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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第6号「eの型式表示性と識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2002−19583(T2002−19583/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2002−19583(T2002−19583/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
eの型式表示性と識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第6号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2002−19583(T2002−19583/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第6号への該当性が争われた事例です。主な争点は「eの型式表示性と識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「e−コンクリート」の文字を書してなり、第19類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成13年7月16日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成14年8月22日付けの手続補正書により、第19類「建築用又は構築用の非金属鉱物,陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立セット(金属製のものを除く。),セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス,建具(金属製のものを除く。),鉱物性基礎材料,タール及びピッチ類,可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),人工漁礁(金属製のものを除く。),セメント製品製造用型枠(金属製のものを除く。),吹付け塗装用ブース(金属製のものを除く。),養鶏用かご(金属製のものを除く。),区画表示帯,土砂崩壊防止用植生板,窓口風防通話板,道路標識及び航路標識(金属製又は発光式のものを除く。),貯蔵槽類(金属製又はプラスチック製のものを除く。),ビット及びボラード(金属製のものを除く。),石製彫刻,石製郵便受け,コンクリート彫刻,大理石製彫刻,灯ろう,墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。)」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、商品の品番・型式等を表すための記号・符号として一般に採択・使用されている欧文字1字の類型と認める『e』と、商品の関係上、『コンクリート製の製品』を看取させる『コンクリート』の結合で『eーコンクリート』の文字を表示してなるところ、その指定商品中の『コンクリート製品』等に使用した場合、例えば『(型式等が)e型のコンクリート製品』等の如くに、該商品の一を表したと容易に把握され、商品の品質を強調したにすぎないと理解するに止まり、自他商品の識別力を発揮するとは言い難く、取引者・需要者をして、何人の業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用する場合、商品の品質に誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、「e−コンクリート」の文字を書してなるところ、これは全体として特定の意味合いを表す語とは認められないものであり、また、ハイフンによって前後の語を明確に区別していることは視覚的に明らかであるから、かかる構成にあっては、欧文字の1字「e」と「コンクリート」の片仮名文字をハイフンをもって結合してなるものとして看取されるとみるのが相当である。

ところで、産業機械関連の業界をはじめ各種分野に携わる事業者は、それぞれに自己の製造、販売に係る各種製品について、その製品管理又は取引上の便利性から、ローマ文字1文字ないし2文字又はこれらと文字や数字とをハイフンで結合させた語を当該商品の製品名、型式等を表すための記号又は符号として商取引上類型的に採択・使用している実情がある。

そして、これは本願の指定商品を取り扱う業界においても例外ではない(例えば、(イ)日動機材株式会社のホームページにおいて、平型十字ブロックについて、「所用材料表」の項に「A型、B型、C型、D型、E型」の記載がある(http://nichidokizai.co.jp/catalog/jyuji/)。(ロ)興國コンクリート株式会社のホームページにおいて、マンホール各種呼び名「A形、B形、E形」の記載がある(http://www.shikoku.ne.jp/koukoku/home20/home21/home216/index2162.html)。(ハ)(資)山内コンクリートブロックのホームページにおいて、積みブロックの製品名の項に「A型、B型、C型、D型、E型」の記載がある(http://www.cosmos.ne.jp/~yama-cb/syuuhin-tumiblock.htm)。(ニ)株式会社ハネックスのホームページにおいて、「ヒューム管、E形推進管」の記載がある(http://www.shikoku.ne.jp/koukoku/home20/home21/home216/index2162.html)。(ホ)幸栄産業株式会社のホームページにおいて、「テンネンブロック(スプリットンブロック)◆製品型式 A型、B型、C型、D型、E型」の記載がある。(http://www.koueisangyou.co.jp/html/product_tennen1.html)(ヘ)大日コンクリート工業株式会社のホームページにおいて、「規格(マンホール)型式 A−1型、A−3型・・・」の記載がある(http://www.dainichi-x.co.jp/service/ground.html)。このように、ローマ文字の1文字やこれにアラビア数字をハイフンを介して組み合わせるなどして、商品の種別、規格又は型式を表すための記号・符号表示として、取引上普通に用いられている状況が認められる。)。

また、本願商標の構成中「コンクリート」の文字は、「セメント、水、細骨材、粗骨材及び必要に応じて混和材料を混ぜて一体化したもの」を意味する語として、我が国において一般に良く知られた語であるところ、本願の指定商品中「セメント及びその製品」の概念には、セメントの基礎製品(管、柱等)が含まれており、これには単なるセメントのみではなく、コンクリート製のセメントを主体とした商品も含まれるものであるから(特許庁商標課編 商品及び役務区分解説〔国際分類第8版対応〕)、これをその指定商品中のコンクリート製のセメントを主体とした商品に使用しても、商品の品質又は材質的な意味合いを認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能が無いか、極めて弱いものと判断するのが相当である。

そうとすれば、本願商標をその指定商品中のコンクリート製のセメントを主体とした商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、その語頭部分の「e」は、コンクリート製品の型式・型番等を示したものであるかのように考え、ありふれた商品の記号、符号の一つとして認識するというのが自然であり、本願商標は、商品の記号、符号と認識される欧文字1文字の「e」と、商品の品質、材質的意味合いを想起させ、識別標識としての機能が無いか、極めて弱いものと認められる「コンクリート」の文字を、ありふれた記号である「−(ハイフン)」を介して一連に書したものであり、全体としても構成上識別標識としての顕著な特徴を有するともいえないものである。

以上のことからすれば、本願商標は、これをその指定商品中のコンクリート製のセメントを主体とする商品(例えば、コンクリート管、コンクリート柱、コンクリートブロック、コンクリートくい、コンクリート製舗道板等)に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標につき、商品の材質及び製品の型番ないし型式等として他の商品と区別するために用いられる標識であると認識するにすぎず、本願商標が何人かの特定の業務に係るものであるとは認識し得ないというべきであり、これを「コンクリート製品」以外の商品に使用したときは商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるといわざるを得ないものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

なお、請求人(出願人)は、(1)「コンクリート」は、本願の指定商品そのものではないから、例えば商品「コンクリート管」に「e‐コンクリート」と表示した場合にも、商品の品質を表すことはなく、例えば商品「あんパン」に、商標「e−あん」を付しても、商品「あんパン」の品質を強調したことにならないのと同様のことである。(2)本願商標は「コンクリート」の語単独ではなく、「e―コンクリート」であって、語頭に「e」及び「−」が存在する。これを称呼でみると、「イイコンクリート」となり、「良いコンクリート」の意味合いをも看取させるものであって、語頭の「e」及び「−」は単なる記号以上の意味を有するものである旨述べているが、本願商標は、先に述べたとおり、外観上、ハイフンによって明確に分離されているものであり、特にこれを一連一体の熟語として把握しなければならないような特別の事情も認められないものであるから、本願商標が全体として一つにまとまったものとして理解される場合があるとしても、そのことによって、本願商標を構成する「e」と「コンクリート」の二つの語のそれぞれに対する一般需要者の認識が生じなくなるものでもなく、本件については先に述べた認定のとおり判断するのを相当とするものであるから、請求人の主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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