Trademark Appeal Case
称呼・外観の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90728(T2004−90728/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4797763号商標(以下、「本件商標」という。)は、「BEDWIN」と「ベドウィン」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成15年12月10日に登録出願、第14類「身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として、平成16年8月27日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人が引用する登録商標は、以下(ア)ないし(エ)の4件である。
(ア)登録第795545号商標(以下、引用商標1という。)は、「EDWIN」の文字を横書きしてなり、昭和42年3月28日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和43年10月16日に設定登録されたものである。
(イ)登録第1335300号商標(以下、引用商標2という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、昭和47年10月9日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和53年6月21日に設定登録されたものである。
(ウ)登録第2700086号商標(以下、引用商標3という。)は、「エドウイン」の文字を横書きしてなり、昭和62年9月22日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年11月30日に設定登録されたものである。
(エ) 登録第4453061号商標(以下、引用商標4という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成12年2月24日に登録出願、第3類、第8類、第9類、第10類、第12類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第22類、第24類、第25類、第26類、第28類、第30類、第32類及び第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年2月16日に設定登録されたものである(以下、一括していうときは単に「引用商標」という。)。
2 異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標は、それぞれの構成文字に相応して「ベドウィン」「エドウィン」の自然的称呼を生ずること明らかであり、両称呼を比較すると、第2音以下の3音を共通にし、相違する「ベ(be)」と「エ(e)」も、後者が前者を母音としている点において近似することとあいまって、彼此聴き誤るおそれのある称呼において類似する商標である。また、外観においては、本件商標は引用商標1,2及び4をそっくりそのまま含むものであり、外観においても類似する商標である。そして、指定商品も互いに抵触する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は異議申立人の商標として、世人に広く一般に知られているものであるから、これをそっくりそのまま一部に含む本件商標が指定商品に使用された場合、申立人と何らかの経済上・業務上の関連性を有する商品の如く誤認し、出所混同のおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第19号ついて
商標権者は、本件商標の登録出願以前に、引用商標が国内外において周知かつ著名であるという客観的事実を熟知したうえ、その構成中ローマ字を、既存の言葉である「Bedouin(ベドウィン族)」に対応したローマ字とせずに、あえて、申立人の独創的かつ特徴的な周知かつ著名な商標を、そっくりそのまま構成要素として完全に取り込んだ商標を採択し、出願するに至った事実は、永年の企業努力を通じて築き上げたハウスマークに化体された莫大な信用と顧客吸引力にただ乗りすることを意図した「不正の目的」に基づく出願であると推認せざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するから、その登録を取り消されるべきである。
第3 当審の判断
1 本件商標は、前記1のとおりの構成文字からなるものであり、その構成文字から「ベドウィン」の称呼、片仮名文字よりベドウィン族(アラビア半島を中心に、中東・北アフリカの砂漠に住むアラブ系遊牧民)の観念を生ずるものというのが相当である。
これについて、確かにベドウィン族を表すローマ字は「Bedouin」であるけれども、我が国の指定商品の需要者が、「ベドウィン」の文字からベドウィン族を直感するとしても、当該文字の表音「ベドウィン」に対応したローマ字綴が、どれをもって正解であるかを判別できる程に、外国語を知悉しているとはいい難いものである。そして、本件商標のローマ文字「BEDWIN」も「ベドウィン」の欧文字表記として自然なものであるから、前記観念を想起させる妨げにはならないというのが相当である。
一方、引用商標は、その構成文字に相応して「エドウィン」の称呼を生じるものであり、特定の意味合いを有しない造語からなるものである。
そこで、「ベドウィン」と「エドウィン」の両称呼を対比すると、第2音以下の「ドウィン」を共通にするが、称呼の識別上で重要な要素を占める語頭において「ベ」と「エ」の差異を有するものである。そして、ベドウィン族の観念をもつ本件商標と造語商標である引用商標とは、観念の差異によってその音の差異を明確に看取し判然と区別し得るものというべきである。
してみれば、両者は、称呼及び観念において、相紛らわしいものとはいえない。
さらに、その構成上の差異からすれば、外観において相紛れるおそれがあるともいえない。
したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念を総合してみれば、引用商標に類似する商標とはいえないものである。
2 甲各号証によれば、引用商標が商品ジーンズ等について需要者の間で広く知られた商標であると認められる。
しかし、前記のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であり、また、本件商標の欧文字部分に引用商標1、2及び4と同じ欧文字を含むけれども、本件商標は、前記観念よりして不可分一体のものとして把握・理解されるとみるのが相当であるから、結局、引用商標とは別異の出所を表す商標として受け止められるというべきものである。
したがって、本件商標をその指定商品に使用しても、需要者が引用商標を想起して、異議申立人又はこれと関係のある者の取扱に係る商品であるかの如く誤認し、その出所について混同を生ずるおそれがあるとはいえないものである。
3 さらに、本件商標が引用商標に類似する商標でないこと前記のとおりであることに加えて、本件商標が「不正の目的」に基づく登録出願であると推認し得る証左は見いだせない。
4 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号又は同第19号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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