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Trademark Appeal Case

接頭語共通商標の称呼比較

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90790(T2004−90790/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4807667号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4807667号商標(以下「本件商標」という。)は、「アクリロール」の片仮名文字と「Acryroll」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成16年1月15日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年8月26日に登録査定、同年10月1日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の2件の登録商標を引用している。

(a)登録第4185197号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ACRYSOF」の欧文字を標準文字で表してなり、平成9年4月22日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年9月4日に設定登録されたものである。

(b)登録第4231481号商標(以下「引用商標2」という。)は、「アクリソフ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成9年10月7日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年1月14日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標と引用各商標とは、語頭の「アクリ」の音を共通にするものであるから、称呼上、相紛らわしいばかりでなく、引用商標1とは、外観においても紛らわしく、互いに混同のおそれがある類似の商標である。

申立人は、米国において1945年に設立された法人であり、眼科医療分野において世界最大の企業である。申立人の業務に係る「眼内レンズ」は、白内障患者の水晶体摘出手術後に挿入移植されるレンズであり、1994年には、引用商標を使用した「眼内レンズ」を日本においても販売を開始しており、現在、日本では、眼内レンズ等のサージカル製品では60%のトップシェアを誇っているものであって、引用商標は、眼科医、眼科製品を取り扱う業者の間において、極めて周知の商標として認識されている。

また、申立人は、上記2件の引用商標以外にも、「眼内レンズ」を指定して、「ACRYFLEX」(登録第3105142号)、「ACRYPAK」(登録第3213932号『登録第3213929号の誤記と認められる。』)及び「ACRYSERT/アクリサート」(登録第4642312号)を有している。そして、現在、接頭語「ACRY」で始まる商標で「眼内レンズ」について使用されている商標は、申立人の引用商標とHOYA株式会社の「ACRYFOLD」(登録第2704606号『登録第4484807号の誤記と認められる。』)だけであるが、HOYA株式会社とは、在庫の販売が完了後、「眼内レンズ」について「ACRYFOLD」を使用しないとの合意に達している。

このような事情の下で、接頭語「ACRY」で始まり、商品「眼内レンズ」を指定する本件商標は、引用各商標と出所混同のおそれが高い商標であるといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標と引用各商標との比較

本件商標は、前記したとおりの構成からなるものであるから、該構成文字に相応して「アクリロール」の称呼を生ずるものと認められる。

他方、引用商標1及び引用商標2は、前記したとおりの構成からなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「アクリソフ」の称呼を生ずるものと認められる。

そこで、本件商標から生ずる「アクリロール」の称呼と引用各商標から生ずる「アクリソフ」の称呼とを比較するに、両称呼は、前半部分において、「アクリ」の音を共通にするとしても、後半部分は、「ロール」と「ソフ」という全く別異の音構成からなるものであり、全体の語調・語感も明らかに異にするものであるから、互いに明瞭に聴別し得る差異を有するものと認められる。

また、本件商標と引用各商標とは、その全体の外観において顕著な差異があるばかりでなく、本件商標の欧文字部分と片仮名文字部分のそれぞれを引用商標1及び引用商標2と比較してみても、後半部分とはいえ、明らかに字形の異なる「roll」と「SOF」及び「ロール」と「ソフ」という文字の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。

更に、本件商標と引用各商標とは、いずれも特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから、観念においては比較すべくもない。

したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

そうとすれば、本件商標の登録出願時において、引用各商標が申立人の業務に係る商品「眼内レンズ」を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものであることは認められるとしても、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

(3)むすび

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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