sokuhyo

Trademark Appeal Case

周知雑誌名と国際信義

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年異議第90061号
審判種別異議
結論other

結論テキスト

登録第4002034号商標の登録を取消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4002034号商標(以下「本件商標」という。)は、平成7年11月7日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴。」を指定商品として、平成9年5月23日に設定の登録がされたものである。

2 登録異議の申立の理由

(1)本件商標は、構成中の「MARIE FRANCE」の文字部分が、それのみで自他商品の識別標識としての機能を有するものと認められるところ、「MARIE FRANCE」又は「marie france」の欧文字は、申立人のグループ会社エディーシック社が発行する女性誌の題号として本件商標の出願前より世界的に周知著名となっていたものであるから、このような商標をその発行人の承諾なく出願登録することは、国際信義に反するものであり、かつ、本来の権利者の日本市場への参入を阻害するものであるから、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当する。

(2)本件商標は、申立人の先願商標と称呼上類似し、かつ、その指定商品も同一又は類似するものであるから、申立人の先願商標が登録された場合には、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)本件商標は、申立人のグループ会社エディーシック社が発行する女性誌の題号として本件商標の出願前より世界的に周知著名となっている「MARIE FRANCE」又は「marie france」に類似するものであるから、これをその指定商品に使用すると、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生じるおそれがあるので、商標法第4条第1項第15号に該当する。

よって、本件商標は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標を商標法第4条第1項第19号に該当するものとして商標権者に対して通知した取消理由の要旨は、つぎのとおりである。

<取消理由>

本件商標は、別紙に示すとおりの構成よりなるところ、構成中の「MARIE FRANCE」の欧文字部分は、「MARIECLAIRE(マリークレール)」、「ELLE(エル)」と並ぶフランス国の代表的な女性誌の名称を表示してなるものであり、かつ、「マリーフランス(MARIE FRANCE)」誌は、本件商標の出願時には、フランス国において周知著名であったと認め得るものである。

してみれば、その商標構成中にフランス国において周知著名な商標と同一の文字構成よりなる商標を含む商標を我が国において出願し、権利を取得しようとする行為は国際信義に反するものというべきであり、かつ、その行為には不正の目的があるものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである。

4 商標権者の意見

(1)本件商標は「Mf」の部分が主体であり、その下に「MARIE FRANCE」の文字が書かれているに過ぎない、

(2)海外及び日本国内のファッション雑誌名は、他人により多数登録されている。また、フランスで発行されている雑誌名が商品「雑誌」に限定されず、ファッション商品分野の全てに及ぶとする見解は納得出来ない。

(3)「MARIE FRANCE」誌のフランス国内での発行部数は、5万部程度であり、フランス以外の国では知られていない。

(4)「MARIE FRANCE」誌は、日本では全く知られておらず、「日本語版」も発行されていない。この点で「MARIE CLAIRE」や「ELLE」とは異なる。

(5)日本では、「MARIE FRANCE」は「ジャス・インターナショナル株式会社」の関連商標として消費者に広く知られている。

(6)ジャスは「MARIE FRANCE」商標を使用し、日本のファッションメーカー6社と共同で商品化を行っている。

(7)上記各サブライセンシーの販売状況証明書及び契約書等を提出する。

(8)「MARIE FRANCE」誌は、「GROUPE MARIE FRANCE S.A.」社が経営していたが、1993年11月頃に倒産し、雑誌は廃刊になったと聞いている。

5 当審の判断

本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するとして、平成10年6月23日付で商標権者に対して取消理由通知を発したものである。

しかして、本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当するとの理由により、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものであって、これについて述べる商標権者の意見は、以下の理由により採用することができない。

(1)「MARIE FRANCE(マリーフランス)」誌は「Elle(エル)」「Marie−Claire(マリークレール)」のように日本語版の発行はないが、これが、フランス国内においては、前記二誌と同列に論ぜられるフランスの代表的な女性誌であることは、申立人提出の甲第4号証及び甲第5号証によって明らかな事実である。

そして、甲第6号証及び甲第7号証によれば、同誌はベルギー、スイス、オランダ、イタリア、日本等の多数の国々においても販売されており、その販売部数も1996年度で、スイスで63,220部、ベルギーで35,261部であり、これらの国々における販売部数は決して少ないとはいえないものである。

(2)商標権者は、「MARIE FRANCE」誌は発行元の倒産により廃刊された旨主張しているが、本件商標の設定登録日である平成9年(1997)5月23日後の平成9年(1997)9月31日発行の「MARIE FRANCE」誌が甲第6号証の5として提出されている事実からみて、商標権者の主張は根拠のないものである。

以上の事実よりすれば、「MARIE FRANCE(マリーフランス)」誌はフランス国内のみならず、周辺諸国であるベルギー、スイス、オランダ、イタリア等の国々においてもかなり知られているものとみるのが相当である。

してみれば、このようにフランス国内及びその周辺諸国において著名な商標と同一の構成よりなる商標を含む商標を採択使用する行為には、不正の目的があるものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。