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Trademark Appeal Case

著名商標と結合商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第92280号
審判種別異議
結論other

結論テキスト

登録第4183501号商標の登録を取消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4183501号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に示すとおりの構成よりなり、平成9年4月18日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同10年9月4日に設定の登録がされたものである。

2 本件登録異議申立ての理由

本件登録異議申立人 トリウムフ・インテルナチオナール・アクチェンゲゼルシャフト(以下、「申立人」という。)は、「『Triumph』の文字を書してなる商標外3件の商標は、申立人の業務に係る商品『女性用ファウンデーション、水着、ビーチウエア』等を表示するものとして取引者・需要者の間おいて広く知られている商標であるところ、本件商標は、これらの商標と同綴りの欧文字を有してなるものであり、かつ、本件指定商品と上記商品とは同一又は類似するものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合には、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、また、不正の目的をもって使用をするものであるから、同第19号にも該当する。」旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし同第22号証を提出した。

3 登録取消理由の通知

当審において本件登録異議申立てを審理し、本件に係る商標登録は、次の理由により、商標法第43条の3第2項の規定に基づいて取り消すべきものと認めるとして、商標権者に対し、同法第43条の12に基づき取消理由を通知して、意見を求めた。

本件商標は、別紙に示すとおり「INTRIUMPH」の文字よりなり、平成9年4月18日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、平成10年9月4日に設定登録されたものである。

ところで、ドイツ連邦共和国所在のトリウムフ・インテルナチオナール・アクチェンゲゼルシャフトは、別紙に示すとおり、昭和29年7月26日に登録出願「Triumph」の文字を横書きしてなり、第36類「各種肌着及びガーター類」を指定商品として昭和30年5月20日設定登録された登録第466025号商標、昭和38年9月12日に登録出願「Triumph」及び「トリウムフ」の文字を二段に横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類」を指定商品として昭和43年7月5日設定登録された登録第784746号商標、昭和53年10月9日に登録出願、「王冠」の図形並びに「Triumph」(筆記体で表したもの)及び「INTERNATIONAL」の文字よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和59年11月27日に設定登録された登録第1731164号号商標及び昭和53年10月9日に登録出願、「王冠」の図形及び「Triumph」(筆記体で表したもの)の文字よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和59年11月27日に設定登録された登録第1731165号商標(以下、これらを合わせて「引用商標」という。)を商品「女性用ファウンデーション、水着、ビーチウエア」等に使用して、本件商標の登録出願前までに取引者・需要者間に広く認識され、著名な商標となっていることは当庁において顕著な事実である。

しかして、本件商標「INTRIUMPH」を構成する第3文字目以降の文字部分「TRIUMPH」は、引用商標を構成する文字「Triumph」と同一のアルファベット文字の綴りよりなるもので、本件商標が大文字からなり、引用商標が頭文字を大文字とし第2文字以下を小文字で表した差にすぎないものであること明らかである。

してみれば、本件商標は、全体として特定の意味合いを有するものとして知られ親しまれたものということはできず、著名な「Triumph」に係る引用商標をその構成文字に有してなるものであり、このような本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、著名な引用商標と商標において紛れ、該商品が引用商標に係る又は同社関連の者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものと認める。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ない。

4 本件商標権者の意見

本商標権者は、本件取消理由の通知に対して、以下のように意見を述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第4号証を提出した。

本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標は同じ大きさ、同じ太字ゴッシック書体をもって外観上まとまりよく一体的に構成されているもので、称呼も格別冗長というべきものでなく一般的な英語読みであれば、よどみなく一連に「イントライアンフ」と称呼し得るものである。

これに対し、引用商標は、頭文字を大文字にし第2字以下を小文字にした筆記体であり、称呼も、登録第784746号商標の「トリウムフ」の文字と、トリウムフ社のように長い名称は商習慣により語頭のトリウムフという語句で称されることから、「トリウムフ」と称呼し得る。したがって、取消理由通知書第2頁第17・18行に記載された「本件商標が大文字からなり、引用商標が頭文字を大文字とし第2文字以下を小文字で表した差にすぎない」と認定するのは誤りであり、本件商標が第3文字前で分断される理由や、両者のゴシック体に対し筆記体という外観及びそれぞれの称呼における差異を微差として軽んぜられる理由はない。万が一、語頭に冠した「IN」が、氏名の略称で有れば、どのような氏名の略称であるか、また、被服等の商品に関する品位・品質等を表示する記号であれば、例えばJIS等のどのような記号であるか、今回の取消理由に提示があるべきである。さらに、「IN」には母音が含まれ平易に称呼できるものでありながら、かつ、外観的にも「IN」の後に空白や「&」のような区切りを示唆するような表示も無いにもかかわらず、全体で9字で表示された本件商標を前2字と後7字で分断する認定には到底納得できない。

また、トリウムフ社は、ゴシック書体の「TRIUMPH」を語頭に冠した商標として、「TRIUMPH DOREEN」(登録第835250号商標 乙第1号証)、「TRIUMPH BDUTIQUE」(登録第1438883号商標 乙第2号証)、「TRIUMPH FREEBRA」(登録第1438884号商標 乙第3号証)及び「TRIUMPH FREEPANTY」(登録第1438885号商標 乙第4号証)の如き商標(以下、「参考商標」という。)を有している。

これらの参考商標は、著名な商標「Triumph」と同一のアルファベット文字の綴りを一部に有し、それをゴシック体により語頭に冠してトリウムフ社及びその関連グループ会社であることが明白な構成である。そして、それぞれ更新登録されているのでその指定商品について使用しているものであるから、それらの指定商品に接する取引者・需要者は、著名な商標「Triumph」と同一のアルファベット文字の綴りを一部に有し、それをゴシック体により語頭に冠した商標を付した商品はトリウムフ社等の出所に係ることを認識することができる。

しかして、本件商標を使用した商品を使用した場合、取引者・需要者は、著名な引用商標「Triumph」及びその引用商標を語頭に冠した参考商標と商標において紛れるものではなく、別な出所の商品であることは明白である。万が一、紛れる商標が有れば、例えば、「Triumphin」「TRIUMPHIN」のように、参考商標のシリーズと一連性があるように誤認を生じさせる商標である。

したがって、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者が著名な引用商標に係る又はトリウムフ社関連の者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはなく、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

なお、平成11年8月4日付け送付された先の通知書に添付されるべき別紙には、登録第784746号商標及び登録第1731164号商標の表示は無く、また、引用商標として三段の最下位に表示された標章は引用商標として特定できない。また、平成11年6月4日付け発送された取消理由通知書第2頁第21行に記載される「トリンプに係る引用商標」の表示「トリンプ」を本件商標は構成文字に有していないので、表示「トリンプ」は誤記である。

5 当審の判断

本件登録異議の申立てにつき、商標権者の意見を踏まえて以下のように判断する。

(1)申立人の主張及び申立人の提出に係る甲号各証を総合すれば、申立人は、1886年、西独に創設以来、「Triumph」又はこれを主要部とする商標を「女性用ファウンデーション、水着、ビーチウエア」等に使用して製造、販売するヨーロッパ最大のボディファッションメーカーであり、わが国においても、前記引用各商標を登録するとともに、昭和38年4月開催の第5回東京見本市に参加し(甲第13号証の1、2)、翌39年末より、全国の有名デパート、大手チェーンストア等を通じ各種ファウンデーション、水着、ビーチウエア等の販売を開始する一方、新聞、雑誌等において積極的に宣伝広告活動(甲第14号証の1ないし7及び同第15号証の1ないし13[新聞広告]、同第16号証及び同第17号証[宣伝広告実績表]、同第18号証[日本商標名鑑’84])を行ってきたものであることを認めることができる。

以上の事実によれば、引用商標は、本件商標の出願前には、既に申立人の業務に係る商品の商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものであり、引用商標の著名性については商標権者も意見書において認めているところである。

(2)商標権者は、「本件商標は、『IN』の文字部分と『TRIUMPH』の文字部分とを分断する理由は全くなく、全体として一体の商標として理解・認識されるべきものであるから、引用商標とその商品の出所について混同を生ずるおそれはない。」旨主張している。

しかしながら、取消理由通知においても述べたとおり、本件商標「INTRIUMPH」を構成する第3文字目以降の文字部分である「TRIUMPH」は、引用商標を構成する文字「Triumph」と同一のアルファベット文字の綴りよりなるものであること、本件商標の該文字部分が全て大文字(ゴシック体)からなるのに対して、引用商標は頭文字を大文字で表し、第2文字目以下を小文字(筆記体の商標もある)で表したところに差異を有するにすぎないものであること、本件商標は、全体として、特定の意味合いを有する語句として知られ親しまれているものではないこと、そして、「Triumph」の語は、「勝利」等の語義を有する成語ではあるが、日常一般に使用されている語でもなく、又、商標として採択され易いという実情にもなく、専ら、申立人の業務に係る前記商品の商標として広く認識されているものであることからすれば、本件商標が「IN」の文字部分と「TRIUMPH」の文字部分との間に外観上、称呼上あるいは観念上の分断理由があるか否かということにかかわらず、商標権者が本件商標をその指定商品について使用するときには、いずれも同じ被服の概念に属する商品であることとも相俟って、これに接する取引者・需要者は、著名な「Triumph」の商標と同じ綴りの文字である「TRIUMPH」の文字部分に注意を惹かれ、容易に著名な引用商標を想起し、これが申立人又は申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

なお、商標権者は、取消理由中の誤記について言及しているが、引用商標の態様等については登録異議申立書(副本)の記載から知り得るところであるから、誤記部分については上記3(登録取消理由の通知)及び別紙のとおりに訂正する。

結論

したがって、本件商標は、商標法第4条1項第15号の規定に違反してされたものであるから、本件登録異議申立ては理由あるものとし、その登録を取り消すべきである。

よって結論のとおり決定する。

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