結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30527号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2287617号商標(以下、「本件商標」という。)は、「NIS」の文字を書してなり、昭和62年5月8日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成2年12月26日に登録され、該権利は現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標の指定商品中[フォントデータおよびフォントを生成するプログラムが記憶されている記憶媒体」についての登録を取り消す、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第7号証を提出した(請求人が乙号証として提出した証拠方法をそれぞれの証拠番号に対応する甲号証として取り扱った。以下、同じ。)。
(1)請求の理由
被請求人は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者、又は通常使用権者のいずれもが上記指定商品について本件商標の使用をしていない。
したがって、本件商標の指定商品中「フォントデータおよびフォントを生成するプログラムが記憶されている記憶媒体」は取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、(株)NEC情報システムズに対し本件商標の通常実施権を許諾しており、同社が本件商標を使用していると主張しているが、甲第2号証(登録原簿)には、その事実がなく、かつ上記通常使用権を許諾した証拠もない。また、被請求人の関係会社は、「フォントデータ記憶済記憶媒体」および「プログラム記憶媒体」を作製および販売していることは認められるが、「NIS」なる商標を付して「フォントデータおよびフォントを生成するプログラム記憶媒体」を販売しているという事実を各証拠から見ることはできない。
「NIS Mail」及び[NIS VIEWER」は、集配信データや画像データをコンピュータにより効率良く処理しようとするプログラム、すなわち、記憶媒体中にコンピュータを動かす手順が格納されているプログラムである。これに対して「フォントデータおよびフォントを生成するプログラム記憶媒体」は、文字を構成するアウトラインフォントデータ等が格納されているものであり、電子辞書や電子本が記憶されている記憶媒体と同じものである。したがって、「フォントデータおよびフォントを生成するプログラム記憶媒体」は、コンピュータを動かす手順が格納されているプログラムとは全く異なる範疇に属するもので、類似関係にはなく、通常の商取引において、需要者はコンピュータを動かす手順が格納されているプログラムと使用目的、使用形態及びデータ内容が明らかに異なる「フォントデータおよびフォントを生成するプログラム記憶媒体」とを誤認混同する虞れはない。
なお、請求人は、甲第3号証ないし同第7号証に示すとおり、「NIS」を「フォントデータおよびフォントを生成するプログラム記憶媒体]に長年使用しているものである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証の1乃至同第13号証の1(枝番号を含む。)を提出した(被請求人が甲号証として提出した証拠方法をそれぞれの証拠番号に対応する乙号証として取り扱った。以下、同じ。)。
(1)被請求人の関連会社は、「フォントデータおよびフォントを生成するプログラムが記憶されている記憶媒体」を販売している。
乙第1号証の1乃至同6は、被請求人の有価証券報告書であり、被請求人の関係会社である日本電気オフィスサービス株式会社の名称が記載されている。そして、乙第2号証の1乃至同50は、日本電気オフィスサービス株式会社のホームページであり、日本電気オフィスサービス株式会社が「フォントデータ及びフォントを生成するプログラムが記憶されている記憶媒体」について開発し、又は販売している事実を示している。
(2)被請求人は、本件商標を3年以上継続して「プログラムが記憶されている記憶媒体」に使用している。
乙第3号証の1乃至同3は、(株)NEC情報システムズの会社案内である。被請求人はその関係会社である(株)NEC情報システムズに対して本件商標の通常使用権を許諾しており同社は、会社案内に記載されているように「NIS Mail」及び「NIS VIEWER」を取り扱っている。
この点は、「日経コンピュータ(1997年4月28日号)」(乙第4号証の1乃至同3)にも「NIS Mail」が記載されており、1997年9月25日付及び1998年2月20日付の(株)NEC情報システムズの納品書(乙第5号証の1及び同2)により、「NIS Mail」が納品されている事実が確認できる。
乙第6号証の1乃至同2は「NIS Mail」のカタログ、乙第7号証の1は「NIS Mail」の製品写真、乙第8号証の1乃至同3は「NIS Mail」の利用の手引き、乙第9号証の1乃至同2は「NIS VIEWER」のカタログ、乙第10号証の1は(株)NEC情報システム ズ作成の商品リストで「NIS Mail」[NIS VIEWER」が記載されており、これらから、いずれも「NIS」が使用されていることがわかる。
また、乙第11号証の1乃至同第13号証の1の審査例からわかるように、「NIS VIEWER」の要部は「NIS」にあり、「NIS Mail」も同様である。
そして、「プログラムが記憶されている記憶媒体」と「フォントデータおよびフォントを生成するプログラムが記憶されている記憶媒体」とはともに「電子応用機械器具及びその部品」を共通にする商品であるので、需要者をして商品の混同をきたすおそれが高いものである。
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、被請求人は、同条第2項に規定されているとおり、その取消請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その指定商品に係る商標登録の取消を免れない。
そこで、被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙各号証をみるに、乙第2号証の1乃至同50によれば、被請求人の関連会社である日本電気オフィスサービス株式会社は、「フォントデータおよびフォントを生成するプログラムが記憶されている記憶媒体」を販売していた事実を、また、同第3号証の1乃至同第10号証の1によれば、本件商標についての通常使用権者と認められる株式会社NEC情報システムズは、「NIS Mail」及び[NIS VIEWER」と称するソフトウェアを販売していた事実をそれぞれ認めることができる。
しかしながら、乙第2号証の1乃至同500「フォントデータおよびフォントを生成するプログラムが記憶されている記憶媒体」には本件商標が使用されている事実を認めることはできない。また、被請求人が本件商標を使用しているとする乙第3号証の1乃至同第10号証の1のソフトウェアには、確かに本件商標を含んだ構成よりなる商標が使用されていることは認められるが、該ソフトウェアは集配信データや画像データをコンピュータにより効率良く処理しようとするプログラムである。
しかして、取消請求に係る「フォントデータおよびフォントを生成するプログラム記憶媒体」とは、文字を構成するアウトラインフォントデータ等が格納されているものであるのに対して、同第3号証の1乃至同第10号証の1のソフトウェアは、コンピュータを動かす手順が格納されているプログラムであるから、取消請求に係る商品とはその使用目的、使用形態およびデータ内容を全く異にする別異の商品といわなければならない。
してみれば、被請求人が本件商標を使用しているとする商品と取消請求に係る商品とが商品の混同をきたすおそれが高いと否とにかかわらず、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中の結論掲記の商品について取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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