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Trademark Appeal Case

不使用取消における商標使用の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第30515号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2493138号商標(以下「本件商標」という。)は、「ABiTA」と「アビタ」の文字を二段に横書きしてなり、第16類「織物、編物、フェルト、その他の布地」を指定商品として、平成2年6月12日に登録出願、同4年12月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録は指定商品中「テープ、リボン、編物、フェルト、不織布、その他の布地(『不織布』『房類』を除く。)、房類」についてこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を次のとおり述べている。

本件商標は、その指定商品中前記商品について、過去3年間日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。

よって、本件商標の登録は、商標法50条第1項の規定により取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証乃至乙第11号証(枝番号を含む)を提出している。

(1)被請求人が本件商標をその請求に係る指定商品について、本件審判請求の予告登録前3年以内に使用している事実を以下において立証する。

▲1▼住宅を新築或いは増改築した場合等には、既成のカーテンを取り付けるのではなく、内装業者が内装仕上工事の一環として、一般ユーザーのいわゆるカスタムオーダーに応じて、窓の寸法に合わせつつ様々なデザインのカーテンを仕立てて取り付けるのが今日の主流である。

そして、このようなカスタムオーダーのカーテンにおいて、被請求人は、「会社案内のパンフレット」(乙第1号証)に示されるように、内装業者が一般ユーザーにカーテン用生地等の見本帳(乙第5号証、乙第6号証、乙第10号証及び乙第11号証)を見せ、一般ユーザーの注文に従って、内装業者が被請求人にカーテン用生地を何mとオーダーし、これに対し被請求人から内装業者にカーテン用生地を配送するという流通システムを確立している。そして、本件商標が使用された商品も上記システムによっているものである。

すなわち、被請求人が「有限会社ホームセンター加奈山」宛てに出した請求書明細控(乙第2号証、97年9月20日締)の第1頁及び第2頁のコピーを見るに、8月29日の欄の右側に「LC−837(アビタ)141」、同じく「LC−8035747(アビタ)1363」と記載されている。ここで、「LC−837」及び「LC−803」は、それぞれレースカーテン用生地の品番(乙第5号証の1、乙第5号証の2)を示すものである。

また、被請求人が「株式会社ビックブルー」宛てに出した請求明細書控(乙第3号証、98年6月5日締)の第6頁及び第7頁のコピーを見るに、5月13日の欄の右側に[LC−840(アビタ)1419」と2つ記載されている。同請求明細書控(98年6月5日締)の第9頁のコピーを見るに、5月18日の欄の右側に「LC−8413829(アビタ)1420」と、2つ記載されている。ここに、「LC−840」及び「LC一841」は、それぞれレースカーテン用生地の品番(乙第5号証の3)を示すものである。

さらに、被請求人が「平塚戸倉商店」宛てに出した請求明細書控(乙第4号証、96年6月20日締)の第2頁のコピーを見るに、5月28日の欄の右側に「LC−1642481(アビタ)5846」と記載され、5月29日の欄の右側に「LC−133 2444(アビタ)5782」と記載されている。同請求明細書控(96年6月20日締)の第4頁のコピーを見るに、6月4日の欄の右側に「LC−117 2428(アビタ)5797」と記載され、また「LC−104 2413(アビタ)5762」と、2つ記載されている。同請求明細書控(乙第5号証、96年6月20日締)の第6頁のコピーを見るに、6月17日の欄の右側に「LC−1022402(アビタ)5754」と、4つ記載されている。ここに、「LC−164」、「LC−133」、「LC−117」、「LC−104」及び「LC−102」は、それぞれレースカーテン用生地の品番(乙第6号証の1、乙第6号証の2、乙第6号証の3、乙第6号証の4、乙第6号証の5)を示すものである。

なお、乙第5号証又は乙第6号証との関係で、請求明細書控の「アビタ」がカーテンの完成品に付される商標のことではないかという疑義が生ずるおそれがあるので予め述べておくが、上記「LC−837、804、840、841、164、133、102」として示された商品は、その数量が数メートルから数十メートル単位で取引きされており、通常、一般家屋で使用されているカーテンの仕上がり巾とは大きく異なるものである。また、そもそもにおいて、被請求人が「平塚戸倉商店」宛てに出した請求明細書控(乙第4号証、96年6月20日締)の第2頁のコピーから判るように、「42,8M」の巾のレースカーテンが存在するとは常識的に考えてあり得ないものである。さらには、同請求明細書控(96年6月20日締)の第6頁のコピーから判るように、同じ品番のレースカーテンとするならば4つとも大きくその巾が異なるのは不自然である。カーテン自体を扱う場合には、例えば乙第3号証の請求明細書第2頁において「シルキーカーテン」と表示し、その寸法が表示され、さらには数量も「ダイ」となっている。従って、「アビタ」が使用されている商標は、「レースカーテン」ではなく「レースカーテン用生地」であると認定する以外にない。

そして、「レースカーテン用生地」は、指定商品中の「編物」の概念に含まれるというべきである。

上記証拠によれば、被請求人が「編物」について本件商標を、審判請求登録前3年以内において使用していることを立証することができるものである。

▲2▼被請求人は、写真(乙第8号証の1から3及び乙第9号証の1、2)に示されるように、主として内装業者を対象として複数のカーテン用生地を陳列したショールームを東京都目黒区の自由ケ丘等に有しているものである。そして、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用された商品もショウルーム内に展示されているものである。

すなわち、乙第9号証の1及び2の写真に示されるように、レースカーテン用生地も上記ショールーム内に展示されているもので、これを吊り下げるためのホルダーに、欧文字で「ABITA」と大きく書されていると共に、そのカーテン用生地に貼り付けられた商品管理用のシールには、「アビタ」と記載されている。なお、商品表示札に示される「LC−822」は、1997年から採用されている「見本帳その1」のカーテンレース生地の品番(乙第9号証の3)を示すものであり、その模様も写真とカラーコピーとで一致するものである。さらに、会社案内パンフレット(乙第1号証)の沿革によれば、自由ケ丘ショールームは、平成8年2月に新設されたものである。

なお、登録商標の欧文字は「ABiTA」であるのに対し、使用商標は「ABITA」であるが、「i」と「I」との差異程度では、商標法第50条第1項の括弧書きに示される社会通念上同一の商標というべきである。

上記証拠によれば、被請求人が、「編物」について登録商標と社会通念上同一の商標「ABITA」及び登録商標「アビタ」を審判請求登録前3年以内において使用していることを立証することができるものである。 ゙

▲3▼さらに、被請求人の発行する「見本帳その1」(乙第10号証の1)は、表紙に「ABITA」及び「1997−1999」と記載され、かつ背表紙に「ABITA」及び「′97−′99」と記載されたものであるが、その第253頁において、「ギャザーテープ」、「W(ウオッシュ)テープ」、「30mm両折バイアス」が示され、同頁の右上側に欧文字で「ABITA」と記載されている(乙第10号証の2)。

また、同見本帳その1の第256頁に「レース用ブレード」、「レース用フレンジ」とその価格が示され、それ自体が独立に取引されていることから商標法上の商品であり、その性質上「カーテン用編物」というべきものである。また同頁に「レース用リボンタッセル」が示されている。そして、その同じ第256頁の左上側に、欧文字で「ABITA」と記載されている(乙第10号証の3)。

上記証拠によれば、被請求人が少なくとも1997年から審判請求の予告登録日まで「編物」、「リボン、テープ」について本件商標と社会通念上同一の商標「ABITA」を使用していることを立証することができるものである。

▲4▼そして、被請求人の発行する見本帳その2(乙第11号証の1)は、表紙に「ABITA」及び「1995−1997」と記載され、かつ背表紙に「ABITA」及び「′95−′97」と記載されたものであるが、その第219頁(乙第11号証の2及び乙第11号証の3)において、「ギャザーテープ」、「W(ウオッシュ)テープ」が示されている。

また、同見本帳の第221頁(乙第11号証の4及び乙第11号証の5)において、「レース用ブレード」、「レース用フレンジ」が示されており、これらは「カーテン用編物」である。また、同頁に「30mm両折バイアス」が示されている。

これらの頁自体には本件商標の表示がないが、その見本帳その2の表紙及び背表紙には、本件商標と社会通念上同一の「ABITA」が表示されているものである。

上記証拠により、被請求人が少なくとも1995年から1997年まで「編物」、「テープ」について本件商標と社会通念上同一の商標「ABITA」を使用していることを立証することができる。

(3)以上のことから、被請求人は、請求に係る指定商品について審判請求の予告登録前3年以内に本件商標の使用をしていることは明らかである。

4 当審の判断

被請求人が提出した会社案内(乙第1号証)によれば、同人は、カーテン等自己の業務に係る商品を一般需要者からの注文を受けた内装業者に販売していることが認められる。

ところで、前記会社案内、請求明細書控(乙第2乃至4号証)及び見本帳(乙第5及び6号証)の記載からは、商標の使用に係る商品が完成品としてのレースカーテンなのかレースカーテンの素材としての生地なのか必ずしも明確ではないが、見本帳には生地見本とカーテンの写真及びその品番が掲載されており、この品番と請求明細書控に記載の品番とが一致すること、見本帳には「標準仕立て上がり価格表」の記載があるが、これは一般需要者の参照用のものと認められ、内装業者に宛てた請求明細書控に記載の価格より同じものでもはるかに割高であること、請求明細書控によれば、受注及び出荷の数量は数メートルから数十メートルにまで及び、既製品(完成品)のカーテンの規格と著しく異なること及び同じ品番の商品であってもその寸法はそれぞれ異なり、また、メートル単位で受注、出荷されていること等を考慮すれば、被請求人は、レースカーテン用生地を販売していたものということができる。そして、該商品は指定商品中の「編物」に含まれるものであり、該請求明細書控には1996年〜1998年にかけての日付と「アビタ」の記載が認められる。

さらに、見本帳には、表紙に「ABITA」および「1997−1999」の記載があり(乙10号証の1)、その253ページに「ギャザーテープ」、FW(ウオッシュ)テープ」、「30mm両折バイアス」等(乙10号証の2)が、また256ページに「レース用ブレード」、「レース用フレンジ」等(乙10号証の3)が表示され、それぞれのページ上部に「ABITA」の記載が認められる。また、別の見本帳(乙第11号証の1)は、表紙に「ABITA」及び「1995−1997」の表示があり、内容は前記見本帳と同様である。

以上の事実によれば、被請求人は本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品中の「編物」の範疇に属するものと認められる「レースカーテン用生地」及び「テープ、リボン」又は「房類」の範疇に属するものと認めらる「ギャザーテープ」、「W(ウオッシュ)テープ」、「レース用ブレード」、「レース用フレンジ」、「レース用タッセル]等の商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していた事実を認め得るところである。

したがって、本件商標の指定商品中請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり決定する。

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