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Trademark Appeal Case

欧文字の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2004−89066(T2004−89066/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4645407号商標(以下「本件商標」という。)は、「lowes」の欧文字を横書きしてなり、平成14年1月24日に登録出願、第35類「インターネットウェブサイトにおけるショッピングモールを介した商品の広告,インターネットウェブサイトにおけるショッピングモールを介した商品の売買契約の媒介,インターネットその他の通信ネットワークを利用した商品の販売に関する情報の提供,雑誌・新聞に掲載された広告に関する情報の提供,その他の広告に関する情報の提供,広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,商品の売上又は売上ランキング情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,景気動向の分析,ホテルの事業の管理,財務書類の作成,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,複写機の提供,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,タイムレコーダーの貸与,商品の見本市又は展示会の企画・運営又は開催,広告用ビデオの制作」及び第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,その他の有価証券に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,保険情報の提供,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金,金融に関する調査・分析又は予想,金融に関する情報の提供,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機・現金自動預け払い機の貸与,クレジットカードの発行の取次ぎ,クレジットカード利用者に代わってする支払代金の清算,金銭信託・その他の投資信託に関する情報の提供,有価証券に係る投資に関する助言,その他の投資に関する指導又は助言」を指定役務として、平成15年2月21日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

請求人が本件商標の無効の理由に引用する登録第4453444号商標(以下「引用商標1」という。)は、「LOWE」の欧文字を標準文字で書してなり、平成11年3月25日に登録出願、第35類「ラジオ・テレビジョン・その他の媒体による広告の代理,屋外広告物による広告,広告物の掲出・撤去,広告の作成,広告物の配布,販売促進のための企画,スポーツ大会・音楽会・演劇・展示会における広告の代理及び広告促進策の企画及び実施,広告媒体の企画・制作,その他の広告,フランチャイザー及びフランチャイジーに対する経営の診断及び指導,その他の経営の診断及び指導,事業情報の提供,事業の調査,市場調査,市場の研究,商品の販売に関する情報の提供,事業の評価,経理事務の代行,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,トレーディングスタンプの発行,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作」を指定役務として、平成13年2月16日に設定登録されたものである。同じく、国際登録第775952号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第35類「Advertising services; advertising agency services; preparing and placing of advertisements; producing of commercial advertisements; radio and television advertising; business management and advice; business enquiries and investigations; business information and research; business advisory services; business appraisal; business consultation services; publicity services; public relations services; marketing services; market analysis and research; market surveys; direct marketing services; sales promotion services; promotional services; business advisory services relating to sponsorship and franchising.」を指定役務とし、2002年1月24日に国際登録され、平成15年1月10日に我が国において設定登録されたものである。

第3 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定役務中、第35類についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。

1 請求の理由

(1)本件商標及び各引用商標

本件商標を構成する「lowes」の5文字のうちの前半4文字までもは、各引用商標の「LOWE」と欧文字の大文字と小文字という違いがあるにせよ、同一の文字よりなるものであり、その並びも全く同一であるため、本件商標は各引用商標の「LOWE」の最後に「S」を付け足しただけの態様であるように理解される。従って、本件商標と各引用商標とはその大部分において共通する構成を有し、一見して両者は相紛らわしく、それぞれが同一又は類似のサービスについてお互いの商標を使用すれば、その提供主体において混同を生じること必至である。

(2)本件商標と各引用商標との類似性

本件商標と各引用商標との類似性をみてみると、「LOWE」、「lowes」は、我国で最も親しまれている外国語が英語であることを考えれば、両者ともこれは英語で表された商標であると一般的には捉えられる。そして、その英語では、名詞の複数形や動詞の二人称単数現在形を表すために、単語の末尾に「s」を付けることが常識的に知られているため、本件商標は「lowe」+「s」という構成として捉えられることになる。

本件指定役務の分野に唯一「lowes」という商標が存在するだけであるならば、本件商標に接する者は、単に、これを「lowes」として理解することもあるかもしれないが、実際には既に先登録商標としての「LOWE」が存在するのであり、これと同一又は類似する範囲において末尾の「s」の有無のみが異なる本件商標が使用されるならば、これに接する者は「lowe」に「s」が付いたものと理解するのは自然であり、両者に何らかの関係を見出してしまうのは止むを得ないところである。

英語では単語のバリエーションとして「s」を付けることは日常的におこなれれており、しかも「s」の有無のみによっては品詞はもちろん、本来的な意味が変わることはなく、見た目もさして変わるものではない。よって、単語の中にあって末尾の「s」の存在は殊更重視されるものではなく、むしろ軽視される場面も多いため、単に最後に「s」が付加されただけの本件商標は、例えば引用商標の複数形を表しているだけ、あるいは何らかの変化形を表しているだけのような理解をこれに接する者に与え、お互い相紛らわしく、混同を生ずるものである。

各引用商標「LOWE」が既に登録され確立した権利となっているところ、後願である「lowes」と引用商標は「LOWE」という構成中において、ある部分が他の部分に比べて特に目立つなどの軽重の差はないため、「LOWE」そのものが全体をひとまとまりとして自他役務識別機能を発揮するものである。本件商標と各引用商標とは、末尾の「s」の有無という違いがあるといっても、「LOWE」という商標があるにもかかわらず、これが登録されるというのでは、先登録商標の保護を著しく欠くものといわざるを得ない。本件商標「lowes」の大部分である「lowe」と同一の文字「LOWE」について識別機能を発揮している商標がすでに存在している以上、「lowes」の「lowe」もこれとの関連においてとらえられることは必至で、英語では「s」が末尾に付されることが日常的におこなわれているという背景を考えあわせれば、本件商標の識別標識たる機能の根幹を受け持つ「lowe」の部分が同一である各引用商標は類似商標と捉えられ、お互いに混同を生ずるものといえる。

このような請求人の主張に理由のあることは、審決例においても既に述べられているところである(甲第5号証及び甲第6号証)。

各引用商標は、本来「ロウ」と読まれるべきものであるが、これに接する者の中には「ローウェ」のように読む者がいるかもしれない。そして、同様に本件商標「lowes」は「ロウス(ズ)」や「ローウェス」と読まれるものである。すると、特に両者が「ローウェ」及び「ローウェス」と読まれた際には、これらの間における称呼上の差異は語尾の「ス」の音の有無のみとなり、混同の可能性は高くなる。すなわち、この語尾にある無声摩擦音「ス」というのは極めて弱く発音されるものであって、商標全体の称呼に及ぼす影響は小さいため、それぞれ称呼において類似する。このような判断がなされた審決例は、多数存在する(甲第7号証ないし甲第11号証)。

(3)請求人が本件商標に対し申立てた異議決定における判断の誤り

請求人は、先に本件商標に対して本審判請求と同様の内容の登録異議中立をおこなっているが、そこでは最終的に登録維持の決定がなされている(甲第12号証)。しかしながら、異議決定で述べられている判断の理由は、その判断の手法において誤りがあるものである。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標は、引用商標に英語ではありふれた「s」を付けたのみの態様よりなるため、明らかにこれは引用商標との関連性をイメージさせ、さらに称呼や外観においてもこれとは紛らわしい関係にあるため、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

従って、本件商標はその登録を無効とすべきものである。

第4 被請求人の主張

被請求人は、何ら答弁していない。

第5 当審の判断

(1)本件商標と引用商標1について

本件商標は、前記のとおり「lowes」の文字を同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で一体に表してなるものであり、その構成中「s」を除いた部分「lowe」が、(lou)と発音記号が付され、「=low、Auther ロウ1914〜82 英国の舞台、映画俳優」等の意味合いを有する英語として記載されている(研究社 新英和辞典 第6版)事実はあるが、該単語が、わが国で知られた語とは言い得ず、他に「lowe」と「s」に分離しなければならない特段の理由は存しないから、その構成文字全体として、特定の意味を有しない造語よりなるものと理解、把握されるものといわなければならない。

一方、引用商標1は前記のとおり「LOWE」の文字を同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で一体に表してなるところ、その構成文字は、前記のとおりわが国で知られた英語とは言い得ないものであるから、特定の意味を有しない造語よりなるものとみるのが相当である。

そして、特定の意味を有しない造語よりなる欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者をして、わが国において親しまれた外国語である英語に倣った発音をもって称呼し、商取引に資する場合が少なくないというのが実情である。

してみると、本件商標と引用商標1の構成中「low」及び「LOW」は、英語「low」(高い)が(lou)と発音されることに倣えば、「ロウ」と称呼されるから、本件商標は、「lowes」の文字に相応し「ロウエス」若しくは「ロウズ」の称呼を生ずるのに対し、引用商標1は「LOWE」の文字に相応し「ロウエ」若しくは「ロウ」の称呼を生ずるものというのが自然である。

そこで、先ず、本件商標より生ずる「ロウエス」の称呼と引用商標1より生ずる「ロウエ」の称呼とを比較するに、両称呼は、「ロウエ」の音を同じくし、末尾音において「ス」の音の有無の差異を有するものであるが、前者は4音、後者は3音という比較的短い称呼であること及び「ス」の前音「エ」(e)は、有声の開放音であるが、あまり大きく口を開くことなく発音されることから、これに続く「ス」の音は明瞭に聴取し得るものであり、両称呼をそれぞれ一連に称呼するとしても、互いに聞き誤るおそれはないものというのが相当である。

次に、本件商標より生ずる「ロウズ」の称呼と引用商標1より生ずる「ロウ」の称呼とを比較するに、両称呼は、「ロウ」の音を同じくし、末尾音において「ズ」の音の有無の差異を有するものであるが、前者は3音、後者は2音という短い称呼にあっては、たとえ語尾に位置するとはいえ、「ズ」の音は明瞭に聴取され、全体の称呼に及ぼす影響は大きく、両称呼をそれぞれ一連に称呼するとしても、互いに聞き誤るおそれはないものというのが相当である。

また、本件商標より生ずる「ロウエス」の称呼と引用商標1より生ずる「ロウ」の称呼及び本件商標より生ずる「ロウズ」の称呼と引用商標1より生ずる「ロウエ」の称呼とは、その音構成において明らかな差異を有するものであるから、互いに聴別し得るものである。

更に、両商標の観念及び外観についてみると、両商標は、前記したとおり、造語よりなるものと認められるものであるから、観念において比較することはできない。また、本件商標は「lowes」の小文字よりなり、引用商標1は「LOWE」の大文字よりなり、かつ、短い綴りよりなるものであるから、「s」の文字の有無の差異を区別することは極めて容易であるものというべきである。

(2)本件商標と引用商標2について

引用商標2は、別掲のとおりの構成よりなるところ、その構成中の黒塗りの四角形内に表された白抜き部分が、直ちに「LOWE」の欧文字よりなると理解されるより、むしろ構成全体をもって一種の幾何学的図形を表したものと理解されるというのが相当である。

そうすると、引用商標2は、その構成全体より特定の称呼、観念を生じないものであるから、この点において、本件商標と比較することはできず、外観においても明らかに相違するものである。

(3)結語

以上のとおり、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。

したがって、本件商標の指定役務中第35類「全指定役務」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきではない。

よって、結論のとおり審決する。

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