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Trademark Appeal Case

商標の型番使用の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−30697(T2004−30697/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3370453号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成6年6月6日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,レンズ用ガラス,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,遊園地用機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,火災報知機,盗難警報器,磁心,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,自動販売機,金銭登録機,硬貨の計数用または選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同10年10月16日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び参考資料1、参考資料2を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について、請求人の調査したところによれば、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)本件商標は、多少図案化されたアルファベット文字「K」と、同じく多少図案化された数字の「2」の下部を連続して表現してなるものである。

しかるところ、乙第1号証をみるに、文章中に「デジタルK2」という言葉が登場してくるが、これは、もはや本件商標ではない。つまり、「K2」が普通の書体で表現されているからである。

換言すれば、「デジタルK2」は、「デジタル方式のK2型式」の商品であるということを意味する使用であり、商標としての使用ではなく、型式、品番の意味で使用されているものである。

このことは、請求人が運動用具、被服、かばん類等について「K2」を出願したとき顕著性無しとして拒絶されたことがあり、それを図案化して登録化した経緯及び被請求人が使用態様の「K2」を第9類に出願(商願2002−050478)したとき、顕著性なしとして拒絶されている事実・事例を見ても明らかである。(参考資料1)

さらに、アルファベット文字1文字、2文字、3文字と数字の一桁、二桁、三桁などの組み合わせが、商品「DVDプレーヤー」などの型番として多数の電気製品の企業によって使用されているものである。(参考資料2)

ついで、乙第2号証ないし乙第8号証のいずれをみても、「K」と「2」は分離し、説明文章中の『当社独自の新技術「DVD−K2」を開発』と活字体でかかれているし、また、その内容や『「DVD−K2」は、「DVD−K2マスタリング」、「DVD−K2エンコーデイング」、「DVD−K2カッテイング」の各DVD制作プロセスの音質・画質向上技術の総称です。』という説明文からみても、商品の型式として使用されていると見られるものである。

(2)本件商標は、「K2」と認識されず、文字・数字の域を脱しているから顕著性を認められたのであれば、その認められた通り忠実に使用しなければ、登録商標の適正な使用とは目されないというべきである。

すなわち、被請求人は、本件商標を使用しているのではなく、「K2」を「DVDの型式」として使用しているにすぎないものである。

(3)そうであるとすれば、乙第1号証ないし乙第8号証は、本件商標が適法に使用されているとことを証明する証拠価値が存在しないものであるから、その登録は取り消されるべきである。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。

1 被請求人は、本件商標の通常使用権を被請求人の関連会社であるビクターエンタテインメント株式会社(以下「通常使用権者」という。)に許諾しており、通常使用権者は、本件商標を自己の録画済みビデオディスク(DVDビデオ)に、平成13年9月から使用開始して以来、現在においても使用している。

2 被請求人は、本件商標を被請求人が独自に開発した高画質・高音質技術の名称として、また、その技術により制作された録画済みビデオディスクの商標として採択したものである(乙第1号証及び乙第2号証)。

3 通常使用権者は、録画済みビデオディスクを含む音楽・映像ソフトの制作・販売会社とする企業で、被請求人が開発した上記高画質・高音質技術を採用した録画済みビデオディスクを平成13年9月21日(乙第3号証及び乙第4号証)、平成13年11月21日(乙第5号証及び乙第6号証)から発売し、同時に、当該商品への本件商標の使用を開始している。

4 当該商品は、通常使用権者からの受注により、被請求人が制作し、通常使用権者が販売するものであり、当該取引は、乙第7号証及び乙第8号証に示す受発注伝票から明らかなとおり、1991年以来現在に至るまで継続的に行われており、本件商標が、継続して過去3年間使用されている事実を立証するものである。

5 従って、本件商標は、通常使用権者により、本件商標を請求に係る指定商品中「録画済みビデオディスク」に、審判請求登録前3年以内に使用している。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出に係る乙第各号証に徴すれば、下記の事実が認められる。

(1)被請求人は、平成13年7月6日のPRESS INFORMATIONで、従来のDVD/オーディオ/ROMの音質・画質向上を実現する独自の「DVD−K2」という技術を開発し、この技術をDVD製作工程の各プロセスに導入し、「DVD−K2」版DVDビデオ/オーディオ/ROMディスクの受注を7月から開始すること、ビクターエンタテインメント(株)が、クラッシック・アーティスト村治佳織のDVDビデオソフトに同技術を導入して今秋発売予定であること等を公表した(乙第2号証)。

(2)ビクターエンタテインメント株式会社(以下「通常使用権者」という。)は、「フジ子・ヘミングウエイとウィーンの仲間たち」とタイトルされた商品「録画済みビデオディスク(DVDビデオ)」に、ディスク中央左側に別掲(2)のとおりの商標(以下「使用商標」という。)を付して、販売している。

そして、該商品には、商品番号と認められる「VIBC‐3」の記号が表示されている。(乙第3号証及び乙第4号証)。

同じく、「コントラステス〜マエストロ・ロドリーゴへのオマージュ」とタイトルされた商品「録画済みビデオディスク(DVDビデオ)」には、カバージャケット裏面の左下部分に使用商標が表示され、商品番号と認められる「VIBC‐7」の記号が表示されている(乙第5号証及び乙第6号証)。

(3)乙第7号証の2004年4月20日付注文書及び2004年4月28付出荷伝票によれば、ビクターエンタテインメント株式会社は、日本ビクター株式会社宛に、商品番号「VIBC‐3」、数量「200」を発注し、出荷している。

(4)乙第8号証の受注OD履歴一覧照会によれば、製品番号「VIBC 7」とする商品は、発注日の項に「01/10/30」〜「04/07/05」間に取引されたものと認められる日付が記載され、継続的に発注されている。

2 本件商標の使用について

本件商標は、別掲(1)のとおり、「K」の欧文字の左部分を太い縦線で表し、その中央部分から直角に細い二本の線を横に平行に引き出し、その先端を太線で上下に開口させた形状及び「2」の部分は縦線を太い線で、横線及び斜線部分を細い線を用いた形状からなり、「K」の右下部と「2」の左下部とを接続しモノグラム図形よりなるものである。

他方、被請求人の使用商標は、別掲(2)のとおり、「DVD」の文字と「K」の欧文字の左部分を太い縦線で表し、その中央部分から直角に細い二本の線を横に平行に引き出し、その先端を太線で上下に開口させた形状及び「2」の部分は縦線を太い線で、横線及び斜線部分を細い線を用いた特殊な構成態様よりなるものである。そして、その構成中「DVD」の文字は、被請求人の使用する商品「録画済みビデオディスク」の略語として普通一般に使用されているから、前記特殊な構成態様よりなる部分が被請求人の使用商標の自他商品の識別機能を有する部分であるとみるのが相当である。

そこで、本件商標と使用商標が社会通念上同一であるか否かについて検討するに、本件商標と使用商標とは、前記のとおり構成する「K」と「2」の文字自体が特殊な構成態様からなる点で共通し、「K」と「2」の下部が接続しモノグラム化しているか、僅かな間隔が有るかの差異を有するところ、該差異がそれぞれの構成全体の印象にそれほど大きい影響を及ぼすとはいえないものである。しかも、乙第3号証及び乙第5号証のDVDに表示された使用商標は、本件商標と極めて酷似する構成態様からなり、「K」の右端部分と「2」の左端部分は、接触しているかどうか見分けが付かないほどであって、この程度の差異は微差に止まり、外観において同一視されるから、両者は社会通念上同一のものとみるのが相当である。

なお、請求人は、乙1号証の文章中に「デジタルK2」の言葉が登場するが、「K2」は普通の書体で表されているから本件商標の使用ではなく、また、「K2」を「DVDの型式」として使用しているにすぎないものである旨主張しているが、乙1号証は、被請求人が高音質・高画質のDVDソフト制作技術を開発したことに関する新聞記事であり、通常掲載記事中には活字体を用いて表示されるのが一般的であるから、これをもって商品の品番、形式を表示するための記号、符号にすぎないということは出来ない。

また、請求人は、乙第2号証ないし乙第8号証のいずれをみても、商品

の型式として使用されていると見みられるものである旨主張するが、被請求人が独自で開発した技術について、「DVD−K2マスタリング」、「DVD−K2エンコーデイング」、「DVD−K2カッテイング」の各DVD制作プロセスの音質・画質向上技術の総称して「DVD−K2」と称している事実は認められるが、該技術を導入した商品「DVD」について通常使用権者が使用商標を付して制作・販売しているものであって、かつ、使用商標自体が十分に商品の品質保証又は出所表示機能を発揮させるものであるから、請求人のこの点についての主張は採用できない。

さらに、請求人は、自身が運動用具、被服、かばん類等について「K2」を出願したとき顕著性無しとして拒絶されたことがあること、被請求人が使用態様の「K2」を第9類に出願(商願2002−050478)したところ、顕著性なしとして拒絶されている事実があること、アルファベット文字1文字、2文字、3文字と数字の一桁、二桁、三桁などの組み合わせが、商品「DVDプレーヤー」などの型番として多数の電気製品の企業によって使用されていること及び本件商標が、「K2」と認識されず、文字・数字の域を脱しているから顕著性を認められたのであれば、その認められた通り忠実に使用しなければ、登録商標の適正な使用とは目されないというべきである旨を主張するが、使用商標は、自他商品の識別機能を有するものであって、本件商標と社会通念上同一のものとみるのが相当であること前記のとおりであるから、請求人のこの点についての主張は採用できない。

3 結語

以上、被請求人の提出した乙第各号証よりは、前記1の(1)ないし(3)の使用事実が認められ、本件商標は、被請求人(商標権者)の通常使用権者により、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品中「録画済みビデオディスク」について、使用されていたものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきではない。

よって、結論のとおり審決する。

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