Trademark Appeal Case
薬剤の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−23852(T2003−23852/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「デイ&ナイト」の文字を標準文字により書してなり、第5類「薬剤」を指定商品として、平成14年8月1日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「デイ&ナイト」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、「デイ」の文字は、「昼」の意味を有する「DAY」の文字を片仮名文字で表したものと認められ、「ナイト」の文字は、「夜」の意味を有する「NIGHT」の文字を片仮名文字で表したものと認められ、全体として、「昼と夜」の意味合いを有するものであり、インターネットのホームページ情報によれば、「昼と夜で飲み分ける総合かぜ薬」について、「デイ&ナイト」の文字が使用されている事実が存在するから、本願商標を指定商品中「前記文字に照応する商品(例えば、総合感冒薬)」について使用するときは、単に前記商品が昼と夜で飲み分ける商品であること、すなわち、商品の品質、用途、使用の時期を表示したものと理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものと判断する。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「デイ&ナイト」の文字よりなるところ、その構成中の「デイ」の文字は、英語の「day」の片仮名表記であり、「昼間」等の意味を、「&」の文字は、「英語の「and」の意を表す記号、...と、そして」等の意味を、「ナイト」の文字は、英語の「night」の片仮名表記であり、「夜、夜間」等の意味(いずれも「大辞林 第二版」株式会社三省堂)を有するものであり、全体として「昼と夜」の意味合いが認識されるものである。
ところで、一般用医薬品について、厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/11/s1108−4.html)には、「中間報告書/「セルフメディケーションにおける一般用医薬品のあり方について」/〜 求められ、信頼され、安心して使用できる一般用医薬品であるために 〜/平成14年11月8日/一般用医薬品承認審査合理化等検討会」のタイトル等のもとに、その内容において、「V.1.(4)剤型の多様化[資料16]」の項目に、「Day & Night剤」の語があり、その意味合いとして「日中服用する処方の製剤と夜間服用する処方の製剤とを組み合わせて1剤とするような製剤」との記載がある。
そうとすれば、本願商標からは、その構成中の「デイ」と「ナイト」が片仮名表記であるとしても、一般用医薬品について、剤型の「Day & Night剤」の意味合いが理解されるものであり、これをその指定商品の「薬剤」に使用したときは、取引者、需要者は、「日中服用する処方の製剤と夜間服用する処方の製剤とを組み合わせて1剤とするような製剤」、すなわち「Day & Night剤」であると認識するものであるから、これよりは、商品の品質を表示するにすぎないものというべきである。
そして、以下の新聞記事やインターネット情報をみても、「デイ&ナイト」及びこれと同義と看取される「Day & Night」等の文字が、商品の品質を表示するものとして使用されている事実が認められることは明らかである。
(1)2002.12.23 Pharmaweek 10頁には、「<特集>「Pharmaweekが選ぶ2002年ビッグニュース」」の見出しの下に「【6位 一般薬見直し:予防効果・生活改善効果・セルフチェックなど効能拡大へ】 ・・・剤形でも、高齢者が使用しやすい設計で幅広く提供できるよう環境整備の必要性を指摘。例えば、Day&Night剤(日中服用する処方の製剤と夜間服用する処方の製剤とを組み合わせて1剤とする製剤)といった新しい剤形の承認も視野に入れた内容。・・・厚生労働省は、現在のところ法改正などは考えておらず、各社の判断に任せる姿勢という。このため、報告書に盛られた新しい概念の医薬品が早急に登場するかどうかは未知数だ。しかし、セルフメディケーションの推進、振興には一般用医薬品の活性化は不可分の関係にあり、積極的な取り組みが期待される。」の記載がある。
(2)2002.11.25 Pharmaweek 6頁には、「【資料】厚労省・一般用医薬品承認審査合理化等検討会「セルフメディケーションにおける一般用医薬品のあり方について」」の見出しの下に「V.1.(4)剤型の多様化 ・・・現状の剤型に係る制限を緩和し(注射薬、経管投与剤、点耳剤など医師の指導監督下で使用することが適当と考えられる剤型を除く)、ゼリー剤、ヨーグルト剤等の高齢化に対応した剤型の他、Day & Night剤といった日中服用する処方の製剤と夜間服用する処方の製剤とを組み合わせて1剤とするような製剤についても認めていく方向で検討する必要がある。」の記載がある。
(3)2002.10.28 Pharmaweek 1頁には、「<一般薬見直し>予防効果・生活改善効果・セルフチェックなど効能拡大へ」の見出しの下に「剤形でも、高齢者が使用しやすい設計で幅広く提供できるよう環境整備の必要性を指摘。例えば、Day&Night剤(日中服用する処方の製剤と夜間服用する処方の製剤とを組み合わせて1剤とする製剤)といった新しい剤形の承認も視野に入れるよう要望している。」の記載がある。
(4)2002.10.17 日刊薬業 6頁には、「厚労省検討会 一般用医薬品に関する中間報告書案を検討」の見出しの下に「剤型に関しては、デイ・アンド・ナイト剤(日中服用する処方の製剤と夜間服用する処方の製剤とを組み合わせて1剤とする製剤)などの新剤型も検討するよう提案した。」の記載がある。
(5)2002.11.19 日経流通新聞 2頁には、「大衆薬の範囲拡大、厚労省検討会報告書、生活習慣病など追加」の見出しの下に「剤型に関する制限も緩和し、高齢者でも服用しやすいゼリー剤やヨーグルト剤、日中と夜用の薬剤の組み合わせで効果を発揮する「ナイト&デイ剤」といった新たな薬剤も認めていく。」の記載がある。
(6)インターネットの「http://www.homeohealth.com/homeo/category_search.asp?RECORD_KEY=$queryString&type=%u98A8%u90AA%u85AC」のホームページには、「Homeo Health/The Internet Healthstore/風邪薬」の表示及び「コンタック・デイ&ナイト20C」(商品名)、「昼と夜で飲み分ける総合かぜ薬」(説明)の記載がある。
(7)インターネットの「http://www2.ocn.ne.jp/〜aiaido/health/shinki/new020916.html」のホームページには、「新規承認一般用医薬品」の表示及び「プレコール持続性デイ&ナイトD」(承認を受けた者の名前:藤沢薬品工業)の記載がある。
なお、請求人は、「仮に、「昼と夜」の意味合いを有するものとしても「我が国」における本願商標の指定商品を取り扱う業界においては「昼と夜で飲み分ける薬(商品)」を表すものとして使用されている事実は1件も発見されず、需要者、取引者は、本願商標を商品の品質、用途、使用時期を表示するものと認識することはない。また、我が国においては薬事法の関係から「昼と夜とで飲み分ける」薬剤は認可されていない。現実に日本で販売(認可)されていないことは、(株)じほう(日本医薬情報センター編)の日本医薬品集などを調査すれば分かる。」旨主張するものであるが、先に掲げた厚生労働省のホームページにおいて、「Day & Night剤」の語が、同省において一般用医薬品の剤型の一つとして使用していることが認められ、上記新聞記事で上記同省の中間報告書に関しての「Day & Night剤」の内容が紹介されていることからすれば、本願商標は、「Day & Night剤」の意味合いで取引者、需要者に認識されるものと認められるのであって、その商品の品質を表示するにすぎないものと理解、認識されるといわなければならないから、請求人の上記主張を採用することはできない。
以上のとおり、本願商標は、これをその指定商品の「薬剤」に使用したときは、「Day & Night剤」を認識させるものであり、その商品の品質を表示するにすぎないものというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記した「Day & Night剤」以外の薬剤に使用したときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するといえる。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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