Trademark Appeal Case
一体不可分商標の称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90646(T2004−90646/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4792936号商標(以下「本件商標」という。)は、「アート・宙」の文字を標準文字で書してなり、平成15年12月10日に登録出願、第36類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同16年8月6日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
これに対し、登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「本願商標は、商標法第4条1項第8号、同第11号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきものである。」旨を述べ、引用した登録第4433280号商標(以下「引用A商標」という。)は、「宙」の文字を標準文字で書してなり、平成9年12月12日に登録出願、第4類、第6類、第7類、第11類、第15類、第19類、第23類、第27類、第34類、第35類、第36類、第37類、第39類及び第40類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同12年11月17日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4443861号商標(以下「引用B商標」という。)は、「宙」の文字を標準文字で書してなり、平成9年12月12日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同13年1月5日に設定登録されたものである。
3 申立ての理由の要点
(1)本件商標は、上記の引用A商標及び引用B商標に称呼及び観念上類似する商標であって、かつ、同一又は類似の役務に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標「宙」は、申立人自らが経営する「宝塚歌劇団」の構成単位であり、公演組織である「組」の名称であり、申立人が自己の業務に係る役務を表示するものとして使用する極めて著名な商標である。本件商標は、この著名商標を要部として含むことから、その役務について出所の混同を生ずるおそれがあるので、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)本件商標は、他人の著名な芸名又はその著名な略称を含む商標よりなるものであって、しかも、その承諾を得ていないから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成文字全体は、外観上まとまりよく一体的に表されていて、これより生ずると認められる「アートチュウ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一気一連に称呼し得るものであるから、本件商標は、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し、把握されると見るのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して「アートチュウ」の称呼のみを生ずるものであって、かつ、特定の観念を生ずるものとはいえないものである。
してみれば、本件商標より「チュウ」の称呼及び「宇宙、空、空中」の観念をも生ずるとし、その上で本件商標と引用A商標及び引用B商標とが称呼及び観念上類似するものであるとする申立人の主張は、認めることはできない。
その他、本件商標と引用A商標及び引用B商標とを類似するものとすべき共通点は、見いだし得ない。
したがって、本件商標と引用A商標及び引用B商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、引用A商標及び引用B商標とは類似しないものであって、商標「宙」についても同様に判断し得るものであり、他に混同を生ずるとすべき特段の理由も見いだせない。
また、申立人の提出に係る各証拠を検討するも、商標「宙」が本件商標の登録出願時に申立人の業務に係る役務の商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたことを裏付けるに十分かつ的確な証拠とは認められない。
そうすると、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商標「宙」を連想又は想起するものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
(3)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、前記のとおり構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認められるから、本件商標を申立人の経営する「宝塚歌劇団」の公演組織が用いる芸名「宙」を表示したものとして認識し、把握されることはないものといわざるを得ず、本件商標は、他人の著名な芸名又はその著名な略称を含む商標に該当するものとは認められない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。