Trademark Appeal Case
資格名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−16482(T2003−16482/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「販売士」の文字を標準文字で書してなり、第16類、第35類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成14年8月13日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、当審における平成15年8月27日受付手続補正書により、第41類「インターネットを利用した検定試験に関する情報の提供」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『販売に関する専門知識・技能を有する者』としか認識できない『販売士』の文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、これを本願指定役務中の『インターネットを利用した検定試験に関する情報の提供』に使用するときは、これが『販売士になるための検定試験に関する情報の提供』であること、即ち、役務の質、内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおりの構成よりなるところ、その構成中「販売」の文字は「売りさばくこと、あきなうこと」の意味を有し、また、これに続く「士」の文字は、「一定の資格・役割を持った者」を表す語として、一般に知られているものであるから、その構成全体は「販売に関する専門知識・技能を習得した者に与えられる資格」の名称の一つとして看取されることは自然なことである。
しかして、小売り・流通業界における資格の一つに「販売士」があるところ、この資格の名称は、昭和48年に施行された「中小小売商業振興法」の「振興指針」を受け、中小小売商業の従業者の資質向上と消費者サービスの向上を目的として、通商産業省・中小企業庁の所管のもとに、日本商工会議所及び全国商工連合会が共同で創設した「小売商(販売士)検定試験制度」に基づくものであって、当該資格認定試験に合格した者に与えられる資格の名称であることは、請求人提出の参考資料1及び2及びインターネット等の情報からうかがい知ることができる。
そして、その資格認定試験は、昭和49年に第1回「小売商(販売士)検定試験」が実施されて以来、通称「販売士検定」として行われ、平成14年度からは「販売士検定試験」に試験の名称が変更された後、現在にいたるまで、30年以上の長きにわたり継続しているものであり、「販売士検定試験」の合格者に与えられる「販売士」の資格は、小売り・流通業界唯一の公的資格としてその名称は広く知られているところである。
ところで、就職・転職等の有利性や、技術能力の向上を目指して、国家・公的・民間を問わず各種資格の取得が注目されている現在、その資格取得に関して、たとえばインターネット上では検定試験・認定試験等の試験概要、解答速報、スクール・講座・セミナーの情報、教材、受験体験記の紹介等、資格取得に関する総合情報サイトが多数公開されている実情がある。
そして、一般的に本願商標の指定役務「インターネットを利用した検定試験に関する情報の提供」の役務が提供されるインターネット上の情報サイト等においては、受験する検定試験の名称や当該試験によって取得可能な資格の名称などを冠して、その提供される情報の内容の表示とすることがしばしば行われていることは知られているところであって、実際に、需要者は、自分が取得したい資格の名称や受験しようとする検定試験の名称をキーワードに情報を検索することによって、そこから資格取得や受験のために必要な情報を得ることが可能となっているのである。
このような状況の下、本願商標「販売士」を、その指定役務に使用した場合には、これに接する需要者は、「『販売士』の資格取得のための検定試験に関する情報の提供」を表示したもの、すなわち提供される情報の内容と理解し、結局、役務の内容、質の表示として認識するにとどまり、これをもって自他役務の識別標識とは認識し得なものというのが相当である。
また、上記以外の内容で行われる「インターネットを利用した検定試験に関する情報の提供」に使用するときには、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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