Trademark Appeal Case
機能表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−12618(T2004−12618/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第7類「業務用電気洗濯機,家庭用電気洗濯機」及び第11類「家庭用電気洗濯乾燥機」を指定役務として、平成15年9月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『TOPOPEnDRUm』の文字を横書きしてなるところ、『TOP』の文字部分は『最上部』の意味合いのある英語を、『OPEn』の文字部分は『開く』の意味合いのある英語を、『DRUm』の文字部分は『ドラム』の意味合いのある英語を連綴したものと認められ、全体として、これよりは、『最上部が開くドラム式の電気洗濯乾燥機」程度の意味合いを理解、認識させるものであるから、これを本願の指定商品に使用するときは、商品の品質、構造、機能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、後掲のとおり「TOPOPEnDRUm」の欧文字を書してなるところ、その構成中の中間に配置した「OPEn」の文字部分が白抜き文字で描かれているとしても、格別変化に富んだ識別力の高い字体、書体を採用したものとはいい難く、むしろ普通に用いられる方法で表してなるものというべきである。
また、本願商標の構成文字である「TOP」の部分は「最上部」を、「OPEn」の部分は「開く」を、「DRUm」の部分は「ドラム」を意味する英語として、広く一般に知られ親しまれていることから、「TOPOPEnDRUm」の文字よりなる本願商標は、「TOP」、「OPEn」、「DRUm」を組み合わせた造語であるとしても、取引者・需要者にとって「TOPOPEnDRUm」の語自体から、「最上部が開くドラム」が関係する商品であると理解し認識することは容易というべきである。
そして、本願商標をその指定商品に使用した場合、その指定商品が「業務用電気洗濯機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気洗濯乾燥機」であることから、取引者・需要者であれば、本願商標は、最上部が開くドラム式の電気洗濯乾燥機等の品質、構造、機能を表わすものとして、これを、直接的に「TOPOPEnDRUm」と表現したものである、と理解し認識することになるのは至極自然なことというべきである。
さらに、最上部が開くドラム式の電気洗濯乾燥機等について、「TOPOPEnDRUm」に通じる「トップオープンドラム」の文字が、その商品の品質、構造、機能を表わすものとして、「トップオープンドラム式」、「トップオープンタイプ」のように、一般的に使用されている実情を、原審において説示したインターネットのホームページ情報の例に加え、例えば、次のような新聞記事及びインターネットのホームページの情報等からも、その一端をうかがい知ることができるところである。
(1)2003年12月10日付 日経産業新聞 21頁
「松下電器の洗濯乾燥機「Lab NA−V80」出し入れ楽」の見出しの下、「斜めドラムで出し入れ楽。松下電器産業の洗濯乾燥機「Lab NA−V80」が人気だ。発売は12月だが11月の段階で新製品としては従来ペースの2倍の予約注文が集まった。ドラムと投入口を斜め30度に傾けて体に沿わせる形状にし、誰でもドラムの底まで手が届くようにした。斜めドラムの角を生かして洗濯するため節水効果もある。洗濯時の水量は、真横から衣類を出し入れする同社の水平ドラム式に比べ20%削減した。開発に着手した昨年夏は、衣類の投入口が上にあるトップオープンドラム式を他社が積極展開していた時期。デザインを担当したナショナルデザイングループの小林優主席意匠技師=写真=は、「新しい特徴を出す意味でも、斜めドラム式でいこうと決まった」と振り返る。斜めにすればデザインは斬新だが、ドラムの回転時に余分な振動が発生するなど技術的課題があった。ドラムの重心を支え振動を吸収するサスペンションを従来製品の2カ所から4カ所に増強。回転をなめらかにするモーターを採用し運転制御ソフトも改良して、振動を最小限に抑えるよう工夫した。(以下略)」とする記事がある。
(2)2003年12月7日付 北海道新聞 朝刊 16頁
「乾燥もできる洗濯機*新商品続々 新たな主役に*2タイプから選択を」の見出しの下、「衣類の洗濯と乾燥を一台でこなす洗濯機が増えてきた。ほとんどのメーカーが主力商品をこのタイプに切り替えており、使い勝手や衣類の仕上がりにこだわった新商品が続々と登場している。干す手間が減って作業負担が軽くなる上、洗濯物が乾きにくくなるこれからの季節はとくに重宝しそうだ。(略)日立ホーム&ライフソリューションは縦型機種のみ三年前から販売。「コンパクトで使い勝手もよく、日本人には好まれる」と担当者は話す。一方、欧米に多い横型は扉が側面にあり衣類の取り出しが不便とされていたが、昨年以降、三洋電機と東芝が扉を上に付けた「トップオープンドラム」タイプを相次いで採用。先月中旬には、松下電器産業がドラムを約三○度傾けて「両方の利点を生かした」(マーケティング部)という“斜め型”を発売するなど、続々と新製品が登場している。(以下略)」とする記事がある。
(3)2003年6月6日付 日本工業新聞 7頁
「洗濯機市場、“乾燥機能”追い風に 02年度4%増で堅調」の見出しの下、「■金額ベース 新需要開拓、単価アップも ◆メーカー各社、開発加速で差別化 洗濯機に乾燥機能が付くのが当たり前の時代が到来しそうだ。二〇〇三年度は「発売されるモデルのほぼすべてに何らかの乾燥機能が搭載される」(業界関係者)との見通しが強い。ひと言で乾燥機能といっても、さまざまな方式がある。ヒーターで完全に衣類を乾燥する完全乾燥、小型ヒーターによる小容量乾燥、風力で脱水力を高め乾燥時間を短縮する補助乾燥機能など。メーカー各社は他社製品との差別化を図るため、乾燥機能充実に向けた研究開発に余念がない。それが洗濯機市場の活性化を促進している。(門倉千賀子)◆当たり前の時代へ(略)三洋電機と東芝は六月に発売するドラム式洗濯乾燥機で、これまで洗濯容量八キロの機種で四・五キロしか乾燥できなかったのを六キロにアップする。また両社は、縦型洗濯機のように上から衣類を出し入れできる「トップオープンドラム」を採用。昨年発売したモデルでも採用している三洋電機は、これをさらにスライドドアとし、蛇口などがドアの開閉を邪魔して設置できないという課題をクリアした。(以下略)」とする記事がある。
(4)2003年4月5日付 朝日新聞 朝刊 56頁
「三洋電機 ドラム式洗濯乾燥機(クリーンヒット!)」の見出しの下、「洗剤を入れてボタンを押すだけで、衣類を乾かすところまでを1台でこなす全自動洗濯乾燥機が売れている。なかでも、ふたを上開きして楽に洗濯物を取り出せる三洋電機の「ドラム式」が、他社品より高額にもかかわらず、昨年6月の発売から今年3月末までに9万台出荷、と好調だ。(略)<メモ> 三洋の「トップオープンドラム式」は、ドラム式、縦置き式それぞれの長所を採り入れた。洗濯容量は8キロ。標準コースで、4・5キロの衣類を約190分間で洗濯から乾燥までできる。オープン価格だが、店頭では15万円前後。標準のシルバー以外に、赤、黄、青、白の4色から選べるキャンペーンを実施したところ、商品が自宅に届くまでに15日程度かかる、標準色以外の希望が3割に達した。」とする記事がある。
(5)2003年1月22日付 日本証券新聞 3面
「三洋電機 有機ELを本格量産 家電は高付加価値化」の見出しの下、「三洋電機(6764)の桑野幸徳社長はこのほど、年頭記者会見を行った。同社では100億−500億円規模の事業を3−5年で10件育成する「ACE21」を進めているが、なかでも有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレーの本格的な量産体制に入ると述べた。(略)高性能大型2次電池や太陽光発電、CO2コンプレッサー、携帯電話向けに需要が急拡大しているCCDカメラなどにも尽力。単価ダウンが続く白物家電も、トップオープンドラム方式を採用し、カラー展開などで好調に売り上げを伸ばしている全自動乾燥洗濯機などのように高付加価値商品でマーケットナンバーワンを目指す。」とする記事がある。
(6)http://www.biccamera.com/bicbic/jsp/w/kaden/house/drum_washer_drying/index.jsp
株式会社ビックカメラのウェブサイトにおいて、「今、売れています!ドラム式洗濯乾燥機 洗濯時間やコストを抑え、機能充実のモデルが勢ぞろい!」の見出しの下、「◆洗濯機の買い替えをお考え中のお客様にドラム式洗濯機をオススメします◆洗濯から乾燥まで一気に行ってくれる洗濯乾燥機。大好評の「ななめドラム」の新型や「トップオープンドラム」など、使いやすさますますアップ!」及び「TOSHIBA ほぐし手バッフルで仕上がり抜群!進化したトップオープンドラム」とする記述がある。
(7)http://panasonic.co.jp/products/story/washer/case01/case01.html#pagetop
松下電器産業株式会社のウェブサイトにおいて、「松下電器について 開発ストーリー 〜未来のアイデアを追いかける人がいる〜」の見出しの下、「ななめドラム式洗濯乾燥機 使う人への思いやりが洗濯機のデザインをななめにした。〜洗濯乾燥機開発ストーリー〜(略)実はこの審査会に先立ち、他社が発売したトップオープンドラム式洗濯機が市場の話題をさらっていたのだ。「かっこいいけれど使いにくい」というこれまでの横型のドラム式洗濯機のイメージを覆すトップオープンというアイデアに、津田も「敵ながらあっぱれ。やられたと思いました」。振り出しに戻った企画には、それに勝る斬新さや力強さが求められていた。急遽、設計担当者、デザイン担当者が集まり、連日ディスカッションを繰り返した。「その中で出てきたのが<ななめにする>という発想。デザイン的にはななめにすることで洗濯物の投入口が人の方を向き、出し入れがしやすくなります。設計の方からは、傾ければ角を使って洗うことができるので節水効果があると。双方の利点がうまく合致したのがななめドラムだったのです」。(以下略)」とする記述がある。
(8)http://www.color-club.com/research/elect/050520.html
ディックカラー&デザイン株式会社のウェブサイトColor−club.comにおいて、「家電マスターに続け」の見出しの下、「人気のドラム式洗濯機 節水など、消費者のエコ感覚にアピールしているドラム式。スペースの関係で見送る人も多いそうですが、省スペースになるトップオープンのドラム式にも注目です。東芝は、トップオープンとフロントイン(ドラムは少し斜め)両方のドラム式を出しています。TW−130VB(ザ・フロントイン)TW−80TB(ザ・トップイン)。どちらもカラーは白とベージュの2種類。トップオープンドラム式といえばサンヨーが充実のラインアップ。最新シリーズ AWD−GT961Zはボディが白、ドアカラーが4種類に。ホログラムを使った凝った表現をしています。」とする記述がある。
(9)http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2003/06/hl_0610.html
株式会社日立製作所のウェブサイトにおいて、「ニュースリリース」の見出しの下、「■需要動向および開発背景 2002年度の全自動洗濯機の総需要は約387万台となり、2003年度には約390万台(前年比約101%)が見込まれます。洗濯乾燥機においては縦型、フロントオープンドラム式、トップオープンドラム式が出揃い、2003年度には全自動洗濯機需要全体に対するウェイトが19%にまで達すると予測されます。(日立調べ) 日立は日本人に馴れ親しんだ縦型方式で日本オリジナルの洗濯乾燥機を開発し、使いやすさ、コンパクトさ、短時間乾燥、高洗浄力が認められ、2002年度洗濯機史上初の日本機械学会賞(技術賞)を受賞しました。今年はこれらの機能をさらに向上させた商品を開発しました。」とする記述がある。
(10)http://www.chuokai-shiga.or.jp/contents/library/hot-shiga/0311.html
滋賀県中小企業団体中央会のウェブサイトにおいて、「滋賀県の景気動向 2003年11月」の見出しの下、「◆各組合からのコメント◆(電気機器類製造)・民生用電気機械器具 洗濯機はトップオープンドラム式(上部から取り出せるドラム式)、全自動式、乾燥機付など高級製品が主体となり、モーターなどは高速回転に耐える品質が要求されることから、交流式から直流式になっており、材料費は従来に比べて増加してきている。電化製品はほとんどが海外生産となっているが、ポンプ・洗濯機は国内生産である。最近中国では鉄が不足していることから、競争が激しく価格が高騰しているようである。」とする記述がある。
してみれば、「TOPOPEnDRUm」の文字よりなる本願商標をその指定商品「業務用電気洗濯機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気洗濯乾燥機」について使用するときは、これに接する需要者・取引者は、「最上部が開くドラム式の業務用電気洗濯機・家庭用電気洗濯機・家庭用電気洗濯乾燥機」のように、その商品の品質、構造、機能を表わしたものと理解するにとどまり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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