3日に設定登録され、同じく登録第1293273号の1商標(以下「引用C商標」という。)は、昭和46年8月18日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、昭和52年8月15日に設定登録された登録第1293273号商標の商標権が分割されたものであって、第13類「手動利器、くぎ、ボルト、ナット、その他の釘類、カーテン金具、キーホルダ、その他の環類、鍵、その他の錠前類、その他の金具(他の類に属するものを除く)但し、くぎ、ボルト、ナット、その他の釘類、カーテン金具、キーホルダ、その他の環類、鍵、その他の錠前類、その他の金具(他の類に属するものを除く)を除く」を指定商品とするものであり、同じく登録第2694215号商標(以下「引用D商標」という。)は、平成4年3月5日に登録出願され、「MAX」の文字を横書きしてなり、第24類「おもちゃ、その他本類に属する商品、ただし、釣り具は除く」を指定商品として、平成6年9月30日に設定登録され、その後、指定商品中「おもちゃ、人形」について商標登録が取り消されているものであり、同じく、登録第1327656号商標(以下「引用E商標」という。)は、昭和48年2月13日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第11類「電気機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和53年3月16日に設定登録されたものであって、いずれもその商標権が存続しているものである。
そして、引用A商標、引用B商標、引用C商標、引用D商標及び引用E商標は、その構成からみて、いずれも「マックス」の称呼を生ずることは明らかである。
そうすると、本件商標と引用A商標ないし引用E商標は、同一の「マックス」の称呼を生ずるものであって紛らわしく、類似する商標といわなければならない。
本件商標と引用A商標ないし引用E商標は類似しないとする商標権者の意見は、以下の理由により、採用することができない。
(1)商標権者は、本件商標は、「切れ」の文字と「MAX」の文字とを一連にして一体不可分に結合した「切れMAX」であって、この本件商標からは決して単なる「キレ」や単なる「マックス」なる称呼が生じるものではなく、あくまで一連の「キレマックス」なる称呼が生じるものである旨述べているが、前記認定のとおり、本件商標は、後半部の「MAX」の文字部分に着目し、この文字部分より生ずる「マックス」の称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものとみるのが相当であり、したがって、「マックス」の称呼を生ずるものといわなければならない。
(2)商標権者は、審査例(乙第1号証ないし乙第6号証)を示しているが、審査例の商標はいずれも本件商標と構成文字が全く異なるものであるから、事案を異にするするものといわざるをえない。
また、本件商標の指定商品中「手動利器(「刀剣」を除く。),刀剣,電気かみそり及び電気バリカン,缶切,水中ナイフ」と引用A商標ないし引用E商標の指定商品に含まれている商品の一部は、同一又は類似する商品と認められる。
そして、本件商標の指定商品中「手動利器(「刀剣」を除く。),刀剣,電気かみそり及び電気バリカン,缶切,水中ナイフ」以外の商品は、引用A商標ないし引用E商標の指定商品に含まれている商品と同一又は類似する商品と認めることができない。
したがって、本件商標の指定商品中「手動利器(「刀剣」を除く。),刀剣,電気かみそり及び電気バリカン,缶切,水中ナイフ」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものであり、本件登録異議申立てに係るその余の指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでなく、取り消すべき理由がないから、同第4項の規定により登録を維持する。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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