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Trademark Appeal Case

先行商標との類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第92145号
審判種別異議
結論other

結論テキスト

登録第4172337号商標の登録を取消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4172337号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年11月7日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品として、平成10年7月31日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

昭和48年4月26日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和52年4月11日に設定登録された登録第1263242号商標、昭和48年4月26日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、昭和52年7月20日に設定登録された登録第1285553号商標、昭和48年4月26日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第16類「織物、編物、フエルト、その他の布地」を指定商品として、昭和52年12月2日に設定登録された登録第1314571号商標、昭和48年4月26日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第21類「ボタン類、袋物、宝玉、造花、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和53年1月10日に設定登録された登録第1318709号商標、昭和48年4月26日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第22類「はき物、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和53年1月10日に設定登録された登録第1318710号商標、昭和59年10月8日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第23類「時計、眼鏡、これらの部品および附属品」を指定商品として、昭和63年8月29日に設定登録された登録第2071356号商標、昭和53年9月6日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、模造宝玉、造花、化粧用具」を指定商品として、昭和57年8月27日に設定登録、その後、指定商品については、一部放棄により、その指定商品中の「貴金属及び宝玉から成る装身具」について放棄がされ、その登録が昭和58年2月14日にされた登録第1531366号商標、昭和54年1月29日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和59年11月27日に設定登録された登録第1727592号商標、昭和54年1月29日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、昭和60年9月27日に設定登録された登録第1806610号商標、平成4年8月18日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成7年12月26日に設定登録された登録第3106543号商標、平成6年8月26日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第24類「織物,メリヤス生地,フエルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,ふきん,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,シャワーカーテン,テーブル掛け,どん帳,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」を指定商品として、平成9年6月27日に設定登録された登録第3326557号商標、昭和57年10月13日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和60年9月27日に設定登録された登録第1811253号商標、昭和57年10月13日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、昭和62年2月25日に設定登録、その後、指定商品については、一部放棄により、その指定商品中の「ボタン類、かばん類、袋物、宝玉(その模造品を除く)、造花、化粧用具」について放棄がされ、その登録が平成9年10月6日にされた登録第1932457号商標及び昭和58年6月3日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和63年6月24日に設定登録された登録第2051383号商標のGabrielle coco CHANELのイニシャルを図案化した「シャネルマーク」は、それぞれの指定商品等に使用され、申立人の商品であることを表示するものとして広く知られているところ、本件商標は、その構成中の図形部分がシャネルマークとその構成及び態様が酷似しているものであり、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、あたかも申立人の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

また、本件商標は、申立人の著名な商標「シャネルマーク」と同一又は類似の商標であり、「シャネルマーク」に化体する高い名声と信用、顧客吸引力等にフリーライドする目的をもって使用するものであり、信義則に反する不正の目的で使用される商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

4 取消理由

本件商標は、別紙に示すとおり図形と文字の組み合わせより成るところ、その構成中図形部分は、顕著に表示されていることから、本件商標に接する取引者・需要者はその図形部分に強い印象を受けるものとみるのが相当である。

そして、申立人の提出に係る証拠によれば、別紙に示すとおりの図形よりなる商標(以下、「引用商標」という。)が本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品「香水、ハンドバッグ」等の商標として取引者・需要者の間において広く認識されていたものと認められる。

しかして、本件商標の図形部分と引用商標とは、子細に比較すれば、左右の曲線が交わる中央部において差異を有するものではあるが、全体の構成からすれば、左右に切り欠き部を有する2つの円状図形を組み合わせたものという相似た印象を受けるものである。

しかも、本件商標の指定商品は「洋服、コート、セーター類等」であって、香水、ハンドバッグ等と同様ファッションに密接に関連するものといえるから、本件商標は、その指定商品に使用された場合、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について取引者・需要者に混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものと認められる。

5 商標権者の意見

本件商標は、数字の「3」と英文字「C」とを背中合わせに図案化した図形と、その下方に位置させた英文字の筆記体からなる「Candy Car Club」の文字とからなるもので、全体にひとまとめに表されている図形商標であるり、図形部分からは、「サンシー」「スリーシー」等の称呼が、文字部分からは「キャンディカークラブ」の称呼がそれぞれ生じることについては疑う余地はない。図形部分は「Candy」と「Car」と「Club」それぞれの頭文字である3つのCを意味することも明白である。

そして、本件商標の英文字部分は、図形から生じる自然な称呼を表示したものではない。よって、図形部分或いは文字部分のどちらか一方での使用は、本件商標の使用態様であるとは社会通念上認められるものではない。商標権者は図形部分と文字部分とを常に並列させた状態で表示して使用している。

本件商標は、全体としてまとまりの良い一つの標章であって、図形部分と文字部分とが常に併記された状態で使用されるものであるから、本件商標に接したときに図形部分に強い印象を受けたとしても、同時に記載されている「Candy Car Club」の文字部分が取引者・需要者の目に入らないはずがない。この文字部分はわが国において良く知られた簡単な英単語から構成されているものであるから、本件商標からは「キャンディカークラブ」の称呼が生じることが認識される。

万一、本件商標の図形部分のみが取引者・需要者の印象に残ったとしても、引用商標は、C字状体の開放部が両側方に開放するように組み合わされており、中央に形成された隙間部分が印象的なものであるから、図案化された数字の「3」と英文字の「C」とが背中合わせに殆ど線接触した状態に構成され、両者間に隙間は生じていない本件商標の図形部分と引用商標とは、対比観察はもとより、離隔的に観察しても彼此相紛れるおそれはない。

本件商標と引用商標とは、全く異なる印象を受ける図形から構成されているとともに、本件商標は必ず英文字筆記体からなる文字部分と併記で使用されるところから、両商標は相似た印象を受けることは全くない。よって、本件商標をその指定商品に使用しても、その商品について取引者・需要者に出所混同を生じさせるおそれはない。

もし、本件商標と引用商標とが相似た印象を受けるとするならば、円弧状図形を両側方に解放するように組み合わせてなる形状のもの(例えば、ゲージ等)はすべてシャネルマークと認めなければならず、そのようなことは不可能であり、常識から逸脱した考えであるといわざるを得ない。

本件商標は、引用商標を含んだものではなく、また、引用商標に類似したものであるならば、商標法第4条第1項第10号が適用されなければならないところ、同15号が適用されたところから、本件商標は、引用商標と非類似であると認められる。

本件商標と引用商標とは、共に、平面的な幾何学図形を描いたようなものであり、一方の構成やアイデアから他方が連想できるという次元のものではない。

本件商標の図形は、文字部分の「Candy」、「Car」、「Club」の英単語の頭文字「C」から採択したものであり、このことは、上記英単語の頭文字を大文字にすることによって強調されており、需要者において容易に理解されるところである。このような構成の本件商標からシャネルの著名標章が連想されるとは認め難く、さらに、図形の下方に「Candy Car Club」の文字を筆記体で記したことは、シャネルの著名商標には見られない本件商標独特の構成であり、アイデアである。

他の有名ブランドの中でもとりわけ伝統と格式があり取引価格も超一流な高級ブランドとして認識され熟知されている「シャネルマーク」が、図形と英文字「Candy Car Club」からなる本件商標と間違われることなど考えられず、本件商標が付された商品が「シャネル」の称呼で取り引きされたり、「シャネル」の生産・販売又は取扱いにかかる商品と認識されたりするようなことは社会通念上あり得ない。

したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合でも、申立人又は申立人と関係のあるものの業務にかかる商品であると取引者・需要者に出所の混同を生じさせるおそれはないと確信する。

本件商標は、図形と文字とから構成された商標権者の著作物であり、これと申立人の著名なシャネルマークとは、相紛れるおそれはない。

したがって、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとしてなされた本件登録異議申立の取消理由は理由がない。

6 当審の判断

(1)商標権者は、図形と「Candy Car Club」の欧文字とはまとまりのよい一つの標章であり、図形部分或いは文字部分のどちらか一方での使用は、本件商標の使用態様であるとは社会通念上認められるものではない旨述べる。

本件商標は、図形と文字とから構成されているものであるから、いずれか一方のみの使用を想定して判断すべきでないことは当然である。本件商標は、構成中の下段に表された欧文字は、特定の意味合いを有するものとして一般に知られ、親しまれたものとは認められないものであって、該図形と欧文字とは何ら関連性を有するものとは認識されないものというべきであるから、図形部分が圧倒的な大きさで、太い線をもって顕著に表され、強い印象を受ける点に鑑みれば、図形部分のみでも、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといわざるを得ない。

(2) 万一、本件商標の図形部分のみが取引者・需要者の印象に残ったとしても、引用商標は、C字状の開放部が両側方に開放するように組み合わされており、中央に形成された隙間部分が印象的なものであるから、図案化された数字の「3」と英文字の「C」とが背中合わせに殆ど接触した状態に構成され、両者間に隙間は生じていない本件商標の図形部分と引用商標とは、対比観察はもとより、離隔的に観察しても彼此相紛れるおそれはない。また、図形部分は「サンシー」「スリーシー」の称呼が生じることは疑う余地はなく、「Candy」、「Car」、「Club」の頭文字である3つのCを意味することも明白である旨述べる。

しかしながら、本件商標の図形部分は、組み合わされた2個の円状図形のうち、左側の円状図形が右端部に凹部を設けた如き形状のもので、引用商標とは、組み合わされた中央部において異なるところはあるが、全体の構成からすれば、左右に切り欠き部を有する2個の円形状図形より構成されているという基本構成において共通するものであって、この共通点からは中央部の差異点より強い印象を受けるものというべきであるから、引用商標の高い著名性、本件商標の指定商品を併せ考慮すると、本件商標がその指定商品に使用された場合、取引者、需要者は、これを引用商標に関連するものであろうと連想し、引用商標を直ちに想起する場合も少なくないものというべきである。

また、本件商標は、「Candy Car Club」の文字との関連で図形部分を観察しても、これが、数字の「3」と欧文字の「C」とを背中合わせに構成したものとは看取し得ないし、また、「3」と「C」とを図案化した場合、種々の形態が考えられるとしても、図形部分から「サンシー」「スリーシー」の称呼が生ずるものとも認められず、該称呼が生ずると認め得る証左はない。

(3) そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、著名な引用商標を連想し、申立人又は申立人と何らかの関連を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、申立人のその余の取消理由について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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