結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−31659(T2003−31659/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4298427号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成8年7月19日に登録出願され、第8類「かみそり刃,その他のかみそり,その他の手動利器(「刀剣」を除く。)」を指定商品として、同11年7月23日に設定登録されたものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消されるべきである。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
(ア)乙第1号証ないし同第7号証を詳細に検討してみても、使用されているのは「Gillette Machsyn3」若しくは「ジレット マッハシンスリー」又は「Gillette」若しくは「ジレット」のみであって、これらの使用が本件商標「GILLETTE MACH」と社会通念上同一の商標の使用といえないことは明らかである。
なお、被請求人は、かかる乙各号証に見られる「Gillette Machsyn3」の文字中、「『MACHSYN3』又は『MACH』の文字は、3枚刃システムを有するかみそりの商品又は、かみそりの商品を示す包括的表示を示すためのものであり、そして、これらの文字が商標自体の使用でないことは、乙号証カタログより徴して明らかである」などと主張するが、そもそもかかる主張の趣旨が不明である。
たとえ「MACHSYN3」又は「MACH」の文字が被請求人のいう包括的表示を示すためのものであっても、それが商標の使用でないことの根拠とならないことは明らかである。
また、被請求人は、「本件商標として、『GILLETTE』の文字が、・・・使用されていることは明らかである」と主張するが、本件商標は、あくまでも「GILLETTE」ではなく「GILLETTE MACH」であるから、「GILLETTE MACH」の使用が乙第1号証ないし同第7号証より認められない以上、たとえ「GILLETTE」が使用されていたとしても、本件商標の使用とならないことはいうまでもない。
(イ)次に、被請求人は乙第8号証ないし同第11号証を提出し、不使用について正当な理由があるから、本件商標は商標法第50条第2項の規定により取り消されるべきではないと主張する。
しかしながら、商標法第50条第2項にいう「正当な理由」とは、「その商標の使用をする予定の商品の生産の準備中に天災地変等によって工場等が損壊した結果その使用ができなかったような場合、時限立法によって一定期間(三年以上)その商標の使用が禁止されたような場合」をいうと解されており(特許庁編:工業所有権法逐条解説)、被請求人が主張するような「契約交渉中であるから、本件商標の使用を保留してきた」ことは、かかる場合に当てはまらないことは明らかである。
また、そもそも被請求人と請求人が交渉していたのは、請求人が有する登録商標「マッハスリー/MACH3」、「マッハ」、「マッハ3」についての被請求人への使用許諾についてであって、本件商標に関しての交渉ではない。本件審判で問題となっているのは、あくまでも被請求人の登録商標「GILLETTE MACH」の過去3年間の不使用についてであって、両者は全く別次元の問題であり、両者を混同すべきではない。
したがって、本件商標の不使用の正当な理由を、請求人の有する全く別の登録商標についての使用許諾交渉であるとする被請求人の主張は、両者を混同した、筋違いの主張であるといわざるを得ない。
なお、被請求人は「1998年7月より、現在に至るまで、その交渉が続いている」と主張するが、交渉は継続して行われていたものではない。現実には、1回目の交渉から2回目の交渉までは約2年半の期間、2回目から3回目の交渉までは約2年の期間があり、被請求人が主張するように1998年7月より現在まで、交渉が継続して続いていたというわけではない。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第11号証を提出した。
(1)本件商標は、その取消審判請求の予告登録日である平成15年12月10日のはるか以前より現在に至るまで継続して被請求人の日本国における子会社である横浜市西区所在のジレット ジャパン インク(以下「被請求人の子会社」という。)により、その指定商品中「かみそり刃及びかみそり」について使用されているから、取り消されるべきではない。
被請求人は、本件商標の使用の事実を立証するために、1998年10月23日付け製作のかみそりの包装箱(乙第1号証)及び1999年ないし2004年のジレット製品総合カタログ(乙第2号証ないし同第7号証)を提出する。
上記かみそりの包装箱(乙第1号証)及びジレット製品総合カタログ(乙第2号証ないし同第7号証)は、すべて被請求人の子会社により製作され現に使用されている。
しかして、上記かみそりの包装箱(乙第1号証)には「GILLETTE」の文字が「MACHSYN3」の文字と結合されて使用されているけれども、該文字のすぐ下に「新次元3枚刃システム。より早く、より優しく、究極の深剃りを実現。3枚刃の最先端テクノロジー。それぞれの刃が理想的なアングルで徐々にひげをとらえるので、1度に根元からしっかりと剃れます。何度も同じ箇所を剃り直さずにすむから、肌荒れを最小限に抑えます。」という記述があり、さらに、2002年のジレット製品総合カタログ(乙第5号証)には、「マッハシンスリーのテクノロジーはそのままに、価格を抑えたエントリーモデルを新発売」という記述があり、該記述のすぐ右下には「段階的に配列された3枚刃。3枚の刃を段階的に配列し、つねに理想的なアングルで徐々にひげをキャッチ。根元からしっかりと深剃りします。」という記述があり、他のジレット製品総合カタログ(乙第2号証、同第3号証、同第4号証、同第6号証及び同第7号証)にも、すべて前記と同じ趣旨の記述がある。
そこで、上記「GILLETTE MACHSYN3」の接尾語「MACHSYN3」は、乙号証カタログより明らかなとおり、「3枚刃システムを有するかみそり」の商品を表示するために使用されているものである。さらに、カタログ中には、GII、ACTAS、カスタムプラス、SENSOR、PLUS等の文字をそれぞれの商品かみそりを表示するものとして用いており、このように「MACH」の文字は上記「SYN3」を包含するかみそりの幅広い包括概念として用いているものである。
したがって、「MACHSYN3」又は「MACH」の文字は、3枚刃システムを有するかみそりの商品又はかみそりの商品を示す包括的表示を示すためのものであり、そして、これらの文字が商標自体の使用でないことは、乙号証カタログより徴して明らかである。
そして、本件商標として、「GILLETTE」の文字が、被請求人の子会社により、かみそり刃及びかみそりにその取消審判請求の予告登録日のはるか以前より現在に至るまで使用されていることは、乙第1号証ないし同第7号証より明らかである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきではない。
(2)仮に、本件商標の使用が認められないとしても、被請求人には、その不使用について正当な理由があるから、本件商標の登録は、取り消されるべきではない。
被請求人は、その不使用の正当な理由を立証するために、(1)1998年7月6日に株式会社資生堂(請求人)よりザ ジレット コンパニー(被請求人)にあてられた書簡の写し(乙第8号証)、(2)2003年7月29日に被請求人より請求人にあてられた書簡の写し(乙第9号証)、(3)2003年11月21日に被請求人より請求人にあてられた書簡の写し(乙第10号証)及び(4)2003年12月15日に請求人より被請求人にあてられた書簡の写し(乙第11号証)を提出する。
上記書簡(乙第8号証ないし同第11号証)より明らかなとおり、請求人と被請求人との間において、「GILLETTE MACH3」の使用について、共存契約を締結しようとして、1998年7月より、現在に至るまで、その交渉が続いている。
したがって、被請求人は、請求人との間にその共存契約交渉が依然続いているために、本件商標の使用を現在まで保留してきたものである。これは、契約交渉中にある当事者として、契約交渉が完結するまで、本件商標の使用を保留するのが常識であり、信義にかなうものといわなければならない。したがって、被請求人には、本件商標の不使用について正当な理由があるといわなければならない。一方、請求人が、その共存契約の交渉中にもかかわらず、突如として、その取消審判を提起した行為は、契約締結上信義に反するものといわなければならない。
したがって、被請求人には、本件商標の不使用には正当な理由があるから、本件商標の登録は、商標法第50条第2項の規定に基づいて、取り消されるべきではない。
(1)本件商標は、別掲のとおり「GILLETTE」と「MACH」の両文字が半文字程度の間隔をもって一体に表されていて、両文字間には軽重の差はなく、これら両文字が一体となって識別標識としての機能を果たすものといえるところ、被請求人は、被請求人の子会社が本件商標を使用しているとして乙第1号証(商品の包装箱)及び乙第2号証ないし同第7号証(1999年ないし2004年のジレット製品総合カタログ)を提出するので、以下検討する。
被請求人の提出に係る証拠によれば、請求人の子会社は、かみそりの刃及びかみそりについて、「Gillette」、「ジレット」、「Gillette Machsyn3」、「ジレットマッハシンスリー」及び「Machsyn3」の各商標を使用していることが認められる。しかしながら、これらの商標は、いずれも本件商標とは構成文字が異なるものであるから、これらの商標が、本件商標と社会通念上同一のものであるとは認められない。
被請求人は、「MACHSYN3」又は「MACH」の文字は、3枚刃システムを有するかみそりの商品又は、かみそりの商品を示す包括的表示を示すためのものであり、そして、これらの文字が商標自体の使用でないことは、乙号証カタログより徴して明らかであり、本件商標として「GILLETTE」の文字が使用されている旨主張する。
しかしながら、本件商標を構成する「GILLETTE MACH」の文字は、その全体をもって識別標識として機能を果たすものといえること前記のとおりであるから、被請求人の主張するように、本件商標として「GILLETTE」の文字が使用されているというためには、使用商標「GILLETTE」が本件商標と社会通念上同一のものと認識させる特別の事情を明らかにする必要があるというべきである。ところが、上記特別の事情は、上記主張を含む答弁の全趣旨及び提出された全証拠を検討しても認めることができないから、被請求人の主張は採用しない。
その他、本件商標が請求に係る指定商品に使用されていると認め得る証拠はない。
(2)被請求人は、仮に、本件商標の使用が認められないとしても、被請求人には、その不使用について正当な理由があると主張し、その理由として「請求人と被請求人との間において、『GILLETTE MACH3』の使用について、共存契約を締結しようとして、1998年7月より、現在に至るまで、その交渉が続いており、被請求人は、本件商標の使用を現在まで保留してきたものである。請求人が、交渉中にもかかわらず、突如として、その取消審判を提起した行為は、契約締結上信義に反するものといわなければならない」と述べる。
しかしながら、その理由とするところは、被請求人と請求人間において「GILLETTE MACH3」の使用について交渉中であるため、被請求人が本件商標の使用を留保していたというにすぎないから、被請求人の使用を留保した理由が上記主張のとおりであるとしても、それが被請求人の責めに帰すことのできない事由に基づくものであるとか、請求人による本件商標の不使用取消審判の請求が信義に反する行為であるということは到底できず、このような事実関係から、被請求人に、使用しないことについて商標法第50条第2項ただし書所定の「正当な理由」があったものと認めることはできない。
(3)したがって、提出された証拠によっては、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が本件商標を請求に係る指定商品について使用した事実を証明したものとは認められず、かつ、使用しないことについて正当な理由があったものとも認められないから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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