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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「称呼の類否と語頭音の差異」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2004−1954(T2004−1954/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2004−1954(T2004−1954/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
称呼の類否と語頭音の差異
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2004−1954(T2004−1954/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の類否と語頭音の差異」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「D.A.P.Dog Appeasing Pheromone」の欧文字と「ディーエーピー ドッグ アピージング フェロモン」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年7月18日に登録出願されたものであるが、指定商品については、同15年7月22日付け手続補正書により、第5類「フェロモンを利用した犬用鎮静剤」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第1727233号商標(以下「引用1商標」という。)は、「DAB」の欧文字を横書きしてなり、第1類「薬剤」を指定商品として、昭和44年4月19日に登録出願され、同59年10月31日に設定登録されたものであるが、その後、2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、第5類「薬剤」とする指定商品の書換登録が平成16年11月10日になされて、現に有効に存続しているものである。

同じく、登録第3295229号商標(以下「引用2商標」という。)は、「TAP」の欧文字を横書きしてなり、第1類「化学品,植物成長調整剤類」を指定商品として、平成6年7月14日に登録出願され、同9年4月25日に設定登録されたものである。

同じく、登録第3295231号商標(以下「引用3商標」という。)は、「TAP」の欧文字を横書きしてなり、第5類「薬剤,歯科用材料,ばんそうこう,包帯」を指定商品として、平成6年7月14日に登録出願され、同9年4月25日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

当審において、商標登録出願人名義変更届が提出された結果、本願商標の請求人(出願人)は、引用1商標の商標権者と同一人になったものである。

次に、本願商標と引用2及び3商標との類否についてみるに、本願商標は、「D.A.P.Dog Appeasing Pheromone」の欧文字と「ディーエーピー ドッグ アピージング フェロモン」の片仮名文字よりなるところ、下段の片仮名文字は、上段の欧文字の読みを表したものと容易に理解できるものである。そして、本願商標の構成中、上段後半の「Dog Appeasing Pheromone」の文字部分は、「Dog」の文字が「犬」を、「Appeasing」の文字が「鎮める、和らげる」を、「Pheromon」の文字が「動物の体内から分泌・放出されて、同種の他の個体の行動や生理状態に影響を与える物質の総称。フェロモン」をそれぞれ意味する語であり、当該文字部分は、全体としても「犬の鎮静フェロモン」ほどの意味合いを容易に認識させるものであることからすると、本願の指定商品である「フェロモンを利用した犬用鎮静剤」との関係においては、商品の品質、原材料、用途を表示したものと理解される場合もあることから、本願商標に接する取引者、需要者が、その構成中、上段前半の「D.A.P.」の文字部分を自他商品の識別標識として認識し、該文字部分より生ずる「ディーエーピー」の称呼をもって、取引に資される場合も決して少なくないとみるのが相当である。そして、「D.A.P.」の文字は、何ら特定の意味合いを看取させるものではないから、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。

一方、引用2及び3商標は、「TAP」の文字よりなるから、これよりは、「ティーエーピー」及び「タップ」の称呼を生ずるとみるのが相当である。そして、該文字は、「軽くたたく、蛇口」等の意味を有する英語であるから、「軽くたたく、蛇口」の観念を生ずるものである。

そこで、本願商標より生ずる「ディーエーピー」の称呼と引用2及び3商標より生ずる「ティーエーピー」の称呼を比較すると、両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭において、濁音「デ」(有声歯茎破裂音)と清音「テ」(無声歯茎破裂音)に差異を有すること、本願商標の構成中「D.A.P.」の文字部分及び引用商標「TAP」は、欧文字3文字よりなるもであって、その発音に際しては、1文字1文字を区切って明確に発音されるのが常といえることから、かかる発音上の実情と前述の音の差異とを勘案すれば、該差異音が称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず、それぞれを一連に称呼する場合には、語調、語感が異なり、互いに相紛れるおそれはないものというべきである。

また、本願商標と引用2及び3商標の構成は、前記のとおりであるから、外観においては相紛れるおそれはなく、さらに、本願商標は、特定の意味を有しない造語よりなるものであるから、観念について比較することはできない。

してみれば、本願商標と引用2及び3商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても非類似の商標と認められるものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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