Trademark Appeal Case
著名略称の周知性と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90501(T2004−90501/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4770148号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年1月24日に登録出願、第19類「簡易理美容室組立セット(金属製のものを除く。),その他の建造物組立セット(金属製のものを除く。)」、第43類「理美容室に使用する可搬式建造物組立セットの貸与」及び第44類「美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」を指定商品又は指定役務として、平成16年5月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の著名な略称「Shell」を含むものであるにもかかわらず、出願人は本件商標の登録について申立人から何ら承諾を得ていない。また、申立人の商標「Shell」、「シェル」(以下「引用商標」という。)は、申立人及びその関連会社の商標として世界的に周知著名であるから、本件商標が指定商品に使用されれば、当該商品はあたかも申立人の業務にかかわる商品であるかの如く商品の出所について誤認混同させるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、別掲に示すとおり、円内に図案化されて大きく表された「QB」の文字の下部に「Shell」の文字が小さく表されているものである。
しかしながら、構成中の「Shell」の文字は、「貝殻」を意味する一般に親しまれている平易な既成語であり、また、本件商標の指定商品及び指定役務は、上記のとおり、第19類「簡易理美容室組立セット(金属製のものを除く。),その他の建造物組立セット(金属製のものを除く。)」、第43類「理美容室に使用する可搬式建造物組立セットの貸与」及び第44類「美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」であり、これらの指定商品又は指定役務は、申立人の主力製品である石油、石油製品、各種化学製品とは、製造メーカー、事業者、販売経路、提供場所、需要者層等が大きく異なるということができる。
一方、申立人は、国際石油資本(メジャー)の1社であるロイヤル・ダッチ・シェル・グループの中核企業であって、我が国においては、昭和シェル石油株式会社(以下「昭和シェル石油」という。)が同グループに所属しており、昭和シェル石油のウエブサイトのホームページによれば、同社は、多くの関係会社を有し、東亜石油京浜精油所扇町工場、同水江工場、昭和四日市石油四日市精油所、西部石油山口精油所等に精油設備を有しており、主として全国4,900箇所のサービスステーションを通じてガソリン、軽油、自動車用潤滑油、LPガスなどを販売していることが認められる。
以上からすれば、申立人、昭和シェル石油あるいはその関係会社(以下「申立人等」という。)は、「Shell」、「シェル」と略称されることがあるものと推認することができる。しかしながら、申立人の提出に係る証拠には、申立人等の略称と推認される「Shell」、「シェル」が本件商標の登録出願の時に略称として著名であったと認めるに足りる証拠はない。
また、申立人等が「Shell」、「シェル」商標を使用しているものと推認し得るとしても、申立人の提出に係る証拠には、申立人等が現に使用している商標を示すものはなく、例えば、上記サービスステーションでどのような商標が使用され、とりわけ「Shell」及び「シェル」の文字からなる商標がどのような形態で使用されているのか、申立人が広告、宣伝をする際にどのような商標をどのような態様で使用しているのか等が明らかでなく、申立人等の使用する商標を確認することができない。
そうとすれば、申立人の提出に係る証拠では、申立人等が「Shell」、「シェル」と略称され、あるいは、申立人等が商品又は役務の商標として「Shell」、「シェル」商標を使用しているものと推認し得るにとどまるといわざるを得ないものであり、加えて、申立人の主力製品である石油、石油製品、各種化学製品と本件商標の指定商品又は指定役務は、密接な関連性があるとはいえないこと上述のとおりであるから、本件商標をその指定商品又は指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、これを申立人の著名な略称を含むものと認識するとは判断し得ず、かつ、本件商標より引用商標を直ちに連想、想起し、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係る商品又は役務であるかのように誤認、混同するものとは判断することができない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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