Trademark Appeal Case
称呼・外観の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90732(T2004−90732/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4799258号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年4月9日登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年9月3日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が引用する登録商標は、いずれも現に有効に存続している、以下(1)ないし(4)に示す登録商標の外、いずれも願書に記載したとおりの構成よりなり、その指定商品又は指定役務、登録出願日、設定登録日は商標登録原簿に記載のとおりのものである登録第1162732号商標、同第2376515号商標、同第2406891号商標、同第3111742号商標、同第3111741号商標、同第3352704号商標、同第3352705号商標、同第3360057号商標、同第3214489号商標、同第3214490号商標、同第3233759号商標、同第3312280号商標、同第3312281号商標、同第3312282号商標、同第4009868号商標、同第4046656号商標、同第4087908号商標及び同第4229437号商標(以下、上記引用登録商標をまとめていうときは、「各引用商標」という。)、同第1197291号商標の防護標章登録第1号及び同第2号である。
(1)登録第1197291号商標(以下、「引用商標1」という。)は、「CLARINS」の欧文字を横書きしてなり、昭和45年3月23日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同51年4月26日に設定登録されたものである。
(2)登録第2266735号商標(以下、「引用商標2」という。)は、「クラリンス」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和60年11月8日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年9月21日に設定登録されたものである。
(3)登録第3300371号商標(以下、「引用商標3」という。)は、「クラランス」の片仮名文字を横書きしてなり、平成4年9月25日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年5月2日に設定登録されたものである。
(4)登録第4087899号商標(以下、「引用商標4」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年9月25日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年12月5日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標より生ずる「クラリス」の称呼と各引用商標より生ずる「クラリンス」の称呼は、「ン」の音の有無の差異にすぎないから、互いに紛らわしいものである。また、本件商標中の「CLARIS」の文字部分と各引用商標中の「CLARINS」とは、「N」の文字の有無の差異にすぎないから、外観上類似するものである。そして、本件商標の指定商品は、各引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人の使用に係る商標「CLARINS」(以下、「申立人商標」という。)は、申立人の業務に係る商品「化粧品、香水類、石けん」等について使用され、本件商標の登録出願前には世界的に著名であった。
本件商標は、申立人商標に類似する商標であって、その指定商品中には申立人商標が使用される商品を含むものである。
また、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合は、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有す者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)称呼について
本件商標は、別掲(1)のとおり、「CLARIS」(「A」をやや図案化してなる。)の文字と「クラリス」の文字を二段に横書きしてなるものであるから、これより「クラリス」の称呼を生ずるものである。
これに対し、引用商標1は「CLARINS」の文字を、また、引用商標2は「クラリンス」の文字を、さらに、引用商標4は、別掲(2)のとおり、ありふれた楕円輪郭内に「CLARINS」の文字を顕著に表し、かつ、該文字の下に小さくフランス国の首都と認められる「PARIS」の文字を配してなるものであるから、それぞれの商標は、自他商品識別機能を果たす文字部分に相応して、「クラリンス」の称呼を生ずるものである。また、引用商標3は、「クラランス」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して、「クラランス」の称呼を生ずるものである。
そして、本件商標より生ずる「クラリス」の称呼と引用商標1、2及び4より生ずる「クラリンス」の称呼は、「ン」の音の有無の差異を有するものであるところ、「ン」の音を有しない「クラリス」の称呼は、平坦に一気に称呼されるのに対し、「ン」の音を有する「クラリンス」の称呼は、2音節風に称呼されるものであって、「ン」の音の有無の差異により、それぞれの称呼を一連に称呼した場合は、その語調、語感が異なるものとなるから、称呼上互いに紛れるおそれはないとみるのが相当である。
また、本件商標より生ずる「クラリス」の称呼と引用商標3より生ずる「クラランス」の称呼は、中間部において「リ」と「ラン」の差異を有するものであるから、これらの差異音が称呼全体に及ぼす影響は小さいものとはいえず、称呼上相紛れるおそれはないものである。
(イ)外観について
本件商標と引用商標1ないし4は、それぞれの構成よりみて、外観上相違するものであることは明らかである。
仮に、本件商標中の欧文字部分のみをとって、引用商標1及び引用商標4の欧文字部分とを比較したとしても、本件商標中の欧文字部分は、「A」の文字部分がやや図案化されているばかりでなく、いずれの欧文字部分からは、無理なく「クラリス」又は「クラリンス」と称呼し得るものであるから、称呼上の差異も相俟って、通常の注意力をもってすれば、外観上互いに見誤るおそれはないというのが相当である。
(ウ)観念について
本件商標と引用商標1ないし4は、いずれも特定の語義を有しない造語よりなるものと認められるから、観念においては比較することができない。
(エ)むすび
以上によれば、本件商標と引用商標1ないし4は、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。
なお、各引用商標中、引用商標1ないし4以外の商標は、いずれもその指定商品又は指定役務が本件商標の指定商品とは、商品又は役務の用途、品質・質等を異にする非類似のものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人は、申立人商標は申立人の業務について使用された結果、本件商標の登録出願前より我が国においても、その需要者の間に広く認識されている旨主張し、甲第2号証ないし同第4号証の4を提出しているが、これらの証拠は、申立人のホ−ムページ、本件商標とは構成態様の異なる商標についての異議決定書、取消通知書等であることから、これらの証拠のみをもってしては、申立人商標が申立人の業務に係る商品「化粧品、香水類、石けん」等を表示するものとして、本件商標の登録出願前より我が国において、その需要者の間に広く認識されているものであると認めることは困難である。
加えて、前記(1)のとおり、本件商標と「CLARINS」の文字よりなる商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標というべきである。
そうすると、本件商標に接する需要者は、申立人商標を想起又は連想することはないというのが相当であって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはない商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。