Trademark Appeal Case
商標の類否判断と著名性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90723(T2004−90723/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4801621号商標(以下「本件商標」という。)は、「エテルニテ」の片仮名文字及び「Eternite」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成16年1月14日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,歯磨き,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料」を指定商品として、同年9月10日に設定登録されたものである。
2 引用商標
(1)登録第3141212号商標は、「ETERNITY」の欧文字を書してなり、平成4年6月17日に登録出願、第3類「香水,オーデコロン・ハンドローション・ボディローション・ひげそり用化粧水及びその他の化粧水,頭髪用化粧品,浴用化粧品,汗止化粧品,防臭化粧品,ハンドクリーム・ボディクリーム・日焼クリーム・日焼止クリーム・ひげそり用クリーム・皮膚の角質除去クリーム及びその他のクリーム,その他の化粧品」を指定商品として、同8年4月30日に設定登録されたものである。
(2)登録第4131042号商標は、「ETERNITY」の欧文字を書してなり、平成8年8月15日に登録出願、第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,ポプリ,芳香剤,その他の薫料,バスオイル,制汗用化粧品,身体用防臭剤,マッサージオイル,ボディローション,その他の化粧品,歯磨き」を指定商品として、同10年4月3日に設定登録されたものである(以下、一括して「引用商標」という。)。
3 登録異議の申立の理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、欧文字綴りが相紛らわしく、称呼「エターニテ」と「エタニティ」においても相紛らわしい。さらに、観念「永遠」において同一であり、その語源も同一に帰するため相紛らわしい。
これらを総合すれば、本件商標は、引用商標と混同を生ずるおそれのある類似商標であり、また、指定商品は同一又は類似の商品である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、被服や香水に関する著名ブランド「CALVIN KLEIN(カルバン クライン)」とともに香水に使用される商標として周知・著名である。
引用商標は、時代を超越した名香と評価され、「CALVIN KLEIN(カルバン クライン)」の香水に関する評価を高め定着させるのに多大な貢献のあった香水であり、「CALVIN KLEIN(カルバン クライン)」の代名詞といえる香水として需要者、取引者に周知・著名である。
前記(1)のとおり類似すると信ずるが、譲って類似するものでないとしても、本件商標を「香水その他の化粧品」及び「その他の指定商品」に使用した場合、需要者をして出所の混同を生じせしめるおそれがあること明らかである。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同19号について
引用商標は、著名ブランド「CALVIN KLEIN(カルバン クライン)」の使用に係る香水のうち、同ブランドの代名詞ともいえる程に周知・著名である。
本件商標と引用商標とは、観念同一、欧文字第1文字から第7文字を共通にして相紛らわしく、称呼においても相紛らわしい。
そして、権利者は、化粧品の製造販売に従事する者であるから、引用商標の使用にかかる香水を当然知っていたと考えるのが自然であり、同香水の評判にただ乗りすることにより自己の製品を販売する意図があったと認定し得るものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本願商標の指定商品を取り扱う業界の取引の実情は、英語とともに仏語も商標として採択使用される傾向にある。
しかし、本件商標は、前記のとおり、上段に片仮名文字「エテルニテ」を書してなり、下段に欧文字「Eternite」を書してなるので、取引者、需要者は、上段に表され、かつ、読みやすい片仮名文字「エテルニテ」の部分が、下段の日常親しまれた成語でない欧文字「Eternite」の読みを表示したものと看取・認識することから、片仮名文字の「エテルニテ」の部分がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。
そうとすると、本件商標は、「エテルニテ」の称呼のみを生ずるものである。
他方、引用商標は、その構成文字に相応し「エタニティ」の称呼を生ずるものである。
そこで両称呼を比較するに、その相違する各音の音質の差異によって、相紛れることなく判然と区別され得るものである。
また、我が国においては、本件商標を構成する欧文字「Eternite」が、「永遠」の意の語として日常親しまれた成語とはいい難いから、特定の観念を生じることのない造語とみるのが相当である。よって、本件商標は、引用商標と観念において相紛らわしいものとはいえない。
さらに、両商標は、その構成態様を著しく異にするものであるから、外観において相紛れる余地はない。
したがって、本件商標は、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、引用商標に類似する商標ではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
甲第4号証の1ないし甲第4号証の9は、本件商標を使用した商品の生産又は販売数、使用期間、使用地域及び甲第4号証の5ないし甲第4号証の8以外は宣伝広告の方法・回数・内容等の記載がなく引用商標が、需要者の間で広く知られるに至っていたと認めることができない。
そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者が、引用商標を想起させ、異議申立人と何らかの関係を有する者の商品であるかの如く誤認し、商品の出所について混同を生じさせるおそれがないものというのが相当である。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同19号について
本件商標は、その構成からみて、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのあるものとはいえないばかりか、出願し登録を受けたことが、反社会的なものとして是認されないとすべき理由も見いだせない。
また、権利者は確かに化粧品を取り扱う者と認められるが、だからといって、不正の目的をもって本件商標を出願し登録を受けたものといい得る理由は見いだせない。
(4)まとめ
本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同15号、同7号及び同19号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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