Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90403(T2004−90403/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4759771号商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年6月12日に登録出願され、「SDカードマスター」の文字を標準文字により書してなり、第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成16年3月26日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の登録商標を引用し、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当する旨申し立てた。
「MASTER」と「マスター」の文字を2段に併記してなり、平成13年5月21日に登録出願され、第9類及び第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成14年8月23日に設定登録された登録第4598937号商標ほか、その構成中に「MASTER」、「マスターカード」又は「MASTERCARD」あるいは「MasterCard」の文字を含み、本件商標の指定商品と類似する登録第4370486号、同4370485号、同4288428号、同4755061号、同4338039号、同3286060号、同4455433号、同4548148号、同4581775号、同4762831号及び同4769913号の各商標(以下、まとめて「引用A商標」という。)。
また、その構成中に「Master」、「MASTER」又は「MasterCard」の文字を含む登録第3294157号、同3307535号、同4057759号、同3294156号、同3294155号、同3307541号、同3364778号、同4025727号及び同4213071号の各商標(以下、まとめて「引用B商標」という。)
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、欧文字「SD」と片仮名「カードマスター」の文字に対応して、「エスディー」及び「カードマスター」の称呼が生じ、また、9類の「記憶媒体」との関係では「SDカード」を想起させるので、「マスター」の称呼をも生じる。他方、引用A及びB商標からは「マスター」ないし「マスターカード」の称呼が生ずる。そうすると、本件商標と引用A及びB商標とは、称呼・外観において類似するものであり、混乱を招く可能性が極めて高いものである。かつ、本件商標の第9類の指定商品と引用A商標の指定商品とは同一又は類似のものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
世界及び日本全国に広く流通し、メジャーなクレジットカードといえば「マスターカード」が代表例にあげられるほど、申立人の提供するサービスは社会に浸透しており、本件商標が、第9類指定商品について使用された場合、消費者は、あたかも、本件商標を付した指定商品を、申立人の業務に係る商品であるとの誤解から、商品の出所について混同する恐れがある。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおり、「SDカードマスター」の文字よりなるところ、その構成文字は、同一の大きさで等間隔に一連に表されており、視覚上一体的に看取し得るものであって、かつ、これより生ずる「エスディーカードマスター」の称呼も、全体としてよどみなく一連に称呼し得るものであるから、たとえ、その構成中前半の「SDカード」の文字部分が、記憶媒体の一種を指称する語と同一であるとしても、かかる構成にあっては、なんら特定の商品の品質を表すものとは認識されず、むしろ、構成文字全体をもって、一体不可分の造語と認識し把握されるものとみるのが自然である。
してみると、「SDカード」の文字部分をあえて省略し、ことさら後半部の「マスター」の文字部分のみを捉えて、これより「マスター」の称呼をも生ずるとする申立人の主張は、いかにも不自然であり、認めることはできない。
そうすると、本件商標から「マスター」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本件商標と引用A商標が、称呼及び外観において類似するものであるとする申立人の主張は、採用することができない。
また、本件商標より生ずる「エスディーカードマスター」の称呼と、引用A商標より生ずる「マスター」ないし「マスターカード」の称呼とは、音構成が著しく異なり、十分に区別できるものである。
そして、本件商標は、特定の観念を生じ得ない造語と判断されるから、本件商標と引用A商標とは観念上比較し得ないものであり、また、それぞれの構成よりみて、外観上も十分に区別し得るものである。
してみると、本件商標と引用A商標とは、その外観、称呼及び観念いずれの点よりみても非類似の商標といわざるを得ない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、申立人の商標「MasterCard」の著名性については、小学館発行の「最新英語情報辞典(昭和58年1月10日発行)」をもって立証しているところ、申立人の会社が世界的に広く知られた米国の代表的なクレジット会社であり、クレジットカード業務に係る役務について、「マスターカード」ないし「MasterCard」の商標が著名性を獲得していることは認められるとしても、それはクレジットカード業務という限られた事業についてのものだけである。
そして、本件商標は、前記のとおり、一連一体として把握し得る構成よりなるものであり、引用A及びB商標とは、前記(1)で認定・判断したとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点よりみても、明らかに区別し得る商標といえるものであるから、本件商標を申立人の業務と関連性の乏しい第9類の指定商品に使用しても、これより直ちに申立人の著名な商標(引用B商標)を連想・想起させることはなく、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認めることができない。
(3)まとめ
したがって、第9類「全指定商品」についての本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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