Trademark Appeal Case
キャッチフレーズの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−3323(T2003−3323/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SUPPORTING TECHNOLOGY,SERVING BUSINESS」の欧文字を横書きしてなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成13年8月3日に登録出願されたものである。
そして、願書記載の指定役務については、平成14年11月18日付け手続補正書及び当審における同15年2月28日付け手続補正書により、第35類「コンピューター・コンピューターソフトウエア・コンピューターサーバー・コンピューター用周辺機器・その他コンピューターネットワークシステムにおいて使用される機器の販売に関する情報の提供」、第37類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)の設置工事及び保守」及び第42類「コンピューターソフトウエア・コンピューターシステム・コンピューターネットワークシステムの導入・環境設定又は保守及びこれらに関する助言,コンピュータープログラミング,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『SUPPORTING TECHNOLOGY,SERVING BUSINESS』の文字よりなるところ、これは『技術を支援し、ビジネスに奉仕する』程の意味を表したにすぎないので、これを本願の指定役務について使用しても、単に『(需要者の)技術を支援しビジネスに奉仕する役務』であるという役務の質をアピールするためのキャッチフレーズとして理解、把握されるに止まり、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
企業は、その取扱商品、役務や企業イメージに関して、需要者に親しみやすさや好感度、信頼感などの良い印象を抱いてもらうよう日常的に心掛けているところ、その一手段として、標語(キャッチフレーズ、スローガン)などを採択し、それらを通じて商品、役務の広告、宣伝や企業イメージの向上に努めているというのが実情である。
そして、これらの中には、具体的な商品の品質又は役務の質を示す単語が存在しなくとも、具体的、抽象的は問わず企業のイメージを向上させることが、結果的にはその取扱いに係る商品又は役務に対する信頼感の向上にもつながることが、もとより企業に関するキャッチフレーズやスローガンの意図するところであるから、端的な宣伝文句のほか、商品や役務並びに企業のイメージの向上を目的とした観念的、抽象的表現もしばしば採択されているところである。
そこで、本願商標を見るに、その構成は、上記のとおり「SUPPORTING TECHNOLOGY,SERVING BUSINESS」の英文字よりなるところ、各語が良く知られた英単語であって、我が国における近時の英語教育の普及程度からすれば、これに接する取引者、需要者は、さほどの困難を伴うことなく、全体として「技術を支援し、ビジネスに奉仕する」というほどの抽象的意味合いを感得、把握すると見て差し支えなく、もって本願指定役務に係る業務を含む請求人(出願人)業務の内容と関連づけて認識、理解するというのが相当である。
しかして、前記意味合いを看取させるにすぎない本願商標をその指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、自他役務の識別標識として認識するというよりは、むしろ、それを妨げる何か特別の事情がない限り、この語句の有する前記意味合いから、ごく自然に「技術を支援し、ビジネスに奉仕する」という企業理念を端的に表現したキャッチフレーズないしスローガンとして認識、理解するというべきである。そして、本願商標について前記認識、理解を妨げる特別の事情を見いだすことはできない。
してみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者は、消費者向けに企業の理念、方針等を訴えるためのキャッチフレーズないしスローガンの一類型と理解するにとどまり、それをもって自他役務の識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきである。
なお、請求人は、過去における登録審査例を挙げ、本願商標も十分に自他役務の識別標識としての機能を発揮する旨述べるところあるが、請求人が挙げる登録例は、商標の具体的構成において、本願商標と事案を異にするものであり、本願商標の登録の適否を判断する基準とするには必ずしも適切でなく、それら事例をもって、前記認定が左右されるものではないから、請求人の主張は、採用の限りでない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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