結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−31513(T2004−31513/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1152916号商標(以下「本件商標」という。)は、「スト ラト」の文字と「ST−RAT」の文字とを二段に書してなり、昭和47年4月3日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同50年9月11日に設定登録されたものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、その指定商品中「被服」について商標権者、専用使用権者若しくは通常使用権者によって使用されている事実を見出すことができない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「被服」について商標法第50条第1項の規定により取り消されて然るべきものである。
被請求人は、「本件審判の請求は認められない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において本件商標の商標権者である伊藤忠商事株式会社(以下、「伊藤忠」という。)によって、T−シャツ等の被服について使用されている。
(ア)乙第1号証は、実際に日本国内で販売されているT−シャツの写真である。
同T−シャツに付いている紙製タグ(乙第1号証−2)から、このT−シャツ(製品No.7613)は伊藤忠が中国において製造したもので、日本において1900円で販売されていることがわかる。また、乙第1号証−1から明らかなように、T−シャツの(a)右肩部分にピスネーム「St−RAT」(b)襟元の下げ札・織りネーム及び左下部分にピスネーム「St−」「RAT」(二段表示)商標が付されている。
さらに、上記T−シャツの仕様書写(乙第2号証)には、「BRAND NAME」として(c)「ST−RAT」と記されている。なお、乙第3号証は、本件商標のネーム・下げ札のデザイン案である。
上記(a)〜(c)の態様の各商標は、本件商標の英文字部分と構成文字を同一にし「ストラト」と自然にかつ容易に称呼し得る。したがって、上記(a)〜(c)の態様の各商標と本件商標とは、称呼を同一にし、社会通念上同一の商標といえる。
(イ)仕様書(乙第2号証)に示されるとおり、BRAND NAME「St−RAT」のT−シャツの製品No.は、上記写真中で表されたNo.7613に加え、No.7612、7614及び7615も対象である。
伊藤忠は、平成16年8月からこれらの対象製品No.のT−シャツ(以下「使用商品」という。)を中国から輸入し(乙第4号証ないし同第6号証)、千葉県千葉市所在のイオン株式会社(以下「イオン」という。)に販売している(乙第7号証及び同第8号証)。
伊藤忠は、上記仕様書(乙第2号証)に基づき、使用商品の製造を中国の会社に依頼し、使用商品が平成16年8月に実際に輸入され(乙第4号証ないし同第6号証)、イオンに販売された(乙第7号証)。
すなわち、イオンに販売したことを示す乙第7号証−1から、2004年8月25日頃に伊藤忠の使用商品の製品No.7612〜7615が、それぞれ4388枚、4330枚、4343枚、4354枚、イオンに納入されたことがわかる。また、乙第7号証−2から、2004年8月31日頃に、伊藤忠の使用商品の製品No.7612〜7615がそれぞれ16枚、イオンに納入されたことがわかる。
乙8号証から、イオンはそのジャスコにおいて使用商品を販売していることがわかる。
(3)以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において本件商標の商標権者である伊藤忠によって、使用商品等の被服について使用されているのであるから、請求人の主張は理由がないものである。
被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
被請求人である伊藤忠は、使用商品であるT−シャツを中国で製造し日本国内で販売している。そして、そのT−シャツには、3か所に「St−RAT」の文字からなる商標又は「St−」と「RAT」の両文字を二段に表した商標が表示されている(乙第1号証、枝番を含む。枝番の付されたものについては以下同じ。)。そして、仕様書(乙第2号証)には、「ITEM」欄に「プリントTシャツ」と、「BRAND NAME」欄に「ST−RAT」と記載され、これに添付された「St−RAT LOGO DESIGN−B」と記載された書類には、上記乙第1号証で示した商標が表示されていること。
また、2004年8月10日付けインボイス、輸入許可通知書、保険料請求書(乙第4号証ないし同第6号証)によれば、請求人は、中国において製造された商品(No7612〜7615)を平成16年8月に船便で我が国に輸入したこと。
さらに、法人別売り上げ報告書(乙第7号証及び同第8号証)によれば、輸入した商品(No7612〜7615)は、イオンに譲渡され、イオンでは、販売店のジャスコで販売したこと。
そして、平成17年1月25日付け、イオン 上杉隆行の商標使用証明書(乙第7号証及び同第8号証)によれば、イオンは、「St−RAT」の文字及び「St−」と「RAT」の両文字を二段に表した折りネーム及び商品タグを縫いつけあるいは付された商品を、平成16年8月21日から同年10月31日まで販売したこと。
上記事実により、伊藤忠が平成16年8月に中国から輸入し、我が国で販売した使用商品には、「St−RAT」の文字からなる商標及び「St−」と「RAT」の両文字を二段に表した商標(以下、これらを一括して「使用商標」という。)が表示されていることが認められる。
次に、本件商標と使用商標とが社会通念上同一と認められるか否かについて判断する。
商標法第50条で規定するところの「登録商標の使用」とは、その請求に係る指定商品についての登録商標(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生じる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)ほか、同一と認められる範囲(例えば、商標の要部でない附記的な部分を多少変更して用いるとか、横書きの文字部分を縦書きにして用いるとかの場合)にあると解される。
そこで、これを本件についてみると、使用商標は、「St−RAT」の文字あるいは「St−」「RAT」の文字を二段に表したものであり、これらの構成文字全体に相応して「エスティーラット」の称呼を生じ、特定の観念を生じない一種の造語よりなると認められる。
これに対し、本件商標は、「スト ラト」及び「ST−RAT」の両文字よりなり、仮名文字部分は、欧文字の読みを特定すべく併記したとみて不自然なものではないから、これら両文字に相応して「ストラト」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じない一種の造語よりなると認められる。
そうすると、使用商標は、観念において本件商標と異同を比較できないものの、称呼において大きく異なるものであるから、使用商標における変更使用は、本件商標の識別性に大きな影響を与えるというべきであり、もはや登録商標の識別性に影響を与えない軽微な変更使用にとどまる範囲を逸脱しているといわなければならない。
してみれば、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標とは認めることはできない。
また、他に被請求人の提出に係る証拠には、本件商標と社会通念上同一と認め得る商標を使用したと認める事に足る証拠はない。
したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商標を請求に係る指定商品「被服」について使用した事実を証明していないから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定役務中「被服」について取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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