Trademark Appeal Case
「サイバーパトロール」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−2446(T2003−2446/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「サイバーパトロール」の文字を標準文字により書してなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成13年9月7日に登録出願され、その後、指定役務については、同14年10月10日付け手続補正書により補正された後、当審において同15年1月10日付け手続補正書により、第42類「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)を用いた情報処理システム設計に関する診断及び指導,インターネットを用いて行う検索エンジンの提供,インターネットによる宿泊施設の提供に関する情報の提供,インターネットによる飲食物の提供に関する情報の提供,電話帳・会社要覧・官庁発行統計資料に係る情報のインターネットによる提供,インターネットによる求人情報の提供,インターネットによる新聞記事情報の提供,インターネットによる医療情報の提供,インターネットによる特許・商標に関する情報の提供,インターネットによる工業所有権に関する情報の提供,インターネットによるホームページ情報・URL情報に係る検索エンジンの提供,インターネットによる土地・建物に関する情報の提供,インターネットによるホームページ上の不正書き込みを監視するためのコンピュータプログラムの提供,インターネットにおけるホームページの保守」と補正されたものである。
2.原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は『サイバーパトロール』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、該文字は『警察等により行われているインターネット上の違法情報や有害情報等の監視』を表すものとして使用されているから、これを本願指定役務に使用しても、上記の意味を認識させるにすぎず、需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3.当審における職権証拠調べ
本願商標を構成する「サイバーパトロール」について、当審において、職権により証拠調べを行った結果、以下の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
本願商標「サイバーパトロール」に関して新聞記事データベース情報及びインターネット情報によれば、以下の事実が認められるところである。
(1)「わいせつDVD、販売目的所持容疑 大阪の2人を逮捕 県警と小林署=宮崎」との見出しのもと、「・・・。県警捜査員が八月、インターネットなどをチェックするサイバーパトロール中に、ホームページ上にわいせつ画像入りDVDの販売広告を見つけ、・・・・。」(「読売新聞社」 2003.11.19 西部朝刊 26頁)。
(2)「<治安再生>情報と安全(中)インターネット(連載)=石川」との見出しのもと、「◆情報の洪水、捜査に壁 「とても貴重な銃です」 今年一月、県警生活安全企画課員が「サイバーパトロール」をしていたところ、あるオークションサイトのこんな書き込みが目に留まった。サイバーパトロールは、パソコンでホームページを見回りし、違法行為がないか監視する活動のことだ。・・・・(「読売新聞社」2003.10.08 東京朝刊 32頁)。
(3)「ネットオークションの「闇」匿名性を悪用、発見前に落札」との見出しのもと、「◆砲弾・拳銃・劇物も出品 監視・摘発、追い付かず。・・・・警視庁は二〇〇〇年、違法なネット取引を監視するための「サイバーパトロール」を設置したが、出品すべてのチェックは不可能。・・・・。(「読売新聞社」2003.07.08 東京朝刊 3頁)
(4)「無断複製摘発で県警に感謝状 ソフト著作権協会/静岡」の見出しのもと、「・・・県警は昨年、権利者に無断で複製したパソコンソフトをネットオークションで販売していた容疑者3人を逮捕。うち2人の逮捕は、県内の警察署員がホームページにアクセスして違法行為を摘発する「サイバーパトロール」によるものだった。(「朝日新聞社」2005.02.24 東京地方版/静岡 34頁 静岡版)
(5)「出会い系書き込みで逮捕」との見出しのもと、「・・・。佐賀県警はネット上の犯罪を監視するサイバーパトロールで書き込みを発見。・・・。」(「共同通信社」2004.02.12共同通信)
(6)「【法規制】ネット上の違法情報を24時間態勢で監視 警視庁、”サイバーパトロール”開始」の見出しのもと、「警視庁は7日、インターネットなどを利用したコンピュータ犯罪を取り締まるための「ハイテク犯罪対策センター」を開設し、ネット上の違法情報を監視する”サイバーパトロール”を開始した。」(インターネット情報...アドレス http://internet.watch.impress.co.jp/swww/arcicle/1999/0507/keisicho.html)。
4.請求人の主張
請求人は、当審における証拠調べ通知に対し、資料1ないし3を提出し、「Cyber Patrol」は、登録第4156963号商標(以下、「引用商標」という。)の出願時である平成8年10月11日以前に知られていた用語であるから、引用商標と同様に本願商標は登録されるべきである旨主張する。
5.当審の判断
本願商標は、前記のとおり「サイバーパトロール」の文字よりなるところ、最近のインターネットを使用した犯罪(サイバー犯罪)が増加している中、各県警及び警視庁において、インターネット上の違法情報を監視することを「サイバーパトロール」と称していることは、上記新聞記事等にみられるとおりである。
そうすると、「サイバーパトロール」の文字からなる本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該役務が「警察におけるインターネット上の違法情報を監視すること」であることを表示したものと理解するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たすものとは認識し得ないものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、その指定役務に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができなものといわざるを得ない。
なお、請求人(出願人)は、過去にされた登録例と同様に本願商標も登録されるべき旨述べているが、本願商標については、前記したとおり判断するのが相当であり、別件商標が設定登録されたからといって、それに拘束されるものではない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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