Trademark Appeal Case
キャッチフレーズの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−2793(T2004−2793/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「いのちの尊さにこたえます」の文字を横書きしてなり、第5類及び第44類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成14年7月19日に登録出願、その後、指定商品及び指定役務については、平成15年6月20日付け手続補正書により、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」及び第44類「印刷物・ラジオ・テレビジョン・電話・無線通信・コンピューターネットワーク等のあらゆるメディアによる薬品その他の医療情報の提供,薬品その他の医療情報の提供」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『命は大切なものであることを認識し、その大切さに十分に見合うような行動をとります』程度の意味合いを容易に認識させる『いのちの尊さにこたえます』の文字よりなるものであるから、このようなものを本願の指定商品又は指定役務に使用しても、これに接する需要者はその商品や役務が命を守り育むのに有益なものであることがキャッチフレーズ的に表現されているものと認識するにとどまり、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
企業は、その取扱商品、役務や企業イメージに関して、需要者に親しみやすさや好感度、信頼感などの良い印象を抱いてもらうよう日常的に心掛けているところ、その一手段として、標語(キャッチフレーズ、スローガン)などを採択し、それらを通じて商品、役務の広告、宣伝や企業イメージの向上に努めているというのが実情である。
そして、これらの中には、具体的な商品の品質又は役務の質を示す単語が存在しなくとも、具体的、抽象的は問わず企業のイメージを向上させることが、結果的にはその取扱いに係る商品又は役務に対する信頼感の向上にもつながることが、もとより企業に関するキャッチフレーズやスローガンの意図するところであるから、端的な宣伝文句のほか、商品や役務並びに企業のイメージの向上を目的とした観念的、抽象的表現もしばしば採択されているところである。
そこで、本願商標を見るに、その構成は前記のとおり「いのちの尊さにこたえます」の文字よりなるところ、これに接する取引者、需要者は、原審説示のように「命は大切なものであることを認識し、その大切さに十分に見合うような行動をとります」というほどの抽象的意味合いを感得、把握するとみて差し支えなく、もって本願の指定商品及び指定役務に係る業務を含む請求人(出願人)業務の内容と関連づけて認識、理解すると見るのが相当である。
しかして、上記意味合いを看取させるにすぎない本願商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、自他商品又は役務の識別標識として認識するというよりは、むしろ、それを妨げる何か特別の事情がない限り、この語句の有する前記意味合いから、ごく自然に「命は大切なものであることを認識し、その大切さに十分に見合うような行動をとります」という企業理念を端的に表現したキャッチフレーズないしスローガンとして認識、理解するというべきである。
そして、本願商標について前記認識、理解を妨げる特別の事情を見いだすことはできない。
してみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、取引者、需要者は、消費者向けに企業の理念、方針等を訴えるためのキャッチフレーズないしスローガンの一類型と理解するにとどまり、それをもって自他商品又は役務の識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標というべきである。
なお、請求人は、過去における登録審査例を挙げ、本願商標も充分に自他商品又は役務の識別標識としての機能を発揮する旨述べるところあるが、請求人が挙げる登録例は、商標の具体的構成において、本願商標と事案を異にするものであり、本願商標の登録の適否を判断する基準とするには必ずしも適切でなく、それら事例をもって、前記認定が左右されるものではないから、請求人の主張は、採用の限りでない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。