sokuhyo

Trademark Appeal Case

「お守り」の観念と品質誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2004−89089(T2004−89089/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4256112号商標(以下、「本件商標」という。)は、「勝ちぬき守」の文字を縦書きしてなり、平成9年11月11日に登録出願、第20類「葬祭用具,うちわ,せんす,額縁,つい立て,びょうぶ,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),旗ざお」及び第21類「貯金箱(金属製のものを除く。),ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴,香炉 ,お守り」を指定商品として、同11年3月26日に設定登録されたものであるが、第20類の指定商品中「葬祭用具」についての登録は、同17年1月28日の審決により取り消され、その確定の登録が同年4月6日になされているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。

1 請求の理由

(1)本件商標は、わずかに5文字で構成されており、例えば、「勝ちぬき」の部分と「守」の部分に分離して認識されるものでなく、一連に「勝ちぬき守」とのみ認識されるものである。

(2)本件商標は、その構成中に「守」の文字を有しており、この「守」の文字は、「まもる」又は「もり」などの読みを生じ、「まもる:保持する。保護する。」又は「まもり:備え。防備」などの意味の他に、「まもり:神仏のお守り札」という意味を有するものである(甲第2号証)。

(3)広辞苑では、「守」を、「かみ」と称呼した場合の例として「→かみ(長官)」と掲載されているが、「まもり」を検索すると、「守り」として「守」の文字を用い、神仏の「お守り」の意味を生じることが記載されている。

(4)以上のことから、「守」の文字は、「お守り」の意味を観念することは明らかであり、現実に神社・仏閣の社頭や授与所においては「お守り」を示すのに、「御守」、「御守護」などと表示し、現実の「お守り」には、例えば「交通安全守」、「合格守」、「安全守」、「勝守」の如く「守」と通常用いられているところである。

このことは、他のお守り業者の商品カタログやパンフレット等を見ても、その製造・販売する商品「お守り」に、「御守」、「守」と普通に用いられているものである。

したがって、本件商標中の「守」の文字が、「おまもり(お守り)」を表示するものであることは明らかである。

2 答弁に対する弁駁

(1)本件商標の観念については、被請求人の主張のような「勝ち抜いて、かつ守る」という観念を生ずることはない。

その証拠に、特許庁は、請求人が「勝抜き」の文字よりなる商願2004一28771号及び商願2004−28772号を出願したところ、これに対して本件商標を引用とする拒絶理由通知を送付してきた。すなわち、特許庁においても、本件商標の要部は「勝ちぬき」部分にあるのであって、「勝ちぬき」同様「守」にもあるとはみていないものである。

(2)「お守り」や「お守り袋」を製造、販売している業者は、数多く、例えば、甲第4号証ないし甲第8号証の「お守り業者」のカタログ中の、「子供守」「交通安全守」「錦角守」「鉛筆守」「勝守」「見代鈴守」「吊し車型守」など多く、全て商品「お守り」の意味を表すものとして「守」の語を使用しており、この事実からして、一般取引者、需要者においても、「守」の文字が商品「お守り」を表示するものであると、ごく普通に認識されているものである。

したがって、本件商標は、その構成中の「守」の文字が、「おまもり(お守り)」を表示するものであることは明らかであるから、これを「お守り」以外の商品に使用すれば、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。

3 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当し、同法第46条第1項第1号により無効にされるべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べた。

1 本件商標は、「勝ちぬき守」の文字からなり、称呼は「カチヌキマモリ」、観念は「勝ちぬいて、かつ守る」ことであり、全体が一体として呼称、観念されるものである。

請求人は、本件商標の構成中の「守」の語をとらえて種々述べているが、本件商標は一体不可分であり、「守」の語を取り出して観察することは極めて不自然である。

したがって、「守」の語が「お守り」を意味するという前提に立った請求人の主張は、理由のないものである。

2 以上の理由により、本件商標を「お守り」以外の指定商品に使用した場合、需要者がその商品を「お守り」と誤認することはなく、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。

第4 当審の判断

本件商標は「勝ちぬき守」の文字を縦一連に書してなるところ、その構成中の「勝ちぬき」の文字は、「勝抜き」の語に通じ、「負けるまで何人でも相手を変えて勝負すること。」(広辞苑 第5版)の意味を有するする語であり、また、「守」の語は、「かみ→長官、律令制の四等官の最上の官」(広辞苑 第5版)の意味を有するする語である。

また、送り仮名を付した「守り」の語は、「まもること、守り袋または守り札の略、おまもり」(広辞苑 第5版)の意味を有し、「御守り」又は「お守り」は、「守り札、主に寺社が出す守り札」(広辞苑 第5版、岩波国語辞典 第5版)の意味を有するする語である。

そして、本件商標は、上記とおりの構成よりなるところ、構成各文字は同じ大きさ、同じ間隔でまとまりよく構成されており、これより生ずるものと認められる「カチヌキノカミ」、「カチヌキマモリ」及び「カチヌキモリ」の称呼も、格別冗長ではなく、淀みなく一気一連に称呼し得るものである

加えて、本件商標中の「守」の語は、上記したとおり、「お守り」のみを意味する語ではないという事実からみて、本件商標に接する取引者、需要者は、構成中の「守」の文字部分から、直ちに「お守り」のみを認識するとはいい難いものである。

そうとすれば、本件商標は、特定の意味合いを直ちに認識し得ない一連の造語というべきであるから、これをその指定商品中の「お守り」以外の商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものとはいえないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、その登録を無効とすべきではない。

なお、請求人は、請求人の登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとの拒絶理由をもって、本件商標の要部は「勝ちぬき」の部分にあり、「勝ちぬき」同様に「守」にもある旨主張しているが、上記のとおりであるから、この点の請求人の主張は、採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。